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「プリンセスチュチュ」ファンページ

ワルキューレ その3

2011-05-28 14:33:45 | その他
再びMetに戻って。

「ワルキューレ」は、基本、ファンタジーなんで、何と言うかまあ、わりと無茶なストーリー展開...
で、これをすんなり通すには、人々の運命に対して強大な影響力を持つ最高神ヴォータンがそれらしく見えるかどうか、が一つのカギじゃないでしょうか。
そういう意味で第2幕のヴォータンの登場シーンはかなり重要だと思うんですが、その点もブリン・ターフェルは文句無し。
そもそもこの人は、歌もさることながら演技力(歌の演技力も含めて)が抜群で、普通のオペラ歌手がともすると演技がお留守になりがちなのとは一味違ってますね。(演劇の国イギリス出身のゆえか?)
舞台演出にも協力的というか積極的で、他の歌手ならやらないようなこともさらっとやってのけ、いつも感心させられます。

さて、そのブリンは今回も、"The Machine"の山(笑)の向こうから姿を現した瞬間からさすがの存在感で、歌い始める前から観客の意識をがっちり掴んでました。
そしてここでもう一人の主役、というか、タイトルロールのヴァルキューレのリーダー、ブリュンヒルデ(デボラ・ヴォイト)登場! なんですが...

本来なら舞台前面上手寄りから、舞台の後ろ半分を占める『岩山』(="The Machine")に駆け上がり、ヴォータンに横から抱きつく、という演出(@リハーサル映像)だったんですが、デボラは『岩山』に上った直後、大きく傾斜した複雑な装置(ぱっと見には分かりにくい凹凸もあるんです)に足を取られて転倒。
膝をついたまま舞台前面に滑り落ちてしまいました。(初日の初登場で...)
観客の叫び声でブリンが振り返り、とっさに手を差し伸べたものの、全然届くような距離ではなく。
どうするのかなぁ、と思って見てましたら、デボラは無理をせず、その場で駄々っ子のように片足で地団駄を踏んでみせ、"The Machine"には上がらずにそのまま下で演技を始めました。

ブリンは一瞬、デボラが落ちた方へ向かいかけたものの、デボラの様子を見てさりげなく知らん顔をし(手に負えないやんちゃ娘に対するような仕草)、自分のパートを歌い終えてから反対側を周って下に降り(←これは振付け通りの動き)、デボラと合流。
本来ならデボラが"The Machine"の上、ブリンがその下でやるはずの演技を、二人とも下で続けました。
位置が違うと、動きというか、見せ方を微妙に変えなきゃなりませんが、そこは二人のアドリブですね。
その辺りは二人とも、さすがベテランという感じでした。
最初からそういう演出だったのかと思った人もいたようです。それくらい自然でしたよ。

(さらにつづく)

ニコラ・ル・リッシュ来日延期

2011-05-28 14:32:01 | その他
そういえばNBSからメールが来てましたが、今日から発売開始のはずだった<ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち>(2011年8月公演)は延期になったらしいです。
お知らせ及びニコラ・ル・リッシュのメッセージのページは下記↓
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-335.html

まあ8月だと、電力事情も最悪と予想されるんで、バレエとかやってる場合じゃないと言われてもしょうがないですが...

先行販売もあった?んじゃないかと思うんで、チケットお持ちの方はお気をつけ下さいませ。