飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

第19回野辺山ウルトラマラソン完走記(後編・第2関門~ゴール)

2013-05-31 00:56:03 | 走る!
 (前編からの続き・・・前編は こちら )

 さて、50kmを過ぎてコースは登り基調になります。難所(名所?)となっている馬越峠まで約30kmののぼりです。休憩したのと、そばのおかげか、まだ足は残っていて、ゆっくりですが走って進みました。

 54kmのエイドを過ぎると、交差点があり、北相木村役場までの折り返しルートに入ります。ここからも登りのコースで足に響きますし、さらに心なしかウキウキ走っている折り返してきたランナーとすれ違うことで、ちょっと心にもダメージ(?)を負いながら走ります。


 折り返し点の北相木村役場エイドは着替えポイントとなっておりにぎわっていました。私は着替えの用意が無いため、おにぎり、味噌汁などを頂き、休息後に出発。

 登りが続いていたこともあり、けっこう疲れがたまってきましたが、折り返し分岐まではやや下りが続いたため、なんとか走り続けました。


 分岐からはまた、登り基調。歩きを入れているランナーも増えてきましたが、私はなんとか走り続けます。とはいっても、早歩きとあまりスピードが変わらないような走り・・・。私設エイドが見つかるとこまめに立ち寄って、休息をとりつつ進みました。

 ふと視界の端に「坂下」というバス停(だったかな・・・)標識が見えました。坂の下ということは、その先に登り坂があるのでは・・・と思ったら、まさにその先に一段と急な登りが見えました。ここでとうとう心が折れて、歩きを入れちゃいました・・・。


 そこからは、坂がゆるいところはちょっと走り、急なところは歩きをいれて進みました。

 そして見えてみた第3関門の滝見の湯。到着は14:16。関門閉鎖までの余裕は1時間ほど。ここは71kmコースのゴールともなっており、人でにぎわっていました。とはいえ、エイドは関門の手前にあったようで、関門に気を取られて進んでしまった私は、エイドに寄りそびれてしまいました・・・。


 ふとその先に、人が並んでいるテントを発見!マッサージをするサービスのようです。この先いよいよ馬越峠の核心部に向かうので、その前に疲労回復できれば、と、藁にもすがるつもりで、並んで待ちました。

 ジェルを塗って太ももとふくらはぎをマッサージしていただき、コリがほぐれたような気がしました。ありがとうございました!こういうのは、やはり気持ちが大事ですね。エイドに寄れなかったことも忘れて、先に進むことができました。


 そこからは、ちょっと走れる少しゆるいのぼりが続き、右折したらいよいよ峠です。ここからはほとんど歩き。というか、早歩きをするのも厳しい斜度でしたが、黙々と峠の頂上を目指しました。


 念願の峠の頂上付近になると、傾斜はゆるくなりますが、なかなか歩きから走りに気持ちが切り替わりません。でも、かなり気が楽にはなりました。峠のエイドでは、しばらく座り込んで休息。


 峠の先は、けっこうな下り坂。ゴールまではもうあまり下りは無いので、多少ヒザに無理をかけても大丈夫かな、と思い、ブレーキをあまりかけずに下ります。しばらく使っていなかった下りの筋肉は、なかなかがんばってくれて、けっこういいペースで下れました。


 急な下りが終わると、千曲川(だったと思います…)沿いの走りやすい道になります。川からはオオヨシキリの”ギョギョシ、ギョギョシ”というにぎやかな声が響き(他のランナーはまったく関心を寄せていないようでしたが・・・)、ちょっとだけ元気をもらいました。

 しばらく下ってけっこう疲れてきた頃、誘導員の方が「あと300mでエイドですよー」と叫んでいます。細い道を入ると87kmの原公民館のエイドがありました。ここで16:39。関門まで余裕が50分。またゴールまでは、2時間20分で13km行けばいい計算です。


 うどんコーナーには人が並んでいたので、あきらめて早めに出発しようかな、とも思いましたが、かなり疲労がたまっていたこともあり、早いタイムよりは時間内完走を目指す(帰りの車を運転する気力も残しておかなければ・・・)ということで、休みがてらうどんの列に並びました。そういえば、去年の飛騨高山ウルトラマラソンの72kmコースしか、ウルトラのコースを走ったことの無い私は、すでに87kmという未知の世界に到達していたのです。そりゃー疲れるわけだ・・・。


 さあ、あと13km。走り出してはみたものの、早々に自販機が目に付いて、コーラを購入。炭酸に涙目になりながらも、リフレッシュして(気分だけ?)走りました。

 このあたりは商店街で、ところどころに応援の方がおられて、元気をいただきました。ただ、買い物のおばさんとかが怪しい集団に目を向けずに(?)歩いていて、19回を迎えた歴史ある大会(地元では、当たり前の風景になっている?)ならではの風景のように感じました。

 平坦なコースを進むと、やがて左手に上り坂が見えてきました。ずっと遠くまで、ランナーが進んでいるのが見えます。登りの直前までは走りましたが、上り坂は歩き。もう、時間内完走だけが目標になっています・・・。

 その先は平坦なところとゆるいのぼりが続き、走ったり歩いたりを繰り返して進みました。


 93kmのエイドを過ぎ、95kmの表示までが長かったこと・・・。だだっ広い農地の中を、よれよれになったランナーたちが進みます。時々力のある走りのランナーが追い抜いていきますが、大方のランナーは走ったり歩いたり。おそらくみんな、時間内完走が見えてきたので、まあこれくらいでいいかー、と思っていたと思います。


 あと残り3km位になると、いったんゴール地点に近づき、ゴールを報じるアナウンスの声が響いてきます。そしてその声はやがて小さく。

 その頃になるとだんだん日暮れになり、周りがうす暗くなって、小雨も降ってきました。

 カウントダウンの距離表示を見ながら、残り1kmからは走りました。疲労はたまり、足の筋肉も悲鳴を上げ始めていました。でもあと1km、となるとなんとかがんばれるもので、交差点を右に曲がって応援の人々が目に入ると、疲れも忘れ、いいペースで走っていきました。

 ハイタッチ、ゴールポスト、ゴールテープ切りを待つランナーの列、そして、長かった1日、13:52が終わりました。



 ゴールして、メダルを首に掛けていただいてからは疲れが(眠気も)一気に出て、荷物回収をした体育館内で1時間近くうとうとしながら休みました。

 ふと気づくと人が少なくなっており、駐車場行きの最終シャトルバスの時間が近づいていました。体育館を出ると、けっこうな雨が降っていました。意を決して雨中に走りだし(たぶんキロ9分ペース?)、シャトルバスに乗り込み、駐車場へ運ばれました。

 帰路は、疲れと眠気で、何度か仮眠を取り、家に着いたのは明け方4時でした。あ・・・、午前中だけでも休暇をとっておけばよかったな・・・。



 長文になってしまいましたが、初めての100kmの挑戦の記録を記してみました。

 もうすぐ飛騨高山ウルトラマラソンも近づき、次の土曜には試走も予定しています。

 地元ということで、知り合いも応援に来てくれるでしょうし、エイドのスタッフにも知った方がたくさんおられます。

 まずは完走を目指しますが、今回のように「時間内完走」ではなく、いい走りで完走できるようにがんばりたいと思います。野辺山のように帰りの車の心配はいりませんから、あとはちょっと無理しても大丈夫なように、翌日の休暇を取得しておこうっと。


第19回野辺山ウルトラマラソン完走記(前編・スタート~第2関門)

2013-05-26 23:08:50 | 走る!
 「自分の体ひとつで、どこまでやれるのか」を知りたくて始めたランニング。ロードでは地元で行われる『飛騨高山ウルトラマラソン』100kmに完走できれば、まあ十分かなと考えて、来月9日にいよいよ挑戦が迫っているところですが、それに先立って、同じくらい厳しいコースといわれる『第19回野辺山ウルトラマラソン』100kmに挑戦してきました。

 去年、飛騨高山で72kmに初挑戦してゴールはしたのですが、ランニングの師匠の一人に「72kmと100kmは別次元の厳しさだ」と言われ、100kmの世界を体験してみたい、と思ったのがきっかけです。

 結果は、制限時間ギリギリの完走。その後2日間くらいは階段の上り下りに苦労しましたが、一週間たって、ほぼ復調しました(とはいえ、今は、昨日の「位山三山早駆け」の筋肉痛に悩まされていますが・・・)

 どっちが厳しいコースかの議論はありますが、体の故障さえでなければ、飛騨高山ウルトラマラソン100km完走の目途はたった気がしています。無理しすぎない範囲で無理をしてゴールを目指せば、完走できそうな自信がちょっと出てきました。大きな収穫です。


 前日の5月18日、夕方から寝て夜8時起床、9時半ころに出発。深夜2時に開門の駐車場を目指します。長坂ICで高速を降り、朝食用おにぎりなどを買いにコンビニに寄ると、出走者らしき出で立ちの客を数名見かけました。

 野辺山に近づくにつれ、霧が濃くなり、駐車場に行くルートが不安になってきた頃、ウルトラマラソン駐車場の表示が見つかり、ホッとしました。丘に上がっていくと、誘導員がいて、2時前でしたが駐車することができました。シャトルバスが動きだす3時までまだ時間があるので、早めに着いたほかの車と同様に車内で仮眠をとりました。

 2時半に再起床、おにぎりを食べ、身支度を整えるとシャトルバス乗り場へ移動。バスに乗り15分くらいでウルトラマラソン会場に到着、受付を済ませます。受付では、ゼッケンやパンフ類とともに、スポンサーからのパスタ、レーズンなども入っていました。


 直前まで雨の予報だったので、山用カッパなども持っては来ていましたが、最終的に服装は短パンとTシャツ(昨年の飛騨高山ウルトラマラソン参加者用)、薄いウィンドブレーカーと手袋、そして『宮笠!』としました。ウェストポーチには、デジカメ、アミノ酸、芍薬甘草湯(つった時の薬)、お金少々。

 4時ころに荷物を預けたのですが、通過時間の見込みや関門時間を書き込んだコース図を入れたまま預けてしまい、取りに行こうと思ったのですが人でごった返していてあきらめました。自分の不注意にちょっと落ち込みましたが、逆に細かいことは気にせず自分の力を試してみよう、と切り替えました。

 周りが明るくなってきた頃、みんなのカウントダウンで5時にスタート。長い一日が始まりました。


 コースは農村地帯を通っていきます。しばらく行くと、ウシたちがランナーを不思議そうに見ている脇で桜が咲いていました。そう、ここは標高1300mあるので、平地より寒いのです。またきっと酸素もやや薄いんだろうな、と改めて思いました。


 その後2度目の踏切を渡った直後に、いきなり遮断機が降りはじめました。ウルトラランナーもJRには勝てません。線路に沿って進むと、モヤが晴れて右前方に八ヶ岳が見えてきました。


 しばらく行くと、『日本最高所の踏み切り』がありました。ここは約半年前、「八ヶ岳スーパートレイル100マイルレース」で暗くなってから通ったあたりで見覚えがありました。その時は先の八ヶ岳林道はあまり走れず、松原湖の関門で時間切れになったのです・・・。そういう意味で、今回の野辺山ウルトラマラソンは、飛騨高山のためのトレーニングという意味と、今秋リベンジを目指す八ヶ岳スーパートレイルレースの下見も兼ねているのです。


 国道141号を横断し、いよいよ八ヶ岳林道に。始めは舗装路ですが、やがて未舗装路になります。このあたりで、同じ飛騨高山ウルトラマラソンのTシャツを着たランナーを見かけたので話しかけてみました。すると、その方は去年出走され、今年も参加予定とのこと。その後、別のランナーからもTシャツを見て「飛騨高山のコースは厳しいですか?」と話しかけられました。野辺山を制するものは飛騨高山も制す!と言えるかもしれません。

 徐々に傾斜を増していく林道ですが、今回の目標としてひそかに掲げた「歩かない!」を守って、ゆっくりですが走って登りました。前方には八ヶ岳が目前に迫ってきました。去年の飛騨高山では、千光寺の坂・階段以外は一応走りきれましたが、今年挑戦する100kmの周回コースには、恵比寿の湯からいい感じの坂が続いています。それを想定し、野辺山では「歩かない!」を目標としたのです(ただし、やはりというべきか馬越峠以降、心が折れまくり、目標は達成できませんでしたが…)


 着実に標高を稼いでいき、7時過ぎには富士山撮影ポイント、またそのちょっと先で最高地点1,908mの表示がありました。いずれも記念写真を撮るちょっとした人だかりができていました。あ、あとその先では名所(?)の「生命の水」もありました。




 最高地点を過ぎると下り基調になり、23kmエイドからは舗装路になります。その後、何度かアップダウンがあり、ちょっとした登りで歩くランナーもいましたが、「歩かない」目標を守る自分はゆっくりですが走り続けました。


 やがて、右手の大きな谷を挟んで対岸の山肌にある林道を駆け下るランナーがゴマ粒のように見えました。八ヶ岳スーパートレイルレースで、闇夜に遠く動くヘッドランプを見た場所だ、と記憶がよみがえりました。大丈夫、今日はまだ走れています。


 ふと先を見ると、笠をかぶったランナーを発見。青いゼッケンのデカフォレスト(野辺山ウルトラマラソンを10回以上完走したランナーに対する尊称)の方です。ついつい親近感が湧いて話しかけ、一緒に写真をとっていただきましたー。笠はスゲ笠のようでしたが、勝手に仲間にさせていただきました。この方についていけばきっと完走できるはず!


 9時過ぎ、稲子湯のエイドに到着。ここはお汁粉で有名(?)なエイドということで、少し並んでいただきました。35km走って来た体にしみこむ程よい甘さでした。ここでは他にもおにぎりとバナナ、オレンジをいただきました。



 エイドを出ると、またいい感じの登りが・・・。休んだこともあり足は動きましたが、けっこうおなかに入れた直後で横腹が痛くなりそうだったので、無理せず歩きをいれました。ここは「歩かない」目標の例外ということで・・・。


 その後、広い二車線道路に出ると、一気に下ります。歩道を走るのですが、珍しく芝生のような足に優しい歩道でした。とはいえ、まだまだ先は長いので、ひざに負担がかからないようにスピードをセーブして行きました。途中で気づきましたが、この道は、八ヶ岳スーパートレイルレースで松原湖の関門で時間切れになった後、回収バスでスタート地点に戻る途中見た景色でした。あの時とは逆向きに進んでいますが。(また9月には、深夜にこの長い長い坂を登ることになるのですね…)


 10時10分、沿道に人が増えてきて、第一関門&42kmコースのゴールが見えてきました。声援があると、普段よりちょっとだけ多くがんばれます。42kmコースの方がゴールインしてリラックスしているのを横実で見ながら、まだ全体の半分に達していないコースの先を急ぎました。

 さらに坂を下り、傷心の(どれだけ引きずっているのだ!?)松原湖を過ぎ、小海方面に向かいます。やがて見えてきた50kmエイドの小海町公民館は、第2関門&今回のコース中最低標高の880m。ここの名物はそばということで、たくさん並んでいましたが、お姉さん&おばちゃんの手馴れた連携で、3分ほどでそばをゲット。おいしくいただき、水をかぶってから11時20分頃出発しました。



 さて、コースの半分で6時間20分かかっています(キロ7分半ほどのペース)。
 残り7時間40分で50キロ。この先馬越峠という難所があることは分かっていますが、特に故障も無い現状で、このままがんばれば、何とか完走はできそうかな・・・という気持ちが芽生えてきました。
 さて、ここからの登り勾配の道も、「歩かない」目標を実行! (後編に続く)


野辺山ウルトラマラソン、何とかゴールしました・・・

2013-05-21 04:13:47 | 走る!
 19日に開催された、第19回野辺山ウルトラマラソン、何とか時間内ギリギリにゴールしました。(写真は、ゴール後振り返って撮った一枚)



 前半は、抑えて走りながら、「歩かない、止まらない」とつぶやきながら走りました。

 実際、坂道が辛くて歩きを入れたのは、北相木村役場の折り返しを過ぎて、滝見の湯までの登りから。「坂下」というバス停が眼に入り、そこから到底走れないような急坂が望めました・・・。

 そこからは、心が弱くなってしまい、ちょっと急な登りがあると歩いてしまい・・・。

 ゴールが近くなってからは小雨も降り出し、腕時計とにらめっこしながらほどほどに走りほどほどに歩きました。

 最後の1kmは、ラストスパートとは行きませんでしたが、何とか走りとおし、無事ゴール。

 去年の飛騨高山ウルトラ(72km)と比べ物にならないくらい、燃え尽き感がありました。今はやはり、達成感、というより燃え尽き感といった方が正しい感じがします・・・。

 同じくらいハードといわれている飛騨高山ウルトラの100km、無事ゴールできるかな・・・。


野辺山ウルトラマラソンまで、あと3日に!

2013-05-16 22:35:28 | 走る!
 「第19回野辺山ウルトラマラソン」まで、あと3日となりました。

 6月9日の「第2回飛騨高山ウルトラマラソン」にむけた練習の仕上げとして、同じくらいハードといわれる野辺山ウルトラマラソンに挑戦します。思えば、100kmは知るのは、今回が初めてになります。

 先週には坂が多いコースで56km(飛騨高山の100km用周回コース:28kmを2週)練習ラン。キロ8分くらいがやっとでした・・・。

 野辺山は、後半の峠が山場だそうなので、それまでは体力を温存して備えたいと思います。

 その練習はきっと飛騨高山の千光寺(まあ、ここはまたきっと歩きますが・・・)など後半の登りに生きると思います。

 ところで、先週のランニング中に採用した行動食「出汁巻き卵」。おいしくて、食べやすくて、カロリーもあり、意外と好印象。コンビニで気軽に買えるのが便利ですね。重めなのがちょっと欠点かな・・・あと、マカロニサラダも買ってましたが、食べずに終わりました・・・。



 明日は仕事で、近くの位山登山の引率。軽い負荷で、足腰に適度な刺激をかけます。くれぐれも無理しないで行こう。


南岳西尾根から大キレットへ~春山合宿に行ってきました~

2013-05-07 00:42:34 | 山岳会
 2013年5月3・4日に、春山合宿に行ってきました。

 行き先は、穂高連峰の南岳西尾根から入山して南岳山頂で一泊、翌日は大キレットを通過して北穂高岳・涸沢岳を越え、白出沢を下るルートです。春山合宿とはいえ、5月の穂高は冬山とあまり変わらない厳しい山行となりました。

 新穂高の無料駐車場を6:20に出発。天気はよく、ルートは厳しいものの充実した山行の予感。穂高平を過ぎ、しばらく行くと林道の除雪終了点となり、雪の上を歩行。下降ルートである白出沢を過ぎ、飛騨沢沿いをひとしきり歩くと南岳西尾根が近づいてきました。

 適当な雪のついた谷を詰めて、小尾根を進むと岩場が現れました。他の方の参考記録を見ると、ここでロープを出しているようです。私たちもロープをだし、リーダーが先頭に上って後続はそれを頼りに登りました。

 雪はしまっていて比較的歩きやすいのですが、体力の無い私は他のメンバーから遅れ気味に・・・。何とかくらいついていきましたが、パーティーのブレーキになってしまったようで反省しきり。

 雪稜とちょっとした岩場が続き、高度感も増してきます。マッチ箱と呼ばれる名所(?)は、雪に埋もれていたのか気づかず通り過ぎてしまいました。



 3時過ぎに南岳小屋に到着。冬季小屋が使ればテントの寒い夜を過ごす予定でしたが、入り口は半ば埋もれながらも冬季小屋が使えそう!みんな交代で入り口を掘り出し、4時過ぎに天国のような(?)冬季小屋内へ。風雪が避けられ、トイレもある立派な小屋で、かび臭いのにもすぐ慣れました。



 その夜は、「荷物は軽量化を計ること!」とのリーダーのお達しに背いたメンバーが担ぎ上げたアルコールと、おいしい鍋料理でふけていきました。


 翌朝は晴。ただし風は強く、笠ヶ岳方面には雲があります。天候が悪ければ槍ヶ岳方面に、と話し合っていましたが。この天気なら大キレット方面に行かない理由がありません。

 5:30に出発。前方には、雪をところどころにまとった大キレット~北穂が黒々と望めました。

 夏でも難路とされるこのコース、岩と雪がミックスした状態で、アイゼンとピッケルを駆使し慎重に進みました。
(この先は、あまり写真を撮る余裕が無く写真が少ないです・・・雰囲気だけでも味わってくださいませ・・・)






 9:40に北穂小屋到着。きびしい雪壁を登り小屋の前に出ると、大勢の登山者が!どうやら涸沢方面から北穂高岳を目指した登山者たちのようです。
 涸沢を見下ろすと、大量のテント村と続々と登って来る登山者が見えました。



 10:00に小屋発。涸沢岳を目指します。ところが、ここから意外に手こずり、岩稜帯通過に時間がかかってしまいました。

 涸沢岳への最低コルを前に、リーダーの判断で涸沢岳の東側をトラバースして穂高岳山荘に直接向かうことに。雪がついた岩稜は避けられますが、雪壁のトラバースが続くということ・・・。いずれにせよ一歩間違えば『大けが・遭難』のことが頭をよぎるルートではあります。

 そして・・・、13:00無事穂高岳山荘に到着。ここも、涸沢からの登山者でにぎわっていました。そして雪が降ってきました。

 聞いたところでは、遭難者が出たとのこと。さっき何度か飛んでいたヘリは、遭難者を収容するために飛んでいた模様。つくづく自分たち(というか自分!)が当事者にならなくてよかった・・・と思いました。

 下山は白出沢へ。クラストした雪がべったりついていて、アイゼンを効かせながら黙々と下ります。



 延々と下ること2時間、昨日白出沢を渡ったところに到着。そこから1時間あまりで新穂高無料駐車場へ帰還しました。


 今回は、他のメンバーに比べて体力の無さに嫌になった(他のメンバーが猛者ぞろいという理由もあるような・・・)ことはマイナスでしたが、厳しいコースを何とか無事踏破できたことはプラス点でした。リーダーNさんほか皆様。ありがとうございました&お疲れ様でした。


 次回からはメンバーの顔ぶれを見て合宿の参加を決めようっと。