飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

前穂高岳・北尾根 2017.9.22・23 

2017-09-26 21:52:37 | 登山

  ここ数年来の山の課題は、「北鎌尾根、奥穂高岳南稜、前穂高岳北尾根」の尾根三部作(?)でしたが、このたびようやく最後の前穂北尾根に行くことができました。予定は一泊二日、上高地から涸沢に入り一泊、翌日に北尾根から前穂に登り、岳沢~上高地と降りる予定です。

【22日】遅い夏季休暇を一日とり、9月22日(金)はちょっと用事を済ませて平湯温泉に向かいました。早立ちできなかったため、上高地に着いたのは11時半。上高地を出発したのは昼近くになってしまいました。あさ

 そこから早足で梓川沿いの道を進みますが、涸沢に向かうような登山者はもうとっくに先に進んでいるようでした。なお、山にはけっこう行っていますが明神館から先は今回初めて足を踏み入れます。徳沢、横尾、屏風岩など初めて通るルートであり目新しい風景でした。

 遅い出発でしたが、本谷橋を渡るころから、涸沢に向かう人に追いつき追い越すようになりました。涸沢に到着すると、金曜日だというのに百張ほどテントがありました。これまで涸沢に来なかったのは、紅葉シーズンなどむちゃ混みするイメージがあり敬遠していたこともあるのですが、小屋の売店やテラスはやはり大変にぎわっていました。これで土日になるともっとすごいことになるんでしょうね・・・。

 今宵の宿は軽量化を旨としてツェルト。結露は覚悟のうえで、軽めのダウンシュラフとシュラフカバーで安眠できました。明日は4時発の予定で、3時にアラームをセットして就寝しました。(写真の真ん中のグリーンのツェルトが我が家です)


 夜にふと気づくと雨がツェルトをたたいていました。今回は晴れ予報の2日間でしたが、予想外の展開。初めてのバリエーションルートに濡れた状態で突っ込むのは躊躇されますので、前尾根に行くかどうかは朝起きてから判断しよう、と再び眠りにつきました

23日】朝3時、まだ雨が残っており、そのため一般登山道に変更することに。で、二度寝して4時起床に。4時頃に起きると、今度は星空が見え回復の兆しがみられました。うーん、迷う。迷いながらとりあえず、コーヒーを飲み、ラ王と魚肉ソーセージの朝食。5時頃には空が白み始め、雨雲レーダー画像などを見た結果、やはり北尾根を目指すことに決めました。

 出発は5時半。カールの中にわずかに残った雪を踏んで登り始めると、残雪の縁を歩く3人パーティーがいました。こちらも北尾根に向かうようです。


 雪渓はすぐ終わり、岩礫地を進みます。途中から左に見えてきた5・6のコルに向いました。踏み跡らしきものもうっすらありましたが、時折がらがらと足元が崩れます。


 約1時間で5・6のコルに到着。ここで左を見ると6峰、右はこれから進む5峰が見えます

。5峰は比較的歩きやすい岩稜ルート。ほどなくしてピークに到着しました。


 語法の先には4峰がそびえていました。事前に見たネット情報では、フリーで行けるが浮石が多いとのこと奥又白側に巻くとか涸沢側に巻くとかの情報もありましたが、覚えられないため、野生の勘で向かいました。


 下からは厳しそうに見えた岩場も、うっすら踏み跡があったり、残置支点があったりして、注意深くルートファインディングをすれば何とかいけそうでした。

 1か所、まっすぐクラックを行くか左寄りのスラブを行くか迷ったのがここ(下の写真)です。どっちも行けそうですが、結局どっちもいけませんでした・・・やはり単独で、靴も登山靴ではあまり無理はできません。結局、右の手前側を巻いて、何とか進むことができました。


 こんな厳しい岩場に相対しているとき、ふとザトウムシを発見。森ではよく見かける虫ですが、こんな岩場をよじ登って(下ってか…)いる姿はけなげに見えました。心なしか森にすむ種類より足が短くがっしりしている印象です。


 4峰の先は、これまた厳しいと評判の3峰がそびえています。こちらもノープランで行けそうなところに突っ込んでいきました。(確か、左寄りに進んだと思います)


 4峰よりは岩がしっかりしているようですが、スリルはこちらの方があるような印象です

。やがて、どなたかのブログで拝見したクラックが見えてきました。ここは中に入って進むと大きな岩が頭上にあり、その下を抜けていくとあった記憶があり、進みました。

 

 

 何とか3峰もクリアできました。ただ、2峰との境が分からないまま稜線を進み。気が付いたら2峰の有名な懸垂下降ポイントについていました。

 

 ここは左寄りをクライムダウン。何とか2峰とのコルに出ました。

 2峰と本峰の間は、それほど難所もなく8:50に前穂高岳頂上に到着。

 ガスであまり遠望はききませんが、時折ガスが晴れ、ジャンダルムなども見えていました。

 


 前穂から奥穂の往復も行けば間に合いそうでしたが、今日は前穂高岳(3,090m)を楽しむということで他の山(前穂より高い山には特に)には向かわず下山方向に進みます。

 何年か前に進んだ岳沢小屋への下りでは、登ってくる方が多くてちょっと驚きました。

 上高地のバスターミナルまで下ってくると、12時のバスがちょうど出た後で、しばし待機。近くの売店では、春に来た時に見た「河童焼き」を買ってお土産にしました。


 どの峰も眼前にするとすごい迫力でしたが、取り付いてみると薄い踏み跡と残置支点などがあり、何とかルートを読んで越えていくことができました。ただ、あまり細かいルートは思い出せません…。難易度の印象としては、北鎌尾根の最終部分と同程度のスリルあるところが数か所ありましたが、距離は短く、注意深く進めば何とか抜けられという感じでした。

 自分の中では、北鎌尾根、奥穂南稜、そして今回の前穂北尾根の3ルートを単独で行くのがここ数年の課題でしたが、ようやくクリアできた今、次の課題を今模索中です。

<データ>【22日】平湯温泉(11:00)→上高地(11:30)→横尾山荘(13:30)→涸沢(15:45

23日】涸沢(5:30)→5・6のコル(6:30)→前穂高岳(8:50)→岳沢(10:50)→(上高地(12:10



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