[8月1日18:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 ジョナサン菊川店]
私の名前は愛原学。
都内で探偵事務所を経営している。
さて、困ったことになった。
ボスから久しぶりに仕事の斡旋を受けたと思ったら、それはBOWに改造された10代前半の女の子、日本人版リサ・トレヴァーの面倒を看ることであった。
バイオテロ史上ではとても珍しい、100%自己制御できている完璧なBOWとのことであった。
普段は人間の少女の姿をしており、とても言われなければ……いや、言われてもBOWと信じることはできないであろう。
だが、私は見たことがある。
彼女の右肩から先の腕が化け物のようになり、敵と見なした私を薙ぎ払おうとしたことを。
当初は両目しか開いていない白い能面を着けていたが、あれは制御装置の代わりであったということだった。
本名は不明。
仕方が無いので、私は旧アンブレラから付けられたBOWとしての名前であるリサ・トレヴァーから取ってリサと呼んでいる。
日本人版ということであるが、実際は目鼻立ちのはっきりした日本人離れした美少女である。
アメリカ人のオリジナルは投与されたウィルスを取り込んだだけで、醜い化け物となってしまったということだったが……。
私は今、助手の高橋君と事務員の高野君、そしてリサを連れてファミレスにやってきた。
高野:「よく食べるねぇ、このコは……」
愛原:「育ち盛りだからだろう」
高橋:「BOWだからでしょう?食い意地は張りやがって……」
愛原:「まあまあ。……というわけで、俺もビールお代わり」
高野:「先生、飲み過ぎですよ」
愛原:「いいじゃないか。どうせ普通の探偵の仕事は入ってないんだから」
ああ、分かっている。
笑って言うことではないことくらい。
高橋:「俺も、もう一杯付き合います」
高野:「それじゃ私も」
愛原&高橋:「どうぞどうぞ」
高野:「何でだよ!?」
というわけで私達3人、最後の一杯を頼むことにした。
リサ:「私もおかわり」
高野:「あなたはドリンクバーだから、好きなだけ飲んでいいからね」
リサ:「はーい」
リサ、タタタッと小走りでドリンクコーナーへ向かう。
あれだけ見ると、ホント普通の少女にしか見えない。
ああ見えても、タイラントを従えていたんだからな。
愛原:「ああ、高橋君。ピンポンやってくれ」
高橋:「はい」
高橋はバッグの中から卓球のラケットとピンポン玉を取り出した。
愛原:「おい!もう酔っ払ってんのか、ああ?」
高橋:「サーセン」
高橋は今度こそ店員を呼んだ。
高野:「グラスビール3つください」
店員:「かしこまりました」
愛原:「えー?俺、ジョッキがいい」
高野:「ダメです。明日の仕事に響きますよ」
愛原:「どうせ依頼なんて来ないって」
高野:「そういう時に限って、依頼料の高い仕事が舞い込んでくるものですよ」
愛原:「うー……まあ、そう言われればそんな気もするが……」
リサ:「何の話?」
そこへリサがオレンジジュースを持って戻って来た。
愛原:「俺達の仕事の話さ。で、リサをどこに置く?」
リサ:「私、先生の家で暮らす!」
高橋:「アホか!先生のお世話は俺の仕事だ!オメーの面倒なんか見るか!アネゴんちに泊まりゃいいだろ!」
高野:「私のアパート、ワンルームなんだけどね。2人で暮らすなら、最低でも2DKは必要だよ?」
高橋:「先生、こいつの面倒はカネだけ払って、あとは先生に丸投げですか?」
愛原:「いや、全面的にサポートしてくれるとは言っていた」
高橋:「だったらこいつの家、先に用意してから先生に頼めと言えば良かったじゃないですか!」
愛原:「リサの希望は、俺んちに住むことらしいんだ」
高野:「先生のお宅の間取りは?」
愛原:「2LDKS。ていうか、俺が記憶喪失の間に引っ越したんだろ?高野君は知らないのか?」
高野:「私、先生がいない間に色々と事務の仕事が忙しかったのよ」
愛原:「それじゃ、俺の引っ越しをしてくれたのは……?」
高橋:「俺です!知り合いや後輩に声掛けして、手伝ってもらいました!」
愛原:「……後でお礼をしてあげよう」
高野:「そうだったの!?私はつい引っ越し屋さんにお願いしたと思ってた!……何とか、このコも暮らせそうじゃないですか?」
愛原:「うーん……」
1つは私の部屋、もう1つは高橋の部屋にしている。
Sはサービスルームのことで、日本語では納戸と言い、不動産屋は収納部屋として紹介している。
愛原:「そうか。こうすればいいんだ。リサは事務所に寝泊まりすればいい。前の所と違って新しくて広いしな。応接室のソファなんか、いいベッド代わりに……」
高橋:「なるほど。いい案ですね」
高野:「いや、良くないって。ちゃんとした家に住まわせてあげましょうよ」
愛原:「うーん……しかし、男2人の部屋に女の子が住むというのもなぁ……」
高野:「あーら?もしかして先生、ロリコンですかー?」
愛原:「何で俺だけなんだよ!?高橋君だって若い男だぞ!?」
高野:「だって彼は明らかにロリコンじゃないし」
高橋:「俺は先生一筋です」(`・ω・´)
愛原:「いや、だから!読者に誤解される言い方はやめなさい!……分かった分かった。じゃ、こうしよう。取りあえず、リサは今日のところは事務所に泊まってもらう」
リサ:「えーっ!」
高野:「先生……!」
高橋:「妥当ですな」
愛原:「その上で、表向きの現住所は高野君の家とする」
高野:「ですから先生、私のアパートはワンルーム……」
愛原:「分かってる。高野君には、それこそ2部屋の賃貸に引っ越してもらう」
高野:「そんな簡単に言いますけど……」
愛原:「引っ越し代などは、あのエージェントに請求する。リサの為のバックアップは全力ですると約束していったからな。家賃などについても、リサの生活費ということで請求する」
高野:「なるほど!」
高橋:「さすがは先生」
愛原:「明日、早速交渉してみよう。高野君は明日、不動産屋を回って、なるべく今の住所に近い所で探してくれ。その間、事務所は俺達でやるから」
高野:「分かりました」
愛原:「よし。それで決まりだな」
私は追加で頼んだグラスビールをグイッと飲み干した。
私の名前は愛原学。
都内で探偵事務所を経営している。
さて、困ったことになった。
ボスから久しぶりに仕事の斡旋を受けたと思ったら、それはBOWに改造された10代前半の女の子、日本人版リサ・トレヴァーの面倒を看ることであった。
バイオテロ史上ではとても珍しい、100%自己制御できている完璧なBOWとのことであった。
普段は人間の少女の姿をしており、とても言われなければ……いや、言われてもBOWと信じることはできないであろう。
だが、私は見たことがある。
彼女の右肩から先の腕が化け物のようになり、敵と見なした私を薙ぎ払おうとしたことを。
当初は両目しか開いていない白い能面を着けていたが、あれは制御装置の代わりであったということだった。
本名は不明。
仕方が無いので、私は旧アンブレラから付けられたBOWとしての名前であるリサ・トレヴァーから取ってリサと呼んでいる。
日本人版ということであるが、実際は目鼻立ちのはっきりした日本人離れした美少女である。
アメリカ人のオリジナルは投与されたウィルスを取り込んだだけで、醜い化け物となってしまったということだったが……。
私は今、助手の高橋君と事務員の高野君、そしてリサを連れてファミレスにやってきた。
高野:「よく食べるねぇ、このコは……」
愛原:「育ち盛りだからだろう」
高橋:「BOWだからでしょう?食い意地は張りやがって……」
愛原:「まあまあ。……というわけで、俺もビールお代わり」
高野:「先生、飲み過ぎですよ」
愛原:「いいじゃないか。どうせ普通の探偵の仕事は入ってないんだから」
ああ、分かっている。
笑って言うことではないことくらい。
高橋:「俺も、もう一杯付き合います」
高野:「それじゃ私も」
愛原&高橋:「どうぞどうぞ」
高野:「何でだよ!?」
というわけで私達3人、最後の一杯を頼むことにした。
リサ:「私もおかわり」
高野:「あなたはドリンクバーだから、好きなだけ飲んでいいからね」
リサ:「はーい」
リサ、タタタッと小走りでドリンクコーナーへ向かう。
あれだけ見ると、ホント普通の少女にしか見えない。
ああ見えても、タイラントを従えていたんだからな。
愛原:「ああ、高橋君。ピンポンやってくれ」
高橋:「はい」
高橋はバッグの中から卓球のラケットとピンポン玉を取り出した。
愛原:「おい!もう酔っ払ってんのか、ああ?」
高橋:「サーセン」
高橋は今度こそ店員を呼んだ。
高野:「グラスビール3つください」
店員:「かしこまりました」
愛原:「えー?俺、ジョッキがいい」
高野:「ダメです。明日の仕事に響きますよ」
愛原:「どうせ依頼なんて来ないって」
高野:「そういう時に限って、依頼料の高い仕事が舞い込んでくるものですよ」
愛原:「うー……まあ、そう言われればそんな気もするが……」
リサ:「何の話?」
そこへリサがオレンジジュースを持って戻って来た。
愛原:「俺達の仕事の話さ。で、リサをどこに置く?」
リサ:「私、先生の家で暮らす!」
高橋:「アホか!先生のお世話は俺の仕事だ!オメーの面倒なんか見るか!アネゴんちに泊まりゃいいだろ!」
高野:「私のアパート、ワンルームなんだけどね。2人で暮らすなら、最低でも2DKは必要だよ?」
高橋:「先生、こいつの面倒はカネだけ払って、あとは先生に丸投げですか?」
愛原:「いや、全面的にサポートしてくれるとは言っていた」
高橋:「だったらこいつの家、先に用意してから先生に頼めと言えば良かったじゃないですか!」
愛原:「リサの希望は、俺んちに住むことらしいんだ」
高野:「先生のお宅の間取りは?」
愛原:「2LDKS。ていうか、俺が記憶喪失の間に引っ越したんだろ?高野君は知らないのか?」
高野:「私、先生がいない間に色々と事務の仕事が忙しかったのよ」
愛原:「それじゃ、俺の引っ越しをしてくれたのは……?」
高橋:「俺です!知り合いや後輩に声掛けして、手伝ってもらいました!」
愛原:「……後でお礼をしてあげよう」
高野:「そうだったの!?私はつい引っ越し屋さんにお願いしたと思ってた!……何とか、このコも暮らせそうじゃないですか?」
愛原:「うーん……」
1つは私の部屋、もう1つは高橋の部屋にしている。
Sはサービスルームのことで、日本語では納戸と言い、不動産屋は収納部屋として紹介している。
愛原:「そうか。こうすればいいんだ。リサは事務所に寝泊まりすればいい。前の所と違って新しくて広いしな。応接室のソファなんか、いいベッド代わりに……」
高橋:「なるほど。いい案ですね」
高野:「いや、良くないって。ちゃんとした家に住まわせてあげましょうよ」
愛原:「うーん……しかし、男2人の部屋に女の子が住むというのもなぁ……」
高野:「あーら?もしかして先生、ロリコンですかー?」
愛原:「何で俺だけなんだよ!?高橋君だって若い男だぞ!?」
高野:「だって彼は明らかにロリコンじゃないし」
高橋:「俺は先生一筋です」(`・ω・´)
愛原:「いや、だから!読者に誤解される言い方はやめなさい!……分かった分かった。じゃ、こうしよう。取りあえず、リサは今日のところは事務所に泊まってもらう」
リサ:「えーっ!」
高野:「先生……!」
高橋:「妥当ですな」
愛原:「その上で、表向きの現住所は高野君の家とする」
高野:「ですから先生、私のアパートはワンルーム……」
愛原:「分かってる。高野君には、それこそ2部屋の賃貸に引っ越してもらう」
高野:「そんな簡単に言いますけど……」
愛原:「引っ越し代などは、あのエージェントに請求する。リサの為のバックアップは全力ですると約束していったからな。家賃などについても、リサの生活費ということで請求する」
高野:「なるほど!」
高橋:「さすがは先生」
愛原:「明日、早速交渉してみよう。高野君は明日、不動産屋を回って、なるべく今の住所に近い所で探してくれ。その間、事務所は俺達でやるから」
高野:「分かりました」
愛原:「よし。それで決まりだな」
私は追加で頼んだグラスビールをグイッと飲み干した。