飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

念願の薬師岳に登ってきました!(日帰り)

2012-07-25 23:25:41 | 宮笠で登山
 ちょっと時系列が前後しますが、2012.7.10に、夏合宿の下見と、早駆け(トレラン)のトレーニングをかねて、北ノ俣岳方面にいってきました。
 夏合宿に先立ち、北ノ俣岳あたりまで行って雲ノ平周辺の残雪の状況を見てこよう、というのが主目的で、あわよくば個人的に未踏の薬師岳まで足を伸ばそうという計画です。

 6:30、飛越トンネル出発。平日(有給休暇をとってきました)ということもあり、ほかの登山者は見当たりません。


 荷物は絞り、総重量は5kg以下、ぼちぼちとペースをあげたいところですが、急な登りは当然歩きです。
 飛越トンネルからの飛越新道は、久しぶりに歩きましたが、昔と同じようにぬかるみがスゴイ!『日本三大ぬかるみ道』があれば必ず選定されること間違い無し、と思えるほど。あちこちに誰かがハマッた穴が開いています。歩きやすいように設置されたと思われる木の輪切りも、逆に滑りやすいトラップのよう!



  8:00、寺地山(1,996m)到着。この先少し行くと、前方に北ノ俣岳の大きな山体が目に入ります。


 寺地山から下って登ると、北ノ俣避難小屋の分岐に(8:25)。


 ここから右に木道をたどると、こじんまりして雰囲気のいい小屋が。
 ここにはおいしい水が引かれていて、のどを潤しました。


 ここからは湿原・湿性草原の中に設置された木道を登ります。


 やがてハイマツの登りとなり、9:25に北ノ俣岳の北方の稜線に出ました。


 ここで夏合宿の目的地周辺の残雪状況を遠望。東方を望むと鷲羽岳、水晶岳をバックに、雲ノ平が見えました。あちら側もほどほどに残雪がありそうです。いろんな方の話を総合すると、今年は雪解けが遅れているようですね。


 そこから東に進路をとり、残雪を踏みながら標高300m下って、10:10に太郎平小屋に到着。


 天候も何とか持ってくれそうで、時間にも余裕があったので、そのまま薬師岳に向かいました。
 小屋から1kmほど離れたところにある薬師峠キャンプ場(10:20)は、水場もトイレもきれいで快適そうなところでした。(夏合宿の当初の予定では泊まる予定が無かったけど、予定変更でここに泊まることになるとは、この時は思っていませんでした・・・)


 その先は、残雪がけっこう残る沢沿いの登りで、雪解け水が豊富な道沿いでは、残雪の下から目覚めたばかりのミズバショウとリュウキンカが仲良く咲いていました。


 その後も何度か残雪を踏みながら徐々に高度を稼ぎました(トレランシューズはキックステップがあまり効かず、ちょっと苦労しました)。


 建て替えられたばかりの薬師岳山荘(11:15)は、特に用事も無いので素通りし、11:50に薬師岳(2,926m)の山頂に到着。


 山頂の周りはガスにまかれ、展望は楽しめませんでしたが、北側の金作谷カールなどを観察した後下山。

 ほどほどに疲れていたため、太郎平小屋で缶ジュース(400円!)を買って飲みました。

 その後北ノ俣岳分岐から飛越新道をたどって寺地山を経由して、飛越トンネルを目指します。

 途中、ワタスゲがきれいに風にゆれていました。


 16:10に飛越トンネル帰着。トレランザックとシューズ、それと宮笠のいでたちで、無事踏破できました。


夏合宿「奥黒部周遊+α」に行ってきました(梅雨のおわりに・・・)

2012-07-21 20:44:36 | 山岳会
 去る7月14日~16日の3日間、地元山岳会の夏合宿で奥黒部周遊に行ってきました。

 計画は、初日に飛騨市の飛越トンネルから入山して北ノ俣岳・黒部五郎岳を経由して黒部五郎キャンプ場で泊、2日目は鷲羽岳・水晶岳を回って雲ノ平キャンプ場に泊、3日目は薬師沢小屋から黒部川~赤木沢の沢登りを楽しんで飛越トンネルに下山、というかなりハードなスケジュールです。

 「奥黒部」とは、黒部川源流部の雲ノ平一帯を指し(たぶん)、本州最後の秘境とも言われています。というのも、このエリアを回るにはふつう長いor厳しい登山道で3日はかかるため、苦労をいとわない登山者しかたどり着けないのです。私自身まだ足を踏み入れたことが無く、雲ノ平周辺と水晶岳はぜひ行ってみたい!と思っていました。

 事前情報では、かなり残雪が多いためルートがわかりにくいことや、梅雨が明けていないため悪天候と沢の増水が心配の種となっていました。まあ、後は現場判断で臨機応変に対応するということで・・・。


 14日朝、曇天の中5:45に出発。久しぶりの2泊3日のテント泊ということで、重くなった(持たなくてもいいお酒など重い荷物を入れるからこうなるのですが・・・)荷物にあえぎながら、長くぬかるんだ飛越新道を登っていきます。
 寺地山を過ぎたあたりでとうとう雨が降ってきて、カッパを装着。北ノ俣避難小屋を過ぎ、湿性草原の中の侵食が進む登山道を登ります。
 北ノ俣岳の稜線に出たところで、濃い霧と風雨が激しいことと例年より多い残雪、またメンバーの体調などから、黒部五郎方面から太郎平方面に転進を決定しました。




 太郎平小屋に着く頃には雨は上がり、薬師峠キャンプ場でテント設営。元気のある有志は、軽装で薬師岳往復に。残りのメンバーは、一足早くビールをあおり、疲れと睡眠不足もあり昼寝を・・・。
 夜は、雨と風がテントを叩く中、おいしい夕食&小宴会で、楽しいひと時を過ごしました。

 翌15日。曇天の中6:15に出発。今日の行程は雲ノ平キャンプ場までですが、時間に余裕があれば水晶岳往復も行ってみたいところです。
 薬師沢小屋までは長い下り。ペースよく進んでいると途中からかなりの雨が・・・。カッパを着て進みましたが、薬師沢小屋に着く頃にはかなり全身濡れネズミに・・・。そこで見た黒部川源流は、ちょっと濁って増水しており、明日の沢登りは難しそうな予感・・・。


 まあ、気を取り直して、雲ノ平への急登を進みます。道中道が川になっていて、ある意味ここが沢登りだったかも。
 雲ノ平に着いていも雨は止まず、小屋で休憩をとらせてもらい、気を取り直してキャンプ場に向かいました。ところが、例年に無い残雪と霧のせいで、分岐がわからず通り過ぎてしまいました・・・。GPSを持ったメンバーのおかげで、戻って分岐を探し当て、何とかキャンプ場にたどり着きました。
 テントを設置し終えた後、時間はぎりぎりだけど水晶岳に行こうというメンバーがいて、私も今日は行ってみよう!と出発。途中、祖父岳の登りではまたしても残雪で、スリップしないように慎重に登りました。


 その先も、霧と肉体疲労に悩まされ、時間に追われながらも、念願の水晶岳山頂に立つことができました。


 2日目のテント泊では、どこからこれほど?と思うほどお酒やつまみが現れ、また楽しい夜を過ごしました。

 3日目の朝は、晴れる予報と黒部川の水位が下がっていることを期待して出発!
 霧はあるものの時々さっと晴れて遠くの山並みが目に入ります。
 昨日登った薬師沢小屋への急な坂道を、今日は慎重に下ります。そして黒部川は・・・濁りはなくなったものの、まだ普段より50cmくらい水位が高いようです。


 残念ながら赤木沢はあきらめることにしましたが、沢靴もあるし晴れてきたし、せっかくなので黒部源流の沢をちょっと偵察に行こう!と出かけました。


 水は冷たく、流れの中にしばらく浸かるとしびれるくらいです。2時間ほど、黒部源流の渓で沢登りを楽しんだ後、帰途につきました。


 太郎平小屋、北ノ俣分岐、湿原の道、寺地山を越え、相変わらずぬかるんでいる飛越新道の長いルートを下り終えたのは、17:55。



 若いメンバーもかなり(若く無いメンバーはもっと)へとへとになっての下山でした。

 下山して家に帰ると、東海北陸地方が梅雨明けとのこと。もうちょっと早ければ、もうちょっといろいろ見れて楽しかっただろうなぁ・・・。でも、ひさびさの雨の中の縦走も、思い出深いものになりました。

 3日間の長丁場の合宿、皆様お疲れ様でしたー。今度赤木沢リベンジも行きましょう!


甲斐駒ケ岳、黒戸尾根を、宮笠ランナー駆ける!

2012-07-02 23:46:18 | 宮笠で登山
 7月1日(日)、南アルプス(赤石山脈)の北部に位置する『甲斐駒ケ岳(2,967m)』に登ってきました。

 今回は、山岳会のトレランの師匠M氏とともに、トレーニングをかねての登山です。この先、8月末に御岳、11月に八ヶ岳一周のトレランに出るため、「日本三大急登」として知られる、甲斐駒ケ岳の黒戸尾根を登りました。このコースは、ふもとの竹宇神社から山頂まで、標高差2,200mを一気に登りつめます。有名なトレイルランナーが黒戸尾根を2時間24分で登ったとされ、近年それにチャレンジするトレイルランナーが増えているとのこと。


 前日夜入りし、登山口の駐車場で車中泊。小雨が降る気候でしたが、蒸し暑くてなかなか眠れませんでした。(登りで後半へばったのは睡眠不足のため・・・?)

 朝3時起床。雨がしとしと降っています。カップラーメンと寿司の朝食。ゆっくり休んだけど、雨が止む気配はありません。天気予報では昼まではあまり強い雨にはならない模様。まあ、何とかなるだろう、と、朝5時に竹宇神社脇ののつり橋を渡ってスタート。


 もう15年ほど前ですが、テントを担いで登った甲斐駒、トレランではどのくらいのペースで登ったらいいかよくわからないので、M師匠についていくことに。登りは早めに歩き、水平部分は走る、という感じでぐいぐい登ります。
 雨の森の中を登っていくと、やがて岩場が現れ、木がまばらになりました。「刃渡り」と呼ばれる難所ですが、山ヤとしてはこの程度でびびってはいられません。鎖につかまることも無くスイスイとー。


 黒戸山をトラバースするあたりはほどほど走れましたが、やがてせっかく登ったのに下りがあらわれ、5合目のコルに到着(7:17)。
 ここからながーいハシゴがあらわれます。


 この先ハシゴや鎖場が続き、へとへとになった頃に七合目の小屋に到着。前はここのテント場に泊まりました。小屋の前の水場で水を頂き、先を急ぎます。

 しばらく登ると、大きな木が無くなり、ハイマツが現れ始めます。大きな花崗岩が積み重なった隙間を縫って、ぐいぐいと高度をかせいで行きますが、かなりへばってペースが上がりません。霧雨で体が濡れて、体力を消耗しているせい(そもそも睡眠不足?)かも。でもたぶん、ふつうのトレイルランナーよりは岩場通過はスピーディーだったと思います。


 なんとかかんとか、山頂に到着(9:00)。M師匠は3時間半を目指していたようですが、約4時間ということで、後半の失速が悔やまれる様子。私はというと、雨の中、宮笠の防水効果も体感できたし、コースタイム9時間半のところを4時間ならまあまあかな、と。


 山頂では雨と風も少々あり、小休止だけしてちょっとおなかを満たし、そして下山。
 下りはのぼりと違う筋肉を使うため、足がすいすい進みます。特に岩場では、ふつうの登山者が岩場に向き合って一歩一歩下るところを、山ヤは進行方向を見てたったっと駆け下ります。
 五合目の長い階段を下ると、あとは走りやすいトレイルが続きます。森に入ってからは雨がいっそう強くなって、ところどころぬかるんでいるところもあり、慎重に、しかし大胆に駆け下りていきました。
 目標としていた「午前中に下山!」を何とか達成して、つり橋に到着(11:55)。使用後のM師匠の表情には、疲労だけではなく、(多少不本意かもしれませんが)まあまあ走れた充実感が浮かんでいたようでした。お疲れ様でした&ありがとうございました。



 下山はコースタイム5時間40分のところを2時間45分。まあまあ走れた感がありましたが、はじめに触れたトレイルランナーは、「登りで2時間24分」!!!同じ人類とは信じられませんねー。まあ、はじめから同じレベルは目指していませんが・・・。


 今回はトレーニングがメインでしたが、やっぱり楽しみは多いほうが、ということで、ついつい道中の花や鳥の声にも耳を傾けて(疲労を一種忘れるために)、ほどほどに楽しんできました。
 イワウメは、いつも夏山で行く頃は花が終わりかけのことが多いのですが、今回は時期が早く、つぼみ~咲きたてのフレッシュな花をたくさん目にすることができました。


 キバナシャクナゲも、今回はきれいな咲きたての花を見ることができました。


 5合目のコルあたりでは、キバナノコマノツメが咲いていました。黄色いスミレってなんか好きです。


 コイワカガミは、途中の岩場にドワーッと群生していました。山頂近くの岩の隙間にはひっそりと咲いていました。


 マイヅルソウも、これから本格的に咲いてくるっていう感じで、きれいな花を見ることができました。


 オサバグサは、針葉樹林帯の下の薄暗いところに咲いていました。けっこう好きな花ですが、甲斐駒にあると思っていなかったので、意外でうれしかったです。


 シロバナノヘビイチゴは、5合目のコルあたりにまとまって咲いていました。おいしいといわれる実の時期に来てみたいものです。


 花以外では、サルオガセという地衣類(菌類と藻類が合体した不思議な生き物)や、人をあまり恐れないホシガラスを見ました。

 あと、野鳥では、ルリビタキ、メボソムシクイ、センダイムシクイ、ウグイス、ジュウイチ、エゾムシクイ、オオルリなどの声も、疲労回復の手助けをしてくれました。