本日より、2学期の読み聞かせが始まりました。
ひとりで、4年生のクラスで2冊 絵本を読んできました。
今回の自分の中でのテーマは、ワールドワイド。
夏休みにオリンピックを観た子も多いだろう→世界にはたくさんの国や地域があり
そこで暮らす人がいる‥という視点から『世界のあいさつ』を読もうかなーとも
思いましたが、実際に、現在、どのくらいの人がその挨拶を実践しているのかが、
ふと不安になり、その絵本はやめておきました。
と、いうわけで、1冊目は韓国・朝鮮の昔話
とても欲張りな地主は、広場はみんなのものだが、木陰を作っている木は
自分のおじいさんのものなので、木陰に入って休みたければ、それを買い取ってからに
しろ、と、土地を貸しているひゃくしょうたちに告げ、しかたなくひゃくしょうたちは
お米や農作物を集めて「木陰」を買い取ります。
夏の間は、木の真下に濃く影を作っていましたが、やがて秋が来て、木陰はしだいに
伸び始め、地主の門の前に、中庭へ、そしてとうとう家の中の板の間へも、影は
伸びていき、ひゃくしょうたちは、自分たちの木陰でひとりがごろり、ふたりがごろり、と
くつろぎ始めます‥。
和紙を貼ったような紫色の木陰が印象に残り、夏から秋への日の移ろいが感じられる
ところが好きなのと、木陰を買うという発想がなかなか面白いかなーと思うのですが
どうでしょう。
(過去に何度か読んでいます、3年生のクラスが多いようでした。 ★ ☆)
もう1冊は、がらりと雰囲気を変えて‥
新刊絵本講座で紹介されて、自分のために買った絵本です。
服飾やデザインなどの展示で知られる、ロンドンの『ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館』の
出版部門が、実際の博物館を舞台に作ったお話なので、展示物も、展示室も、カフェも
本物と同じに描かれていて、とても美しく見応えがあります。
お話は、手芸が大好きなクララ(表紙の女の子)は、お人形の洋服や帽子を作る時に、
帽子デザイナーだったおばあちゃんの帽子をかぶっていましたが、ある日、お兄ちゃんが
その帽子を無理やりかぶり、破ってしまいます。
落胆しているクララを、お母さんが、きれいなものがたくさんある博物館へ行きましょうと
連れて行ってくれることになり、クララは、帽子もたくさんあるというその博物館なら、
帽子を直してくれる人もいるかもしれないと、破れた帽子をこっそりとバッグに入れていきます‥。
大きな帽子も、博物館も、シャンデリアも、古い剣も、今朝の教室に居た4年生には、決して
身近なものではありませんが、世界は広く、世界にはいろんな場所があり、いろんなことに
興味を持っている子がいるんだなーくらいに思ってもらえれば、という気持ちで
読みました。