報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“魔女エレーナの日常” 「スピンオフと本編が入り混じってスマソ」

2018-08-24 18:43:34 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[8月15日22:30.天候:晴 東京都板橋区成増 成増駅南口モスバーガー]

 鈴木:「……それで、具体的に俺はエレーナに何をプレゼントすれば喜ばれる?ズバリ教えてくれ」
 横田:「私の分析によりますと、普段モノトーン且つおとなしめの服を着ている女性ほど、下着は煌びやかなデザインを好む傾向があります(※)」

 ※ケンショーグリーンの勝手な分析です。健全な読者の皆様は、けして惑わされないように……。

 鈴木:「そ、それで?」
 横田:「私の知り合いにランジェリーショップを経営している者がおります。ええ、他のケンショーレンジャーには内緒ですよ。私の分析と知り合いの見立ての合わせ技があれば完璧です」
 鈴木:「おおーっ!……だが、問題は彼女のサイズが分からない。ブラのサイズだって、AカップとかCカップとかあるわけだろ?まあ、明らかにマリアさんや後輩のリリ……何とかってヤツよりは大きいはずだが……」
 横田:「御心配に及びません。これも私の調査にお任せください」
 鈴木:「調査は是非よろしくと言いたいが、エレーナの機嫌を損ねるようなことは……」
 横田:「ですから、何も心配はございませんよ。どうか、この私めにお任せください。鈴木さんは、報酬である【AKB48メンバーの1人の】使用済みブラショーツを1組用意して頂ければ良いのです」
 鈴木:「分かった。それはこちらに任せてくれ」
 横田:「必ずやあなたの恋愛、成功のお手伝いをさせて頂きましょう。大聖人様は全て御照覧あそばされておられるのです」
 鈴木:「うむ。その通りだな」

[8月16日13:15.天候:晴 東京都江東区森下 ワンスターホテル]

 エレーナ:「鈴木のヤツ、一体私に何をくれたんだろう?」

 エレーナは早速包装を開けてみた。

 エレーナ:「こ、これは!?」

 それは青色を基調としたランジェリーだった。
 箱を見れば、エレーナも聞いたことのある高級ランジェリーショップのものだから、それなりに値段の張るものなのだろう。
 それにしても、だ。

 エレーナ:「鈴木のヤツ……。もしかして、誰かに入れ知恵でもされたのか?」

 結構鋭い魔道師なのだった。

 エレーナ:「変な魔法とか掛かってないだろうな。……よし」

 エレーナはA1サイズはある大きな紙に魔法陣を描いた。
 そしてその上に鈴木からプレゼントされたぱかりの下着を置く。

 エレーナ:「パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ!……魔法陣の上に置かれし物よ。魔法の力あればその正体を問わず、その姿を表せ。イン・パス!」

 すると魔法陣が白く光り、それに下着が包まれる。
 その後で魔法陣の色は青に変わった。
 青色を基調とした下着が更に青く染まる。

 エレーナ:「……特に何も無いってか。ふーむ……」

 エレーナは試しに着用してみることにした。
 もちろん、一旦は全裸になることになる。

 エレーナ:「さすがは私でも知ってる評判の店のだ。なかなかいい着心地だな」

 姿見に自分の下着姿を映してみる。

 エレーナ:「あいつのセンス、なかなかいいじゃん。幸い私の契約悪魔も、青がシンボルカラーだからな。おい、マモン。着る服は下着でもいいんだろ?」
 マモン:「さよう……」

 マモンとはキリスト教における“七つの大罪”の悪魔の1つで、強欲を司るものである。
 キリスト教においては特にシンボルカラーは決められていないが、ダンテ一門では青が指定されている。
 その為、契約者は身に着けるもののどこかにシンボルカラーを入れなくてはならない掟があった。
 例えばマリアの契約悪魔は緑なので、ブレザーやスカートなど、服にその色を使うことが多かったし、エレーナの場合はリボンやネクタイに青を使っていた。

 エレーナ:「よし。サイズもピッタリだし、ヘビロテ用に使えそ……ん?」

 ヘビロテとはヘビーローテーションの略なのではあるが、ここでは普段使い用という意味である。
 そしてエレーナ、ここで1つの疑問を発生させた。

 エレーナ:「あいつ、何で私の契約悪魔のカラーとサイズを知ってるんだ?」
 マモン:「青はどこにでもある色だ。色に関しては、ただの偶然と言えるだろう……」
 エレーナ:「色については百歩譲ってそれだとしても、何でサイズがピッタリなのかが分からない!」
 マモン:「色々と調査したのだろうな」
 エレーナ:「調査ぁ!?あいつのネットワークなんて……。! もしかして、稲生氏か!?確かマリアンナは私のサイズを知っていたはずだし……。この前、プールに行った時とかな」

 更衣室で一緒に水着に着替えた際、互いのサイズを見たりしている。

 エレーナ:「聞いてこよう!」
 マモン:「仕事はどうする?」
 エレーナ:「! 仕事が終わったら問い詰めてやる!」
 マモン:「それで良い。日銭稼ぎは大事だ」

[8月17日21:00.天候:晴 東京都豊島区池袋 某カクテルバー]

 キイッとドアを開けて、横田が無言で店内に入る。
 そして、鈴木の隣に座った。

 マスター:「いらっしゃいませ。ご注文は?」
 横田:「カルピスソーダの甘酢あんかけ」

 ズコーッ!(店内の客・店員全員がズッコケる)

 横田:「失礼。マティーニで」
 マスター:「か、かしこまりました」

 マスターがマティーニを作っている間、レゲェパンチを飲んでいる鈴木が話し掛けた。

 鈴木:「いきなりボケかますなよ」
 横田:「失礼しました。本当は『うさぎ』とお答えしたかったのですが、ここは秋葉原ではないので……」
 鈴木:「今度は秋葉原で話そうか」

 鈴木は呆れ顔になった。

 横田:「それより、私の働きぶりは如何でしたか?」
 鈴木:「完璧だ。どうやら喜んでくれたらしいぞ」
 横田:「お役に立てて何よりです。それより、例の物は……?」
 鈴木:「おう」

 鈴木が鞄の中を出す間、マスターがマティーニを持ってきた。

 鈴木:「これだ」

 カウンターの下を通して、鈴木は包み紙に入った『例のブツ』を渡した。

 鈴木:「サービスで【AKB48メンバーの】写真付きだ」
 横田:「さすがは鈴木さん!これで思い残すことはありません!」
 鈴木:「大げさだな。芸能界は、裏で政財界とも繋がっているだけのことだよ。因みに、どうやってエレーナのサイズを測ったんだ?」
 横田:「あー、申し訳ありません。それは企業秘密というもので……」
 鈴木:「エレーナに手を出したりはしてないだろうな?」
 横田:「心外な!もしそうだとしたならば、私はこの場にいませんよ?」
 鈴木:「それもそうか……」
 横田:「それより、ここはお互い上手く行ったということで、乾杯しましょう」
 鈴木:「おう、そうだな」

 鈴木と横田はカチンとグラスを合わせた。

[同日同時刻 天候:晴 ワンスターホテル]

 リリアンヌはエレーナ専用の洗濯機の前にいた。
 後輩として先輩弟子の服を洗うのである。

 リリアンヌ:「フヒヒ……。今夜はエレーナ先輩は、稲生先輩達の所にお泊り……。その間、掃除と洗濯を完璧にこなす……。下着はネットに1枚ずつ入れて洗う……ん!?」

 その時、エレーナの下着のうち、一組のブラショーツから異臭が漂って来たのに気づいた。
 それは鈴木からプレゼントされたものとは違うものだった。

 リリアンヌ:「こ、これは……!?」

 それはリリアンヌも嗅いだことのある臭い。
 幼少の頃、性的虐待を受けていた時に嫌と言うほど嗅がされた精液の臭い。

 リリアンヌ:「な……何で!?」

[同日22:00. 再び池袋のカクテルバー]

 横田:「クフフフフフ……!簡単なことですよ。本人の別の下着を借りパク……もとい、無断拝借してそのサイズを直接測れば良いのです……」
 マスター:「お客様、お連れ様が酔い潰れておられますが、大丈夫ですか?」
 鈴木:「…………」
 横田:「ああ、大丈夫ですよ。団体は違えど、同じ日蓮大聖人の仏法を実践させて頂いている仏弟子です。見捨てたりはしませんよ。クフフフフフフフ……」

 これは……グッドエンドってことで良いのだろうか?
コメント (3)
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“大魔道師の弟子” 「スピンオフと本編が合流するところ」

2018-08-24 10:53:44 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[8月17日14:00.天候:曇 長野県北部山中 マリアの屋敷]

 稲生は屋敷東側2階の自室でレポートを書いていた。

 稲生:『魔道師の魔法力については、非常に不安定なものがある。これをケータイのパケット通信に例えると分かりやすい。魔法使いが魔法を使うには、大きく分けて2つある。前者は自らに備わった魔力をそのまま使うもの、後者は悪魔や精霊など、魔力を付与してくれる存在と契約してそれを供給してもらい、それを活用するものである。前者は契約したパケットをそのまま使う為、いずれ枯渇する。しかし後者はWi-Fiを使用するようなものであり、その供給が安定しているうちは魔力の消費を気にせず使用できるというメリットがある。しかし、後者にもデメリットはあって……』

 稲生とて魔道師見習なのだが、大学生よろしく、レポートをPCで作成しているという辺りがシュールである。
 このレポート作成の仕方も組によって方針の違いがあり、あくまでも手書きに拘る所もあれば(手書きの方がそのレポートそのものに魔力が籠もるという考え方から)、アナスタシア組のように弟子の数が多いと管理が大変な為、逆にPC限定にしている所もある。
 イリーナ組は自由。
 むしろイリーナ自身が、かつてはタイプライターを使っていたということから、稲生がPCでレポートを作成することには反対しなかった。
 もっともマリアに言わせると、「師匠は字が汚くて、それを大師匠様に何度も怒られていたから、タイプライターが発明されると、さっさとそれに切り替えたらしい」とのこと。
 孫弟子には優しいダンテも、直弟子には厳しいのだった。

 稲生:「ん?」

 稲生がキーボードを叩く手を止めて、ふと窓の外を見た。
 外はどんよりとした雲が空を覆っていた。

 稲生:「台風、こっちに来るんだったな……。まあ、屋敷の中にいれば安全か……」

 魔力の塊がこっちに来るような感じがして窓の外を見たのだが、やはり黒い雲の中からホウキに跨ったエレーナがこっちに向かって来ていた。

 稲生:「また先生宛ての荷物でも持ってきたのかな?」

 稲生はそれまでのレポートの内容を保存すると、エントランスに向かった。
 師匠の荷物預かりも弟子の務め。
 しかし先輩弟子のマリアにそれをさせるのは良くない。
 稲生もまだまだ見習い。
 雑用は率先して行わなくてはならない。
 大学卒業と同時にダンテ一門に入門し、確かにそれまで凶悪妖怪達との壮絶な戦いなどは経験したものの、人間生活としては何不自由の無いものであったことから、他の魔女達からは『新卒採用』と揶揄されている。
 その為、稲生はインテリジェンスならではの優秀さを見せることで、早く門内の戦力になろうと心に決めている。

 稲生:「わっ!」

 エントランスホールに出ようとすると、雷光が窓から差し込んだ。

 稲生:「台風じゃなくてゲリラ豪雨かな?」

 エントランスホールに行くと、そこにはエレーナがいた。

 稲生:「やあ、エレーナ。また、うちの先生宛ての荷物かい?」

 稲生は1階に下りる吹き抜け階段を駆け下りた。

 エレーナ:「違う!ちょっと聞きたいことがあるんだ!」

 何故かエレーナはキッと稲生を睨みつけた。

 稲生:「な、何だい!?」
 エレーナ:「私の下着のサイズ、鈴木に教えたりしたか!?」
 稲生:「な、何のことだ!?キミのサイズなんて知らないよ!」
 エレーナ:「ウソつけぇーっ!」

 エレーナは右手を大きく振り上げた。
 右手の拳に集まる元気玉魔力の集合体。

 稲生:(い、イオナズン!?)

 稲生がヒヤッとした時だった。

 マリア:「Cool down.(落ち着け)」

 マリアが2階西側のドアから出て来ると、壁のレバーをガチャンと下に押し下げた。
 直後、天井からポリバケツ一杯分の水がエレーナにザバーッと掛かる。

 エレーナ:「きゃっ!……マリアンナ!てめ、何しやが……」

 ゴン!(水が入っていたと思われるプラ製のポリバケツも落ちて来た)

 エレーナ:「ぶっ……!」
 マリア:「人んちに来て、何いきなりイオナズンぶっ放そうとしてんだ、あぁ?」

 マリア、階段を歩いて下りて来る。
 これがイリーナなら、演出の為に残像を残してテレポートして来そうなものだが、あいにくとマリアはまだ練習中である。
 練習中なら良い機会ではないかと思うだろうが、失敗すると大変なことになる。
 この前は服だけ残して、全裸の状態で屋敷の西側から東側にテレポートしてしまった。
 さすがに稲生がいる前では、失敗を恐れてできないということだ。

 エレーナ:「く、くそっ……!」
 稲生:「と、とにかく何があったのか、話を聞かせてよ」
 エレーナ:「そうさせてもらう。……あー、くそ!サイアク!」
 マリア:「どうせ自分で蒔いた種だろうが!」
 エレーナ:「何だとコラ!」
 マリア:「表へ出ろ!」
 エレーナ:「上等だ!」
 稲生:「あ、あの2人とも……」
 マリア&エレーナ:「ユウタは黙ってて!!」
 稲生:「ええ〜!……てか」

 稲生は観音開きの玄関のドアを開けた。
 すると、外はバケツをひっくり返したような雨が降っていた。
 当然、雷付き。

 稲生:「今、外に出ない方がいいかと……」
 エレーナ:「……一時休戦」
 マリア:「了解」
 稲生:(この2人、仲いいんだか悪いんだか……)

[同日同時刻 天候:晴 東京都板橋区常盤台 ケンショーレンジャー東京支部女子トイレ]

 横田:「ハァハァ(;´д`*)ハァハァ……」

 ググッ(パンティを嗅いでる)

 横田:「ハァハァ(*´∇`*)ハァハァ……」

 ギュッ(パンティを股間に押し付けてる)

 横田:「ハァハァ(*T▽T*)アァァァァ……」

 ピュッ……!

[8月16日13:00.天候:晴 東京都江東区森下 ワンスターホテル]

 ガーッとエントランスの自動ドアが開く。

 エレーナ:「いらっしゃいま……って」
 鈴木:「やあ、こんにちは」
 エレーナ:「なに?今日はもう満室だよ?」
 鈴木:「違う違う。その……この前は報酬の支払いが遅れて申し訳無かった」
 エレーナ:「それはもういいよ。ちゃんと払ってくれたんだし。但し、今度またこんなことがあると……」
 鈴木:「分かってる。気をつけるよ。それより今日はキミに、お詫びの品を持って来たんだ」
 エレーナ:「えっ?」

 鈴木はエレーナに、プレゼント用の包装にリボンまで付いた箱を渡した。

 鈴木:「もし良かったら、これを受け取ってくれないかなぁ……と」
 エレーナ:「マジで!?タダでくれんの!?」
 鈴木:「もちろん」
 エレーナ:「やったっ!今回の件は全部許す!」
 鈴木:「何か、またキミの後輩さんの生霊が俺の夢枕に未だに立ってくるんだけど……」
 エレーナ:「リリィには私から言って、すぐにやめさせるから!」
 鈴木:「それじゃ、また後で来るから」
 エレーナ:「ありがとう!」

 鈴木はホテルの外に出て行った。

 オーナー:「エレーナ、プレゼントかい?」
 エレーナ:「そうなんです!」
 オーナー:「ちょって開けて見てみたら?その間は私がここにいるから」
 エレーナ:「あ、すいません!」

 エレーナはすぐに自分の部屋に戻った。

 そして、早速包み紙を開けてみる。
 すると、中に入っていたのは……。
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