もう終わってしまったので、覚書となりますが‥
GW中、銀座に出かけ、見てきました「まどさん100歳展」
まど・みちお展 ではなく、まどさん100歳展 となっているところが
あまりにも「的確」だと思いました。
私の中で、まど・みちおさんといえば、この本かな、なのです。『どうぶつたち』
今さら私が言うまでもないことですが、ほんとうにこの本は素晴らしいです。
まど・みちおさんの詩、美智子さまの英訳、安野光雅さんの絵、そして
本全体の装丁‥
日本人として、とても誇らしい気持ちになるといっても過言ではありません。
冒頭の詩を、ひとつだけ紹介させてください。
ことり A LITTLE BIRD
そらの A dewdrop
しずく? from the sky?
うたの A bud
つぼみ? of a songs?
目でなら May I touch you
さわっても いい? Just with my eye?
左側の日本語がまどさんの詩で、右側の英語の詩が美智子さまの
英訳です。
(日本語の)ことばの意味を崩さず、(英語を)口にしたときの音が
心地よいのはもちろんのこと、目でみたときの言葉の並び順の美しさにまで、
気持ちが行き届いています。とても洗練されていると思うのです。
‥ ‥ ‥
展示の中に、この本の、特別装丁本がありました。
もっと小さくて(A5くらいの大きさだったでしょうか?)赤い皮の表紙が
目を惹きました。
ああ、やっぱり栃折久美子さんの装丁でした。
美しい表紙でした。
中は、どんな紙をつかい、どんなふうに文字を組んでいるのか、
そのページを開いてみることができたなら、と強く願いました。
もうひとつ、印象に残っているのは、この絵本です。『せんねん まんねん』
まど・みちお 作 柚木 沙弥郎 絵
せんねん まんねん という詩に、 柚木 沙弥郎さんの絵が
ついています。
幼い子の詩集「パタポン」②に、その詩が載っているので、知っていたのですが
文字だけのときよりも、2行か3行分の言葉に絵がついた、こちらの、
本になったもののほうが、私にはとても響いてくるものがありました。
最後の3行はこんなふう‥
まだ人がやって来なかったころの
はるなつあきふゆ はるなつあきふゆの
ながいみじかい せんねんまんねん
そしてそして。
歌になっているものでは、私は、やぎさんゆうびん が一番好きです。
むかしもいまも。
手紙をやりとりしている、白ヤギさん、黒ヤギさんに心から親愛の気持ちを
感じています♪