[8月11日 天候:晴 東京都中央区月島 某もんじゃ焼き店]
特盛:「うーん!ビールともんじゃが止まらなーい!」
エリ:「今食ってんの、お好み焼きだよな?」
コミケの打ち上げで盛り上がっている鈴木達。
鈴木:「それにしても、エリちゃんもよく食べるようになったなぁ。実は特盛の子供でも中にいるんじゃねーの?」
鈴木はビールジョッキ片手に、エリちゃんのお腹を指さした。
エリ:「さあ、どうだかねぇ……」
鈴木:「お、その反応、もうしかして?」
エリ:「いやいや。種馬がこんなんじゃねぇ……」
特盛:「エリちゃぁん、ヒドぉーい!」
エリ:「種馬は種馬らしく、ヒヒーンと鳴いてみろ、オラ!」
特盛:「ひひーん!」
鈴木:「本当にやるな、特盛!……てかお前ら、そろそろ帰んねぇとヤバいんじゃね?」
エリ:「マジでそんな時間?」
鈴木:「お前ら今、埼玉暮らしだろ?」
エリ:「それもそうか」
特盛:「だーいじょーぶだよぉ〜、エリちゃ〜ん!もっと飲みた〜い!エリちゃんの膝の上で」
エリ:「アホか!すいませーん、お会計!支払いはこの人持ちで」
鈴木:「ういっス」
鈴木、財布の中からクレカを取り出す。
実家がセレブらしく、アメリカンエクスプレスを取り出すが、一般用のグリーンカードである。
エレーナの師匠ポーリンを始めとするグランドマスターが持っているようなプラチナカードではない。
もっとも、アメリカンエクスプレスの中では最低クラスのグリーンカードでさえ、他のクレカと比べれば、そのレベルはゴールドカード並みであるという。
特盛:「鈴木ぃ〜、ゴチになりまーす!」
エリ:「ゴチっス!」
エレーナ:「ご、ゴチ?……御馳走様」
鈴木:「いいよいいよ。これも報酬の1つだ」
鈴木がレジに行って会計をする。
その間、座敷から靴を履く他の3人。
特盛:「エリちゃ〜ん、靴履かせて〜?」
エリ:「アホか!自分で履け!」
エレーナが新婚夫婦のやり取りをクスッと笑いながら、自分はもちろん自分で自分の靴を履いた。
エリ:「エレーナさん、スカート気をつけて。今の足の開き方で見えちゃったよ?」
エレーナ:「ああ、でも、中にスパッツはいてるんで」
エリ:「そういう問題じゃないの。それでもガン見してくるゲス野郎はいるからね?」
鈴木:「……!!」(←首をほぼ360度近く回転させてエレーナのスカートの中を見ようとする)
エレーナ:「おい、コラ!」
人間技とは思えない鈴木の動作に、エレーナはさすがに突っ込んだ。
特盛:「さすがは鈴木。見たい時には人外化する特殊能力が止まらなぁーい!」
エリ:「んなワケねーだろ!」
鈴木:「首が痛ェ……」
エリ:「ほら!……鈴木もいくら見たいからって、首痛めるほど捻らない!」
鈴木:「さ、サーセン……」
こうして鈴木の会計も終わり、4人は店の外に出た。
鈴木:「こんな時間になってもまだ暑いな」
エリ:「ほんと。いつになったら涼しくなるのかね」
特盛:「あ、汗が止まらなぁーい……」
エリ:「オマエは冬でも汗が止まんねーだろ」
鈴木:「それより、早いとこ駅へ向かおう。エレーナ、大丈夫か?」
エレーナ:「ああ。さすがにタダ酒ってことで、少し飲み過ぎたかも……」
エリ:「ちょっと、大丈夫なの?」
エレーナ:「ええ、大丈夫ですよ」
4人は月島駅に向かって歩いた。
[同日20:45.天候:晴 地下鉄月島駅]
鈴木:「20時50分発、小手指行き。これでブクロ乗り換えか?」
エリ:「そうね。そういうことになるわ。……こいつが途中で酔い潰れなければね!」
特盛:「ヒック!……吐き気が止まらなーい……!ヒック!」
鈴木:「おい、ホント大丈夫か?いい加減にしないと、エリに愛想尽かされるぜ?」
特盛:「だ、大丈夫で……」
エリ:「ま、いざとなったら担いで帰るから」
鈴木:「ああ。気をつけてな。じゃ、今日はありがとう」
エリ:「こちらこそ、御馳走様ね。それじゃ」
特盛とエリちゃんは有楽町線の改札口を入って行った。
鈴木:「それじゃ、俺達は都営大江戸線だな」
エレーナ:「ああ」
2人は都営大江戸線の改札口を入った。
鈴木:「こっちも50分発だ。特盛達と同時出発だな」
エレーナ:「ああ。……ック!」
鈴木:「エレーナ、本当に大丈夫か?」
エレーナ:「あの女の人……」
鈴木:「エリがどうした?」
エレーナ:「この中で1番飲める人だな。あれだけ飲んで、全然平気だ」
鈴木:「エリは昔、キャバ嬢だったからな。そのせいもあるんだろう」
そしてホームへと降りて行く。
〔まもなく1番ホームに、両国、春日経由、都庁前行き電車が到着します。……〕
鈴木:「特盛達と違って、俺達はほんの数駅だ。これだから都内暮らしはやめられないんだよな」
エレーナ:「まあ、確かに近くて便利だけどねぇ……」
最新型の電車が入線してくる。
〔月島、月島。東京メトロ有楽町線は、お乗り換えです。1番線は両国、春日経由、都庁前行きです〕
ホームドアが開いて、それから電車のドアが開く。
休日の夜の電車ということもあってか、車内は空いていた。
マゼンタ色の座席に腰掛ける。
クッションは少し硬めである。
もっとも、外国の地下鉄ではプラスチックや金属が剥き出しのベンチシートも珍しくないから、クッションがあるだけマシなのかもしれない。
短い発車メロディが流れて、開くのとは逆の順番でホームドアと電車のドアが閉まった。
駆け込み乗車も無かったのか、すぐに電車が走り出す。
〔次は門前仲町、門前仲町。東京メトロ東西線は、お乗り換えです。お出口は、右側です〕
〔The next station is Monzen-nakacho.Please change here for the Tozai line.〕
鈴木:「エレーナは明日、仕事?」
エレーナ:「夜勤が入ってる」
鈴木:「ホテル業務は大変だなー」
エレーナ:「これも修行の一環だからねぇ……」
エレーナはそう言って大きな欠伸をした。
鈴木:「修行。パン屋に住み込むか、ホテルに住み込むかの違いだけで、“魔女の宅急便”みたいだな」
エレーナ:「ま、私が入門したのも13歳くらいだったかな……」
鈴木:「その時の話聞かせて!」
エレーナ:「そんな無闇にベラベラ喋るものじゃないよ。特に魔女の入門秘話なんて、とてもとても……」
鈴木:「それでも聞きたい!」
エレーナ:「私ともう少し仲良くなれたら、話してあげないこともないよ?」
エレーナはニヤッと笑った。
それの意味するところは……。
特盛:「うーん!ビールともんじゃが止まらなーい!」
エリ:「今食ってんの、お好み焼きだよな?」
コミケの打ち上げで盛り上がっている鈴木達。
鈴木:「それにしても、エリちゃんもよく食べるようになったなぁ。実は特盛の子供でも中にいるんじゃねーの?」
鈴木はビールジョッキ片手に、エリちゃんのお腹を指さした。
エリ:「さあ、どうだかねぇ……」
鈴木:「お、その反応、もうしかして?」
エリ:「いやいや。種馬がこんなんじゃねぇ……」
特盛:「エリちゃぁん、ヒドぉーい!」
エリ:「種馬は種馬らしく、ヒヒーンと鳴いてみろ、オラ!」
特盛:「ひひーん!」
鈴木:「本当にやるな、特盛!……てかお前ら、そろそろ帰んねぇとヤバいんじゃね?」
エリ:「マジでそんな時間?」
鈴木:「お前ら今、埼玉暮らしだろ?」
エリ:「それもそうか」
特盛:「だーいじょーぶだよぉ〜、エリちゃ〜ん!もっと飲みた〜い!エリちゃんの膝の上で」
エリ:「アホか!すいませーん、お会計!支払いはこの人持ちで」
鈴木:「ういっス」
鈴木、財布の中からクレカを取り出す。
実家がセレブらしく、アメリカンエクスプレスを取り出すが、一般用のグリーンカードである。
エレーナの師匠ポーリンを始めとするグランドマスターが持っているようなプラチナカードではない。
もっとも、アメリカンエクスプレスの中では最低クラスのグリーンカードでさえ、他のクレカと比べれば、そのレベルはゴールドカード並みであるという。
特盛:「鈴木ぃ〜、ゴチになりまーす!」
エリ:「ゴチっス!」
エレーナ:「ご、ゴチ?……御馳走様」
鈴木:「いいよいいよ。これも報酬の1つだ」
鈴木がレジに行って会計をする。
その間、座敷から靴を履く他の3人。
特盛:「エリちゃ〜ん、靴履かせて〜?」
エリ:「アホか!自分で履け!」
エレーナが新婚夫婦のやり取りをクスッと笑いながら、自分はもちろん自分で自分の靴を履いた。
エリ:「エレーナさん、スカート気をつけて。今の足の開き方で見えちゃったよ?」
エレーナ:「ああ、でも、中にスパッツはいてるんで」
エリ:「そういう問題じゃないの。それでもガン見してくるゲス野郎はいるからね?」
鈴木:「……!!」(←首をほぼ360度近く回転させてエレーナのスカートの中を見ようとする)
エレーナ:「おい、コラ!」
人間技とは思えない鈴木の動作に、エレーナはさすがに突っ込んだ。
特盛:「さすがは鈴木。見たい時には人外化する特殊能力が止まらなぁーい!」
エリ:「んなワケねーだろ!」
鈴木:「首が痛ェ……」
エリ:「ほら!……鈴木もいくら見たいからって、首痛めるほど捻らない!」
鈴木:「さ、サーセン……」
こうして鈴木の会計も終わり、4人は店の外に出た。
鈴木:「こんな時間になってもまだ暑いな」
エリ:「ほんと。いつになったら涼しくなるのかね」
特盛:「あ、汗が止まらなぁーい……」
エリ:「オマエは冬でも汗が止まんねーだろ」
鈴木:「それより、早いとこ駅へ向かおう。エレーナ、大丈夫か?」
エレーナ:「ああ。さすがにタダ酒ってことで、少し飲み過ぎたかも……」
エリ:「ちょっと、大丈夫なの?」
エレーナ:「ええ、大丈夫ですよ」
4人は月島駅に向かって歩いた。
[同日20:45.天候:晴 地下鉄月島駅]
鈴木:「20時50分発、小手指行き。これでブクロ乗り換えか?」
エリ:「そうね。そういうことになるわ。……こいつが途中で酔い潰れなければね!」
特盛:「ヒック!……吐き気が止まらなーい……!ヒック!」
鈴木:「おい、ホント大丈夫か?いい加減にしないと、エリに愛想尽かされるぜ?」
特盛:「だ、大丈夫で……」
エリ:「ま、いざとなったら担いで帰るから」
鈴木:「ああ。気をつけてな。じゃ、今日はありがとう」
エリ:「こちらこそ、御馳走様ね。それじゃ」
特盛とエリちゃんは有楽町線の改札口を入って行った。
鈴木:「それじゃ、俺達は都営大江戸線だな」
エレーナ:「ああ」
2人は都営大江戸線の改札口を入った。
鈴木:「こっちも50分発だ。特盛達と同時出発だな」
エレーナ:「ああ。……ック!」
鈴木:「エレーナ、本当に大丈夫か?」
エレーナ:「あの女の人……」
鈴木:「エリがどうした?」
エレーナ:「この中で1番飲める人だな。あれだけ飲んで、全然平気だ」
鈴木:「エリは昔、キャバ嬢だったからな。そのせいもあるんだろう」
そしてホームへと降りて行く。
〔まもなく1番ホームに、両国、春日経由、都庁前行き電車が到着します。……〕
鈴木:「特盛達と違って、俺達はほんの数駅だ。これだから都内暮らしはやめられないんだよな」
エレーナ:「まあ、確かに近くて便利だけどねぇ……」
最新型の電車が入線してくる。
〔月島、月島。東京メトロ有楽町線は、お乗り換えです。1番線は両国、春日経由、都庁前行きです〕
ホームドアが開いて、それから電車のドアが開く。
休日の夜の電車ということもあってか、車内は空いていた。
マゼンタ色の座席に腰掛ける。
クッションは少し硬めである。
もっとも、外国の地下鉄ではプラスチックや金属が剥き出しのベンチシートも珍しくないから、クッションがあるだけマシなのかもしれない。
短い発車メロディが流れて、開くのとは逆の順番でホームドアと電車のドアが閉まった。
駆け込み乗車も無かったのか、すぐに電車が走り出す。
〔次は門前仲町、門前仲町。東京メトロ東西線は、お乗り換えです。お出口は、右側です〕
〔The next station is Monzen-nakacho.Please change here for the Tozai line.〕
鈴木:「エレーナは明日、仕事?」
エレーナ:「夜勤が入ってる」
鈴木:「ホテル業務は大変だなー」
エレーナ:「これも修行の一環だからねぇ……」
エレーナはそう言って大きな欠伸をした。
鈴木:「修行。パン屋に住み込むか、ホテルに住み込むかの違いだけで、“魔女の宅急便”みたいだな」
エレーナ:「ま、私が入門したのも13歳くらいだったかな……」
鈴木:「その時の話聞かせて!」
エレーナ:「そんな無闇にベラベラ喋るものじゃないよ。特に魔女の入門秘話なんて、とてもとても……」
鈴木:「それでも聞きたい!」
エレーナ:「私ともう少し仲良くなれたら、話してあげないこともないよ?」
エレーナはニヤッと笑った。
それの意味するところは……。