飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

双六・三俣蓮華・鷲羽に行ってきました~その3・最終回~

2009-09-23 23:51:23 | 宮笠で登山
 今日は、笠ヶ岳方面に行こうかなぁ、と思っていましたが、一日中雨模様とのことでくじけました・・・。おとといの御在所岳の筋肉痛からまだ立ち直れないと言う理由もありましたが・・・。

 さて、三俣山荘まで到着した前回に続いては、鷲羽岳(2,924m)に向かいました。

 実に大きな山容で、どっしりしていました。画面下部で水平に伸びるラインは、三俣山荘のご主人の伊藤氏が開いた「伊藤新道」で、いまは谷のつり橋などが荒廃していて通行困難となっているとのこと。


 はじめはゆるい登りでしたが、徐々に傾斜が急になります。そのうちザクザクの礫の登りや急な岩場が出てきました。だいぶ登ったとき右下のほうに、鷲羽池が見えてきました。下からはわかりませんでしたが、きれいそうな池で、降りる道もついています。今回は時間が無かったので行きませんでしたが、昼寝をするには最高の場所のように見えました。


 山頂です。ガスの中で周りはぜんぜん見えませんでした。水晶岳や雲の平を眺めたかった・・・。


 夕方から「山岳観光サミット」が始まりました。3市の長や、周辺の山小屋経営者の方が、現状と今後の課題などについて意見・情報交換し、宣言文を読み上げて閉幕しました。今後、登山道や標識の整備が進みますように・・・。(完)

双六・三俣蓮華・鷲羽に行ってきました~その2~

2009-09-22 22:57:08 | 宮笠で登山
 シルバーウィークも半ばの昨日は、山の会の秋合宿で、三重県の御在所岳へ行ってきました。クライミングウォールで岩場もどきに登ったことはありますが、本当の岩山は初めて!緊張して登ってきました。と、ここまで書いてなんですが、前の続きの「双六・三俣蓮華・鷲羽」についてまず書きたいと思います。 


 2009年8月28日の朝、双六小屋の前の広場でご来光を待ちました。天気予報はあまり良くないとの情報を伝えていましたが、雲に合間に朝日がちょっと顔を出しました。 


 山小屋に行くと、トイレの状況を知りたくなります。最近はバイオトイレになっているところも増えてきましたが、整備の経費がかかるため昔ながらの地下浸透のところもまだまだあります。その昔、山小屋の下に行くと白い花(トイレのちり紙)が咲いているなどと言われたものです。その点双六岳は、バイオトイレでこそありませんが、汲み取り式にしてヘリコプターで下界に下ろしているとのことでした。ささやかですが協力金を入れてきました。 


 双六小屋を出て、三俣蓮華方面に向かいました。しばらく登ると、三俣山荘方面への分岐がありました。これは巻き道ルートと言われ、双六岳・三俣蓮華岳の山頂を踏まずにトラバースするルートです。今日は時間に余裕があるので、両方の山頂を踏んでいくルートをとりました。 


 双六岳山頂付近は、のっぺりとした山体に強風が吹きすさぶ環境ということで、高木や背の高い草は生えることができません。そのかわりに、地面近くに這うように生えた矮化した樹木やコケ植物、背の低い草だけが生えています。『出る杭は打たれる』と言うことわざを自然界であらわしたかのような環境です。 


 土壌条件が悪いところでは、背丈の低い植物が生える場所も限られてしまうようです。島状にところどころ、植物たちが寄り添って生えています。 

 そんな中、トウヤクリンドウが花を咲かせていました。茎を精一杯伸ばしたいところでしょうが、周りの草丈との関係であまり伸びることができません。そのかわり、今の一時期だけ花を精一杯高く咲かせていました。 


 双六岳(2,860m)頂上にて。このあたり、霧と風がかなり強く、あまり長い時間滞在はできませんでした。 


 続いて、稜線伝いに北上すると三俣蓮華岳(2,841m)山頂に。この辺りで岐阜(高山市)・富山(富山市)・長野(大町市)が接すると言うことで、3市の長が集まってサミットを開催するのですが、実は今回の宮笠山行は、それに出席(同行)するためのものでした。山頂近くには、設置予定の記念碑(?)が置かれていました。 


 三俣蓮華岳を後にし、北に向かうと、やがて三俣山荘が見えてきました。右奥に見えている白い山は鷲羽岳(2,924m)です。この山は日本百名山の一つということで、今回時間があれば登ってみたい山の一つでした。 


 三俣山荘に到着です。ここは、昔ながらのこじんまりした施設ですが、食堂が2階にあって展望がいいのが印象的です。この山荘のご主人の伊藤正一さんは、『黒部の山賊 アルプスの怪』などの本を著し、また山小屋の存続をめぐって林野庁と裁判で争ったすごい方でした。山小屋でお姿を見かけたので、売店の著書を買って、スタッフの方に「サインをもらってください」とあつかましくお願いしてしまいました。 


 三俣山荘のトイレは、バイオトイレになっていました。新しい施設なのでしょうが、木の匂いかバイオの匂いかわかりませんが、ちょっと匂いが気になる感じでした。バイオトイレでも処理方式によっていろいろ特徴があるのでしょう。(つづく)

乗鞍岳でクマの人身被害!?

2009-09-20 00:47:00 | できごと
 ちょっとご無沙汰しておりましたが、奥穂高岳近くの岩場でのヘリコプター墜落に続いて、ちょっとびっくりするニュースが飛び込んできたので書いています。

 ニュースというのは、表題にも書きましたが、乗鞍岳でクマに人が襲われてけがをしたというものです。山にはクマがいて当たり前ですが、その場所が問題。乗鞍岳には日本最高所を通る自動車道路「乗鞍スカイライン」が通っています。その終点が、畳平で標高2702mです。白山の最高点と同じ標高のところに、バスターミナルや売店などが立ち並んでいます。


 このバスターミナル(売店?)にクマが入ってきて、人を襲ったとのことです。山中で人の気配を感じたら隠れるというイメージがあったのですが、わざわざ人のいるところに来て襲うというのは普通では考えにくいことです。クマは売店の奥に隠れているところを射殺されたようですが、どのような原因があったのかを究明してほしいものです。


(写真は、高山市内岩滝町で撮影したものです)

双六・三俣蓮華・鷲羽に行ってきました

2009-09-08 01:16:03 | 宮笠で登山
 ひさしぶりに再登場しました、『宮笠で登山』シリーズです。私に代わって宮笠が記念写真に写ります。

 さて、前回予告したとおり、今回は8月27日から29日まで3日間かけて、双六岳・三俣蓮華岳・鷲羽岳に行ってきました。双六までは20年ほど前に行ったことがありますが、それ以外は私にとって未踏の地。胸が高鳴ります。

 27日朝、新穂高温泉から入山し、わさび平小屋を経由し、雪崩などで路面が荒れた林道を過ぎ、小池新道入口からいよいよ登山道が始まります。



 行く手には広い秩父沢が広がっています。40分ほど歩いたところで秩父沢を渡る木の橋があり、休憩ポイントとなっています。



 沢の上のほうにはまだ残雪が残っていました。このあたりは、この前の冬に雪崩で2名が亡くなったところでもあります。同行者から聞いた話ですが、亡くなった方が持っていたGPSに、雪崩に飛ばされたときの速さが記録されていたそうで、時速100kmほどだったとのこと。合掌。



 また40分ほど歩くとシシウドヶ原。広い川原の草原に、シシウドがニョキニョキ立っています。ここで地元の方が休憩所、ベンチを設置する予定とうかがいました。要所要所に休憩しやすいところがあり、助かります。





 10時過ぎに、鏡平に到着。いくつもの池塘にかこまれた小屋は、改築され、バイオトイレも整備されています。今回は仕事での山行ということで、リッチに小屋で昼食を頂くことにしました。味気ない行動食とは違い、暖かいご飯と味噌汁はうれしいものです。

 小屋を出ると、弓折乗越(のっこし)へのややきつい登りです。といっても、今回は2泊とも小屋泊まりということで荷物が軽く、重いというと酒くらいでしたので、まあまあ余裕で登っていきました。



 弓折乗越は、稜線に出たところで、ここも良い休憩スポットになっています。この辺りから、あちこちに高山植物が目に付くようになって来ました。
 天気はあまりよくなく、本当なら槍穂がバーンと見えるはずなのに、まったく見えません。足元の花たちに目をやりながら、稜線を歩いていきました。1時間あまりで今日の宿、双六山荘に到着しました。



 山岳写真家としても著名な小池潜さんが経営されており(わさび平小屋、鏡平小屋、黒部五郎小屋とともに)、温かいスタッフのもてなしと山岳写真の展示が小屋の特徴といったところでしょうか。



 まだ明るいので東にそびえる樅沢岳(2,755m)に足を伸ばしました。下から見上げるとけっこうな峻峰で、カラ荷で行ったのに、同行者の方においていかれました。体力がほしい・・・。

 さて、山小屋といえばは昨年北穂小屋に素泊まりで泊まりましたが、2食付の小屋どまりはそれこそ10年ぶりくらい。(そのときも仕事でした・・・。プライベートでは、ほんと金を使わない山行ばかりです・・・。)今の山小屋は快適で、ご飯もおいしいですね。今ではあたり前かもしれませんが、生ビールも飲めるし・・・。小屋泊まり山行も、たまにはいいものです。(つづく)