飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

ソウレ谷で沢登り入門編・本番当日

2013-07-17 22:20:13 | 登山
 7月15日、職場の同僚とその家族18名で、ソウレ谷にやってきました。

 昨日の下見の結果を受け、上流側から下り、箕谷大滝を覗き込んで帰る、という行程です。

 車を降り身支度を整えると、講師のT氏からお話の後、さっそく谷に入ります。

 ここはスギ林の中の細目の谷で、すぐ左から谷が合流して太い流れになります。子供たちは、ズボンと靴をはいたまま川に入ってぬれることに慣れていないのか、「冷たいー」「濡れてもいいの?」と戸惑っています。あ、大人も、沢登りが初めての方はちょっと遠慮がちだったかも。


 そこから下流に下ります。なめ床の沢は、ほとんどの皆さんが始めてのようで、足元を不思議そうに見ながら一歩いっぽくだって行きます。

 流れの関係で深くなっているところや流れが急なところがあると、注意深く足を運んでいました。だいたい足首くらいの水深ですが、深いところでは腰くらいまではまるところもあるので、油断は禁物です。

 しばらく下って、みんなも沢の雰囲気に慣れた頃、はじめの滝が出てきます。

 ここではロープを使い、T氏が確保しつつ、順番に降りました。


 この滝を下ったところが、天然のウォータースライダーコース。持ってきた簡易そりをおしりにあて、みんな思いおもいに楽しみました。無心に遊ぶ子供も、童心に帰った大人も、おなかいっぱい楽しみました。


 脇にある滝つぼには、支流のなめ滝が流れ込んでいて、チャレンジャー魂に火がついた何人かは、傾斜45度はありそうな上級ウォータースライダーにも挑んでいました。


 一時間近く水と戯れ&楽しんだ後は、箕谷大滝に向かって下ります。このあたりは広く明るい開けた谷になっています。


 箕谷大滝の上に到着。その先は沢が切れ落ちて先が見えません。ここで昼食をとることとしました。

 T氏は万が一の時にみんなが滝に落ちていかないようにフィックスロープを設置し、みんなはロープに確保をとりながら、それぞれちょっと窮屈な姿勢で昼食をとりました。


 昼食後は、T氏と私が2本のロープで確保して、一人ずつ滝の下を覗き込んでいただきました。

 恐るおそる滝の先端まで行く人、ぜんぜん手前で戻ってきちゃう人、わりとすいすい先端まで行く人など、さまざまだったのが印象的でした。


 一通り箕谷大垣を覗いてもらったあとは、上流に向けて登ります。

 さっき下った滝は、逆にロープで確保しながら滝登りをして越えます。

 そこからさらに上流を目指し、見慣れた入渓点に到着。こうして、約半日のソウレ谷でのひとときは幕を閉じました。


 翌日職場に行くと、「楽しかったよ」「行ってみたいと思っていたところだったので、よかった」などと声を掛けていただき、企画した側としてはうれしい限りでした。

 事前の調整が不十分で、講師の方にも参加者の方にも迷惑をかけた点があったので、次回への改善点としたいと思います。

 それにしても、谷にいる時のみんなの顔、楽しそうだったなー!!


ソウレ谷で、沢登りならぬ沢下り。

2013-07-14 23:40:21 | 登山
 今日は一日薪割りをする予定でしたが、明日職場の仲間と行く沢登り研修のソウレ谷に、急遽下見に行くことに。

 ソウレ谷というのは、高山市上宝町鼠餅(ねずもち)にある高原川に注ぐ沢で、川底の大部分が岩盤でできています。このような川底を「なめ床」、滝が岩盤になっているのを「なめ滝」などといいます。ソウレ谷は、比較的初心者でも、なめ床となめ滝が楽しめるところなのです。

 普通沢登りというと、その名の通りさかのぼるのが普通なのですが、今回ガイドを依頼したT氏は、下るルートを選択。大勢を連れて行くため、昨日に続き下見に行かれるのに、同行させていただきました。

 車を置いたところから下ると、すぐになめ床の川。知らない人が見たら、コンクリートで舗装した水路のようにも見えるくらい、一枚岩の川底が続いています。朝まだ誰も歩いていないので、くもの巣があちこちにあり、ササでくもの巣を払いながら下流に出発。


 しばらく下ると一つ目の滝がありました。明日はロープで確保して参加者を降ろす予定ですが、今日は古いフィックスロープを伝って下ります。あまり体重を掛けると、切れちゃいそうで、慎重に下りました。下ったところが、天然のウォータースライダーコース。水量がやや少なめでしたが、かなりのスリルで楽しめました。


 さらに下ると、いきなり風景が途切れます。コース中最大の箕谷大滝の上についたのです。

 ロープをセットして懸垂下降。なめ滝をさざ波のように下る白い水しぶきを浴びながら、30m余はあろうという懸垂下降。今日の核心部でした。いろんな人の記録を見ると、遡上してきてここを高巻くのは目にしますが、懸垂下降する人はいない?かな。


 さらに下ると、右に枝沢がありました。登っていくと見事な滝があり、ここは滝の裏側にまわり込むことができました。岩洞滝という名前とのこと。落石のあとがたくさんあったので、ひやひやしながらまわってみました。


 さらに下ると、もうひとつの枝沢。ここも登ってみると、五郎七郎の滝という、繊細ななめ滝がありました。複雑な曲面のなめ滝で、水の筋が美しいカーブを描いています。きれいでしたー。




 ということで、下見は終了。比較的行きやすいわりには、魅力がたくさん詰まった沢でした。

 きっとみんな楽しんでもらえるでしょう。明日は・・・晴れますように!


第2回飛騨高山ウルトラマラソン100km完走記(後編)

2013-07-02 00:39:04 | 走る!
 今日、富士山が世界遺産に登録されて初めての「山開き」だったようですが、その前日の昨日、富士山に登ってきました。

 7月26日に開催される「富士登山」競争(五合目コース)」に出場するための試走です。朝5時頃に富士吉田市役所を出発して、馬返しまでは舗装道路(約12km)、五合目までは登山道(約4km)を2時間半ほどで登りました。ただこの時間では、関門時間に間に合うかどうか微妙なとことろで・・・。

 去年の御岳スカイレースもそうでしたが、ずーっと登ってずーっと下るレースは、相性悪いかも・・・。



 さて、第2回飛騨高山ウルトラマラソン100km完走記の後編です。 (前編は→こちらから )


 飛騨高山スキー場を出ると、今度は一気に下ります。グネグネのヘアピンカーブの激下りで、ついついスピードが出てしまいます。が、先はまだ長いため、遠くに見える景色を楽しむ余裕はあまり無いまま、ヒザを痛めないように気をつけながら、ぼちぼちペースで下っていきます。


 40kmの計測ポイントには、山岳会の先輩がボランティア(?)出役でランナーのチェックをされていました。1,700人すべてのチェックは疲れたーとおっしゃって見えました。お疲れ様でしたー。


 激下りが終わると、およそフルマラソンの距離と同じ42.1kmのエイドに到着。ここでほぼ5時間が経過していました。能登和倉のフルマラソンのタイムにプラス1時間。これは早いのか遅いのかよく分かりませんが、先のことを考えると、これ以上は早く走れません・・・。


 下りが一段落すると、岩滝町の集落のなかをゆっくり下っていきます。これまで山の中だったのでしばらく応援の声は無かったのですが、地元の応援の声が復活!元気をいただきつつ進みます。
 ただ、このあたりからは、標高が低くなってきたこともあり、気温が上がってきました。

 そして、第10エイドの岩滝公民館に到着。ここは、私が住む一之宮町のボランティアの方を始め、知った顔の方が多く、恐れ多いやらありがたいやら・・・。特産品の「氷菓クッキー」は、ちょっと渇いた体が受け付けず食べれませんでしたが、掛け声とかぶり水で生き返りました。


 休憩しつつふと見ると、他にも笠をかぶったランナーを発見。しかも2人も。今回走る中で、他にも笠をかぶったランナーを見かけました。ゆっくり走るウルトラ系やトレランには、笠はいい道具だと分かる方が増えているのでしょうか。

 ちょっと残念なことに、どうやらこのお二人とも竹製の笠の様子。ウルトラでかぶるなら、やっぱ桧笠でしょ!(まあ、人それぞれではありますが・・・)


 岩滝公民館を出ると、岩滝トンネルを抜け、東部農場への程よい登りが見えてきます。下りに慣れた体には、この登りはこたえます。

 去年は確かここも止まらずに走りきったのですが、最後のほうは歩いてしまいました・・・。去年より体力が落ちている・・・?でもまあ、先は長いので、ぼちぼち行きます。沿道の方から「うしろ見てー」と声がかかり、振り返ると雪を被った乗鞍岳がよく見えました。一瞬、涼しさを感じて、走る気力が湧いてきました。


 その先には、50kmの計測ポイント。これで半分!もう半分?まだ半分?いろいろな「半分」が頭の中をかけめぐりますが、いずれにせよ、あと半分いけばゴールです。
 そのすぐ先の第11エイドでは、自転車で仲間を応援して回っていた知人にも会え、半分行くパワーをいただきました。ありがとうー。


 その先、下っていきトンネルを過ぎると、交通量の多い国道158号を渡ります。このあたりは、日差しで熱せられた道路の熱気と、自動車の排気ガスとあいまって、一番つらーい区間でした。
 でも、救いは第12エイド・第3関門の丹生川支所が近づくにつれて、沿道の応援の方が増えてきたこと。掛け声とハイタッチのなか、関門通過できました。


 関門時間までは1時間半ほど余裕があるので、ここでは少し長い休憩を取り、特産のみたらし団子(飛騨の団子はしょうゆ味ベースですよー)をいただきました。他にも特産品はありましたが、トマトシャーベットはおなかが冷えそうで、焼きそばはあぶらっこいかなーと思いパス。ですが、他にもおにぎり、オレンジ、バナナなどをいただき、後半戦に備えました。


 子供たちの声援を背に受けて丹生川支所を出ると、学校や高齢者ケアセンターの間を通り抜け、少し下って少し登ります。そして運命の分かれ道ともいうべき分岐を過ぎて、周回コースに入っていきます。この先は、恵比寿トンネル~大規模林道という今日2つ目のヤマ場に向け、農村地帯を黙々と登るコースです。

 先日試走はしたとはいえ、やはり50kmを走ったあとに迎えるこの登り、気温の上昇とあいまって多くのランナーの足を止めてしまいました。

 でも、この先ずっと歩いていると時間内完走が危うくなるかもしれないと思い、ゆるい坂の部分はちょっとでも走るように心がけました。途中のエイド(大萱公民館、農産物加工施設)では、かぶり水を掛けていただき、宮笠も濡らして(そうするとちょっと顔の周りが涼しいのです!)、ぼちぼちとがんばって進みました。

 恵比寿の湯を過ぎて右折し、大規模林道に入ります。やはり斜度が増しており、試走の時はある程度走れましたが、今日はほとんど歩きとなってしまいました。


 やがてエイドを過ぎ、下りに入ると、今までとは一転、走れました。長い下りはもうこの先ありませんから、多少無理をしても大丈夫だろう、とスキー場からの下りより速いペース(感覚だけかもしれませんが・・・)で下りました。途中にあった70kmの計測ポイントはおよそ9時間でした。


 下り終えたところにある瓜田公民館では、荘川町特産品のドブ汁(豆乳を醤油で味付けしたような飲み物)を楽しみにしていましたが、もうなくなったとのこと。この時間でなくなるとは、人気商品だったのかー。ドブ汁が飲めるくらいのランナーにならなきゃなぁ・・・

 気をとりなおして川沿いのゆるい登りの道を進みます。ゆるーい登り坂なのですが、暑さと疲労で、時々歩きが入っちゃいます。あと、強い眠気が襲ってきました。時々目の前の景色がぼやーっとして足元がふらふらとします。
 これはおかしい、というか、ちゃんと休まないと、と思い、大谷公民館のエイドで日陰に入って横になりました。寝入ってしまうのが心配でしたが、一瞬(数秒?数分?)眠って目が覚めました。それでだいぶ頭がすっきりして、走りを再開できました。
 80kmの計測ポイントは10時間半くらい。あと20km!これまで走ってきた80kmのことを思えば、あとちょっとです!


 そして再びやってきた丹生川支所。応援の方の数はさっきよりは減っていましたが、まだたくさんの方が声援を送ってくれました。あと18km。休憩もそこそこに、支所をあとにしました。


 さっき通った100km専用周回コースとの分岐で左に進み、本コース最大の難所・名物の千光寺を目指します。

 自動車もセカンドギアでないと登れないその登り坂、歩きました・・・。途中、はだしのランナーが走っているのを見た以外、他のランナーもみんな歩いていました。ここを走るような走力のあるランナー、そこまでは目指そうとは思いません・・・。

 去年話題となった階段は、今年は工事中とのことでしたが、来年は復活するでしょうね。

 千光寺のエイドでも被り水を浴び、再スタート。あと13kmです。とりあえずは急な下りを走り、と思ったらちょっと誤算で、下りに走れない!重力の力を借りて、足を交互に前に出すだけなのに、足が動きません。90kmの計測ポイントは、12時間10分ほどでした。このまま走れないと、時間内完走も危うい!?


 坂を下りきったエイドでトイレに行くと、気分転換できたからか、ちょっと走れるようになっていました。さっき飲んだコーラのおかげか?じゃあ、と今度はブラックの缶コーヒーをさらに注入。眠気もなくなり、ゆっくりですが走り続けられるようになりました。

 第15エイド宮地公民館は95km地点。ここでも缶コーヒーを一本。あと5km!ここからほぼフラットな農村地帯を行くルート。ここを、キロ7分くらいのペースで進みます。千光寺からの下りで歩いている時にたくさんのランナーに抜かれましたが、ここでは逆にたくさんのランナーを抜くことができました。


 第16エイド育苗センターはパス。コーラや缶コーヒーでおなかいっぱいでしたので・・・。

 距離表示が1kmおきになって、3,2,1。そこで山岳会の先輩でランの師匠でもあるM田氏を発見。去年はもっと早かったのが、今年は暑さのせいで走れなかったとのこと。そしてそのまま一緒にゴール。13時間20分余の長い一日も、結びのときを迎えました。


 ゴール後は、これも名物(?)となっている市長による慰労の握手と、飛騨牛のゆるキャラ「ひだくろくん」の歓迎。完走メダルは飛騨高山らしく、飛騨杉を圧縮加工したもの、いい感じのメダルでした。

 その他に山岳会の仲間や職場の先輩、ヨメさんの歓迎を受けた後、ちょっと休もうといったん芝生広場に座ったら、疲労と筋肉痛で動けなくなってしまいました。やはり100km、13時間余動き続けたからか、ゴール前に最後の力を振り絞って走ったためか、いずれにせよ、もうだめーって感じでした。

 祝杯代わりに売店のビールを飲み、ファイテンの足マッサージを受け、後はギクシャクした動きでヨメさんの車に移動し、帰宅。そのまま横になって、眠ってしまいました。

 ゴール後はぐだぐだでしたが、野辺山で予行演習をして臨んだ飛騨高山ウルトラ100kmは、目標どうり時間内完走を達成できました。


 もともとあまり早さを求めて走っていない私、もうロードのマラソンは十分かな・・・という気持ちと、地元だし飛騨高山ウルトラだけは来年も出よう、という気持ちが入り乱れています。我ながら、来年どうなる(する?)かまだわかりませんが、今回完走できたことで、わが人生において特筆すべき一項目が加わったと思っています。

 仕事として、あるいはボランティアとして本大会の運営に携わられた皆様、ありがとうございました。また朝早くから夕方に掛けて、ランナーを応援していただいた皆様、ありがとうございました。