my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

リソウノハハ

2009-05-08 17:21:20 | 好きな本
今度の日曜日、5月10日は母の日です。

ありがたいことに、私には母も義母もいるし、私自身も(一応)
母なのですが、こどもの頃からなんとなく苦手な日で、今もそんな感じです。

もともとが〈ジャック天野〉なので、好き、とかありがとうとか、ストレートに
言えないのです。
母も、一緒に住んでいて、しかも仕事まで一緒にしているので、
余計に「お母さん、いつもありがとう。長生きしてね」なんて口が裂けても
言えません・笑。

そんな私に比べ、あと3か月ちょっとで13歳になるというのに、娘のrは
なんでもストレート‥
いまだに「ママ、大好き」と抱きついてきてくれます。
こんな嬉しくって、こんなありがたいことは、世の中にそうはないとわかっていても、
ジャック天野が(すぐに)顔を出し、2回に1回は、あついーとか、言って
すぐに腕を取ろうとしてしまったり、の私です。



昨日読み終えた本の中に、こんなフレーズがありました。

ママが歩くと、まるでママ専用のそよ風といっしょに
歩いている
みたいで、ずっとすてきなんだ。

ベーグル・チームの作戦
 E・Lカニグズバーグ 作 松永ふみ子 訳

この本の主人公マークが、自分のママのことをこう言ったのです。
でも、マークにとって、ママは、決して理想の母だったわけでは
ありません。この前の文章でも、友達のお母さんはインテリだとか
乱暴な言葉使いはしないとか言っていて、でも、ママが歩くと
に繋がっているのです。

その「ママ」は自分の所属する野球チームの監督になってしまい、
おまけに兄をコーチに指名します。
親友だと思っていた友だちとも、しっくりいかなくなってしまったり‥の
厳しいシーズンでしたが、マークの視点から語られるマークの日常と
野球チームのシーズンはおもしろく、そんなに野球に詳しくもないし、
男の子も兄弟も、男の子も私にはいないけど、読後は爽やかさでした。

プライバシーについての記述から、ふんふんと、私自身が学んだことも
ありました。
マークが「プレイガール」という雑誌を自分のベッドのマットの下に隠して
おいたのを、マークは、誰も知らない自分の秘密だと思っていたけれど
実はママは気がついていたうえで、あえて、黙認していた
ということがわかったあとでの、文章です。

‥そうしたらパパが教えてくれたの。
あんたはあんたの身に合ったプライバシーを築こうとしてるんだって。
そしてママがあんたの小さい時には、小さいプライバシーを
大きくなったらもっと大きいプライバシーを許すようにしてあげないと、
あんたをこそこそ人間にしてしまうだろうって。

マークのママ、なかなかです。(パパもですけど)

お母さんって。
おかあさん、そんなこともわからないの、そんなことも知らないのって
こどもに思われているくらいで、ちょうどいいのかなあって思ってしまいます。

ここまで書いたら、『あなただけのちいさないえ』を思い出し、すぐにでも
開いて読みたくなりました。




コメント (8)
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