飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

快晴の冬合宿・明神岳。南西尾根より ~2018.1.6~8~

2018-02-02 00:41:39 | 山岳会

 1月6日~8日の3連休で、山岳会の冬合宿として明神岳に行ってきました。山頂アタックの7日は快晴に恵まれ、Ⅱ峰の登り返しなど技術的にもなかなかハードであり、大変有意義な合宿となりました。

 6日は、釜トンネルを8時に歩き始めます。重い荷物を背負って、けっこうな急傾斜の車道を登っていくと、すぐ息が上がってきます。上高地に出ると雪道はしっかり踏み跡があり、ツボ足のまま黙々と進みます。河童橋は9時50分通過、岳沢に向かい登山道から南西尾根に取り付いたのは10時50分でした。

 

 雪は少なめで、ワカンはデポしました。南西尾根の登りは結構一気に高度を稼ぐので、なかなかペースが上がりません。所々雪がたまっているところではラッセルもありましたが、私は体力不足からみんなについていくのが。やっと(と言うか遅れ気味でした・・・)で、先頭を行くことはありませんでした。

 やがて傾斜が急になり、2か所ほどやせ尾根の厳しい場所がありました。ロープを出すまではいきませんでしたが、残置されていたトラロープなども使いながら何とかよじ登って、最後はラッセルの後氷化した雪面を越えるとⅤ峰台地に到着。ここは、明神岳Ⅴ峰の西側にある幕営好適地で、7年ほど前にも来たことがあり、印象深く記憶していたところです。

 今回は薄暗くなりかけた4時半に到着して、皆ヘロヘロになりながらも雪面を掘り、壁を積んでテントを設営。あとは小宴になだれ込みました。夜は風が吹いてはいましたが星空が見え、翌日の本峰アタックはいいコンディションが期待できました。

 明けて7日は6:25にヘッデンをつけて出発。Ⅴ峰に向かって西進し、途中から4峰とのコルにトラバースしていきます。よく冷え込んで、アイゼンがギュッギュッとよく効いています。

 7時頃に東の八ヶ岳方面から太陽が昇り始めました。右に目を転じると富士山も見えています。風も少なく、今日は好天に恵まれる予感!

 

 Ⅳ峰もⅢ峰も西側を巻き、岩々したⅡ峰へ登ります。登りきると本日のメインイベント!約40mの懸垂下降です。6人のメンバーのうち4人は懸垂下降。その後先行者情報で、ロープをⅡ峰の東側にかけなおし、やや斜めに懸垂下降しました。これは帰路の登り返しのための措置でした。

 ロープを残置し、明神岳主峰へ向かいます。快晴の下、全員で登頂完了できました。


 ↑バックは前穂高岳ですが、隠れちゃっています。

 

 山頂からは360度のパノラマビューをしばし堪能し、滞在。こんなに天候が穏やかなのは珍しいくらい、いいコンディションでした。

 さて、下山で巣が、本日の第2のメインイベント、Ⅱ峰の登り返しです。ロープがあっても冬装備で正面突破は難しいということで、左に斜上するルンゼをたどります。

 登り返しの作戦は、懸垂下降で使ったロープを残置しておいて、トップロープの要領で下で確保しつつよじ登る方法をとりました。

 

 6人登るのに2時間近くかかってしまいましたが、何とか無事に全員登り返し完了。一番最後となった私は、上からロープで引き揚げてもらいつつ登りました。

 帰路では、Ⅲ峰は巻きましたがⅣ峰は稜線をたどって下り、13時45分にテント場に到着しました。

 

 さて、戻ってきたのですがあまりに天気がいいので、雪面にテーブルを作り、外で小宴を始めました。富士山を望むⅤ峰台地での宴会は気持ちよかったです。4時頃になって寒くなってからはテント内に場所を移して、酒もつまみも今日消費しないと明日持ち帰らなければならないので、皆がんばって消費しました。

 

 8日は、天気が崩れる予報だったのでなるべく早く下山することとし、朝6時過ぎにヘッデンをつけて出発。

 

 暗い中、尾根を外れないように慎重に下ります。

 途中の難所のやせ尾根では、補助ロープをフィックスしそれを掴んで下りました。

 

 下りはハイペースで進み、登山道に出たのが8時20分、河童橋に9時10分、釜トンネル口には10時30分と順調に進みました。

 下山後は坂巻温泉で温泉に浸かり、3日間の垢を落としてすっきりして帰途につきました。

 

 参加された皆様、お疲れ様でした&ありがとうございましたー。

 


雪の西穂高岳に行ってきました。~2017.12.16・17~

2018-01-23 23:30:49 | 山岳会

 少し前(先月)のことになりますが、山岳会の研修で冬の西穂高岳に行ってきたのでアップしておきます。

 新穂高ロープウェイは冬期は第一便が朝9時発となりますが、今回は9時半の第2便でスタート。第一、第二と乗り継ぎ、10時に山頂駅を出発しました。雪はほどほどにありますが、トレースがついているのでいいペースで歩けます。今回は一泊するので荷物(お酒?)も多め。ゆっくり歩いているのですが、次第に汗が噴き出してきました。

 西穂山荘には11時10分着。小屋前のテントスペースはまだ誰もいません。雪面を整地して、テントを設営します。

 

 テントを設置し終えたら、雪上歩行訓練に向かいます。アイゼン、ハーネス等を身に着け、山頂方面に向かいました。稜線に出ると風雪が厳しくなります。雪は風で飛ばされているので所々地面が顔を出していますが、場所によっては雪が積もっていて、時々硬い雪面を踏み抜いてひざまでズボリます。西側からの風雪が厳しく、ヤッケに雪が凍り付きます。


 独標(どっぴょう)到着。今日は、付近の岩場でアイゼンをつけた状態での懸垂下降の練習をします。冬期のフル装備でのロープ下降は久しぶりで、思い出しながら安全に下ります。その後下りながら、ロープを使った練習をいくつかこなしました。

 

 夜はテントで小宴。明日の山頂アタックがメインなので、せっかく持ち上げたお酒も残して早めに就寝しました。

 

 朝5時起床、7時出発。もう明るくなってきてヘッドライトなしで歩き始め、西穂高岳山頂を目指します。

 8時に独標、8時半にピラミッドピーク、9時半に西穂高岳山頂に到着。今日の一番乗りです。

 

 途中ずっと風雪が厳しかったのですが、山頂に着くと風も止み、周りの風景もちょっとですが見え始めました。奥穂高岳方面もうっすらですが、見えました。

 ↑夏にあえぎながら登った西穂高岳西尾根方面。程よく雪がついています。冬にはこれまで行ったことが無いので、自分の中では一つの宿題です。

 ↑登ってきた方を見返したところ。ピラミッドピークなどが見えています。

 

 しばらくまったりした後、下山します。途中、単独行の登山者一人とすれ違いました。

 独標まで下ると、大勢の登山者でごった返していました。昨日の我々と同じように、ロープを使って下降する練習をしていました。脇を抜けて下り、11時前に西穂山荘のテント場に戻りました。

 テントを撤収して一服し、ロープウェイ駅に下ったのは13時前。雪の稜線歩きとロープワークの練習はだいたい予定通りこなせ、有意義な研修となりました。

 研修の成果を生かしたのは、先日の1月6~8日に行った明神岳南西尾根。好天に恵まれた明神の様子は、近日中にアップしたいと思います。

 


雪の富士山に登ってきました。 2017.11.25・26

2017-12-24 18:03:01 | 山岳会

 かなり久しぶりのアップとなってしまいました・・・

 その間、OMMや、富士登山、西穂高岳登山など、秋から冬にかけて、山を駆け回っていました。

 富士山は、山岳会の冬山研修の一環!として、11月25日・26日の一泊2日で行ってきました。

 初日は5合目まで行きテント泊、2日目には暗いうちから山頂に登り、登頂後下山というコース。天気に恵まれ(と言っても強風が吹き、山頂付近では特にドキドキしながらの登りとなりました)、すごい風景の中をゆっくりですが登り、何とか富士吉田側の山頂の神社まで行ってきました。

 雪の状態がよく、アイゼンが必要な氷化したところがなかったため、ツボ足で登ってきました。

 冬の富士山は、千葉に住んでいた二十年ほど前に9合目までで敗退して以来で、登れてよかったです。

 

 

 

 フェイスブックをやるようになって、ブログにアップする手間(写真の編集など)がおっくうになってしまっていますが、ブログにはブログの良さがあるので、ぼちぼちですが続けたいと思います。

 目にされる方も、気長にご覧いただければ幸いです。

 


小倉谷を遡行して笠ヶ岳へ 2017,8,11~13

2017-09-01 01:26:26 | 山岳会

 8月11日から13日にかけて、地元山岳会の夏合宿で、金木戸川・小倉谷を遡行して、その源である笠ヶ岳に登ってきました。 登山道を登る普通の山登りと違って、沢登りは先に何(滝とかガケとか)があるかわからないのが面白く、また仲間とたき火を囲んでの飲み会やテント泊が楽しく、大変充実した山行となりました。

 11日、集合場所から中尾に車をデポして金木戸川沿いの林道ゲートに到着。そこから延々と林道歩きが15㎞ほどあります。途中、土砂崩れで橋が落ちてスリル満点の迂回ルートを通るところなどもあり、なかなか楽しめました。

 ダムの取水施設のある所で道らしい道が終わり、藪に覆われた元道らしきところを進むと、小倉谷に分かれるところに到着。ここでは金木戸川を渡渉、というか泳いで渡るのですが、折からの雨でちょっと増水しており、流されそうになりながらもなんとか泳げました(実は先にわたっていた方にちょっと助けていただきました…)

 

 そこからいよいよ小倉谷を遡行します。大小の滝が現れ、また川岸が岩で狭まっているところなどもあり、みんな黙々と上流を目指します。もうちょっと気温が高ければ、積極的に水に入ったりして楽しめるのですが、水量も多く、沢登りなのに水に親しむ意欲がいまいち湧きません・・・。

 

 

 およそ一日目の行程に予定していたところの終わりに近づいたころ、高巻き(滝などを迂回するために川岸を大回りして上流に出ること)に手間取り、落石も多いところなどもあって苦労しましたが、何とか予定していた宿泊地(と言ってもやや平らな川原があるだけですが・・・)に到着。結構疲れ果てました、が、たき火を囲んで重い思いをして担いできた貴重なお酒を飲むと、疲れもだいぶ吹き飛びました。

 ただ、宴会中にいよいよ雨が降ってきて、川の水も増えてきて、宴会場のあちこちに川が出現したため、テント(一部の猛者はタープやハンモックで就寝)に避難してやすみました。

 

 翌12日も、はっきりしない天気。それでも大ゴルジュ帯(川の両岸ががけになっているところ)では何度も高巻きしたり、下りではロープを使って懸垂下降など、山登りの総合力が試されているようなルートで、気分が高揚しまくりでした。

 

 

 

 

 

 

 やがて、谷が二俣になっているところがあり、両方とも滝になっています。ここは手前の滝を遡上するのですが、険しいため、奥の滝を登ってからもどる方向で尾根を越えて、手前の滝の上に出る、というルートで行きました。

 

 この奥の滝突破では先頭を任され、ロープを引きずりやや増水した滝の水しぶきを浴びながら何とか登っていき、足場のいいところまで行って、後続がロープを伝って遡上するのをサポートしました。

 

 この二股を越えると、水量がぐっと減り、濡れたくない思いとしてはありがたい一方、沢登りの楽しみが半減したような気分になりました。

 この先もほどほどの滝が連続し、それを越えてぐんぐん高度を稼いでいきます。

 やがてちょっと空が広くなってきて、ちょっと広い川原にでました。ここが狭いながらも2泊目のテント場となります。よく見ると、川原がちょっと整地してあり、テントを張れるようになていました。川原で流木を探して焚火をし、テントを張り、2日目の楽しい宴会(お酒はやや少なくなって来ていましたが…)が始まりました。

 

 ↑焚火でマシュマロを焼くのがプチブームに・・・

 

 あけて13日、今日は笠ヶ岳の頂を踏んで中尾に下山です。カメラが防水のはずなのに中で結露してレンズが曇ってしまったため、この先はもやがかかったような写真ばかりになってしまいました・・・。

 宿泊地を出ると、初めに滝らしい滝を高巻きし、そのごはずっと緩い滝の連続のような感じでした。水は少なくなって、前方を見上げると笠ヶ岳の山頂付近が見えるようになってきます。

 

 二股を右に進むと、いよいよ水がなくなり、ハイマツをかき分けながら登り、笠ヶ岳から西に延びる尾根に登りました。

 そこから、浮石に注意しながら山頂を目指し、やがて11時ころ山頂に到着!ガスの中で眺望は全くない状態でしたが、3日目にしてたどり着いた山頂は、感無量でした。

 

 ただ、まだこれからクリヤ谷を下って中尾まで、けっこうな登山道の下りが待っています。体調&残った体力がメンバーによってまちまちで、下山するペースもばらつきがありましたが、私と数名は第2グループで14時20分頃下山。先頭集団は13時45分頃というから驚くというか呆れるというか・・・。同じ人類とは思えません。

 そんなこんなで過ごした3日間、得難い経験となりました。皆さま、お疲れ様でした&ありがとうございましたー。

 


霞沢岳に行ってきました。~西尾根コース日帰り~ 20170212

2017-02-17 22:19:16 | 山岳会

 この冬、まだ本格的な冬山は行けていなかった(御嶽飛騨頂上くらい)のですが、山岳会の先輩・仲間が、霞沢岳西尾根を行くと聞いて、反射的に「行きたい!」と答えてしまいました。でも後でメンバーをよく考えると、私よりスゴイ方ばかりで、ついていけるかどうか怪しい感じに・・・でも、霞沢岳は行ったことが無く、一度ぜひ行きたかったので、そのまま覚悟を決めていくことにしました。

 朝、車を乗り合わせて安房トンネルを抜け、長野県側へ。一度釜トンネルの入り口を通り過ぎて坂巻温泉へ。ここに車を置かせていただき(駐車料金600円だったかな)、釜トンネルに向けて歩き始めました。(06:26)

 

 釜トンネルには6:50到着で、釜トンネルとその先の新しいトンネルを抜けるとちょっと先から右の国交省事務所方面に入る道(今は除雪の雪で壁ができていましたが)に入ります。トレースがあり、ラッキー。しばらく進み、夏には階段があると思われる登り口で輪かんじきをつけ、左の急斜面に登りはじめます。(7:43)

 

 小尾根の稜線に取り付くと右に折れ稜線を登ります。尾根上は雪が飛ばされて、地面が出ているところが結構あり、輪かんをしているとよけい邪魔な感じに。途中でトレースをつけていただいてた男女ペアをパスしたのちに輪かんはデポすることに。

 この先も、凍った地面や岩場を巻くところ、木の下をくぐるところなど気の許せない登りが続きました。

 でも、途中雪深いところがけっこうでてきて、輪かんデポを後悔する羽目に・・・。

 

 途中から足が思うように動かなくなって(と言うか、他の方が早すぎる!)、遅れ気味になってきました。立ち止まって待っていただく場面も何度かあり、心苦しい思いが・・・。でも、何とか迷惑にならないように、ゆっくりでも止まらずついて登っていきました。(皆様ラッセルお疲れ様でした・・・)

 やがて木の高さが小さくなり、視界がひらけてきました。とは言え、ガスで遠くは視界が効きません。楽しみにしていた穂高方面も何も見えません・・・。

 途中でアイゼンを装着し、雪稜の登高へ。

 

 前方に岩場の急斜面が見えてきました。今日のハイライトでしょう。アイゼンの前爪を効かせて、ガシガシ登りました。

 

 岩場を登りきるとやや傾斜が緩み、カリカリの雪面にアイゼンの爪を効かせながら最後の登りを進みます。

 なだらかな地形で山頂がどこかわかりにくかったのですが、山頂の標識が見つかりました。山頂到着12:25.相変わらず遠くの視界はゼロでしたが。

 霞沢岳は日本200名山で、おととしだったか田中陽気さんが位山の次に登った山ということで気になっていた山でした。夏道の登山の前に冬に初登頂してしまうとは・・・。

 

 雪は降っていませんが風が強く地吹雪状態。眺めも良くないので早速下ることに。

 下りはいつもの通りたったかと進み、あっという間に標高を下げます。アイゼンは下の林道に出るまで履いたままで降りました。

 登り5時間のところ下りは2時間でおりてしまいました。(14:27)下りは何とか遅れずについていけ、一安心。

 

 そこから二つのトンネルを越え、ゲートを抜け、坂巻温泉まで下って本日の山行は終了しました。

 お疲れ様でした&ありがとうございましたー。

 次回は、日帰りは一人では無理だろうから、テント担いで1泊2日コースで行けたらいいなぁ。