飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

スノーシューで猪伏山に ~2018.2.24~

2018-02-26 00:45:37 | 宮笠で登山

 猪伏山は、高山市と飛騨市の境界にある山で、春から秋も登られているようですが、私の周りではスキーやスノーシューで冬の間に行く人が多くいたので、一度行ってみたいなーと思っていました。

 で、24日に思い立っていくことにしました。知人からの情報やネットでの情報によると、卯の花街道のトンネルの清見側に車を置き、谷沿いに登るの方が多いようでした。ただ、それだとあまり面白くないような気がしてきました。地図を見ていて、トンネルの入り口からすぐ東側の尾根に取り付いて、尾根をぐるっと回っていくルートが面白そうかなーと思えてきて、そのコースをたどってみました。

 ちょっと遅めになって9:30。トンネル口にはちょうど駐車スペースがあり、ほかにも何台か車が止まっていました。スノーシューを装着して、トンネル入り口の上を越えて画面右側の尾根に取り付きました。最初はちょっと急でしたが、少し登って尾根上に出ると歩きやすい尾根でした。

 

 尾根を登っていくろ、タムシバがたくさん生えていて、あったかそうな綿毛に包まれた冬芽が目につきました。残雪期に来ると花を見ながら登れるかもしれません。

 

 尾根は傾斜を変えながら延々と伸びています。そのうち、ところどころにブナやミズナラ、ネズコの巨木が現れてきました。標高1400mあたりにはまとまったブナ林もあり、なかなか見ごたえがありました。

 

 やがて林道(当然雪に覆われていますが)に出て、そこからしばらく道の上を進みます。そしてその終点付近にはアンテナがそびえていました。

 

 このアンテナから先に進むのに、地図とコンパスを見ながら行く方向を探したのですが、恥ずかしながら間違えてしまい、しばらくタイムロス。まあでも早目に気が付けたことは何よりでした。ここまでは、他の足跡はカモシカとウサギだけでしたが、アンテナから他の方の足跡が現れ、また道標もところどころに設置されており猪伏山まで導いてくれました。

 

 

 その後は順調に尾根をたどりアップダウンを繰り返しました。あいにく展望は悪いのですが、山頂に近づいてきて、やがて山頂らしき影が見えてきました。

 

 最後のコルから100mほど登ると山頂です。山頂手前からは、左の尾根からの(谷沿いに登ってきた登山者の)たくさんの足跡で踏み固められていました。

 12時50分に山頂手前の祠に到着。しっかり雪に埋まっています。山頂さその先少し進んだところでした。標柱は埋まっていましたが、「猪」一字だけが読み取れました。

 

 帰りは、踏み跡で固められた谷沿いに下る道を行き、2時に車に戻りました。途中出会ったのは、富山ナンバーの車で来ていた5人グループだけ。スタート時にあった車の登山者は、たぶん私が道に迷っている間に下山しちゃったんでしょうね・・・。

 できれば山頂から南西に伸びる尾根も行ってみたかったけど、今回は時間のこともあり、次回(いつになるかわかりませんが・・・)への課題として残しておきたいと思います。

 


結氷した餅谷の滝を見に行ってきました。~宮川源流スノーシュートレッキング~

2018-02-14 01:24:03 | 宮笠で登山

 2月9日のことですが、真冬日が続いていたこともあり、宮川源流部にある餅谷の滝が結氷しているかも、と思い、見に行ってみました。

 餅谷の滝に行くには、高山市一之宮町の中心部から宮川沿いに伸びる県道宮清見線を進みますが、冬期は最終人家までしか除雪されていないため、除雪終点に車を置いて、スノーシューを装着し、歩きはじめました。

 スノーモービルのトレースがあったので、そこを歩くと沈まなくて歩きやすかったです。一キロほど進むと、餅谷林道の入り口に到着。ここから林道に入り約1キロほどの登りとなります。

 

 林道はグネグネ曲がっているので、一部ショートカットして最短距離を進みます。

 冬にこのあたりに来るのは初めてでしたので、ヒノキの森や巨石もいつもと違って、静かでちょっと神秘的に見えます。

 やがて滝に近づいてきましたが、いつもなら聞こえる滝の音がほとんど聞こえません。これは!結氷しているかも!と期待して近づいていきました。

 滝の手前で餅谷に降りる階段(雪に埋もれていましたが)を何とか降りて、谷筋に出ました。すると、谷の水は流れていますが、ところによっては氷に覆われてその下を水が流れています。

 

 谷沿いの半ば凍った川岸を慎重に進み、餅谷に接近します。そして・・・

 

 餅谷の滝は見事に結氷し、氷瀑となっていました!

 滝壺は水面が出ていましたが、滝はほぼ全体が氷に覆われています。よーく見ると、氷の下には水が流れているのが見えます。アイスクライミングをするには、氷の厚さというか強度が足りないようでしたが、たぶんほとんどだれも見たことが無い光景を目見することができ、来てよかったーと感動。

 一旦川岸の上に登り、滝全体を見下ろす展望スペースに移動。メインの滝につながる上段の滝も凍っているのが観察できました。

 

 しばしぼーっと眺めていましたが、汗が冷えてきたため、名残は尽きませんが下り方向に体を動かしました。

 下りは、餅谷林道から伸びる作業道をたどって、雪面に新しい足跡をつけながら進みました。

 

 下る途中、谷を渡るところでは谷水が凍って見事な模様を見せてくれ、これもしばし足を止め眺めていました。他にも氷と水が作る造形がいろいろあり、興味深かったです。

 

 先日、納古山で氷の谷を見て餅谷の滝も凍ってるかもと思いついて急遽行ってみたのですが、見事な光景に出会えてよかったです。

 まだしばらく寒い日が続いていますので、まだ氷瀑を見ることができるかもしれません。興味のある方は、往復約3時間のお手軽なスノーシュートレッキングで見に行けますので、是非お勧めします。谷沿いに降りてから滝まで進むところだけは、間違って谷に落ちないようにご注意を!

 

 


木作谷から納古山へ~氷瀑と岩場のクライミングを楽しんできました~2018.2.4

2018-02-07 01:13:57 | 宮笠で登山

 

 2月4日、岐阜県七宗町の納古山(633m)に登ってきました。

 

 納古山は私の生まれた町の山で、低山ですが山頂付近は岩場があり展望がいいことから、近年はとても人気の山となっているようです。もう30年ほど前だと思いますが、近所のおじさんと登った覚えがあり、登り口付近に滝があることと、石楠花が多い山だった印象が残っています。

 今回登ったのは、いくつかある登山道のうちややマイナーな北側の木作谷から登る道。ただし、登山道をそのまま行くのではなく、地図を眺めながらいろいろ寄り道もしてみようと思って出発しました。

 ちょっと遅出で、12時頃、神渕川沿いに走る県道64号可児金山線から木作り谷に入る橋のたもとに車を置き出発。木作谷は北向きの谷なので、日が当たらず、数日前に降った雪がまだ解けずに残っています。

 5分ほど林道を進むと、左側に滝が現れました。水量は細いもののけっこうな落差があり、滝壺があるはずの場所は岩盤で氷が張り付いていました。

 

 知人が以前ブログで、木作谷には山岳信仰などで修行で籠った洞窟があると紹介していたのを思い出し、滝をぐるっと巻いて登ってみました。すると、ありました!人が入って座れるような広さがあり、下には平らな石が敷いたようになっています。

 

 あとで、この近くの林道上のやはり小さな洞穴に、山神の石碑がいくつか安置してあり、宗教の場としてこの滝周辺が使われていたことを思わせました。

 

 この滝は木作谷の支流の一つなのですが、滝から寄り道してそのまま上流に進み、稜線まで進みました。そしてそこから北寄りに東進する尾根をたどって512mピークまで進みました。

 この512mピークは、子供のころこの付近に住んでいるいとこと一緒に探検気分で登った山で、超久しぶりに登ってみたい、と思っていたのでした。この山に登ったのは、自然に興味を持ちはじめたころで、初めてツガ(という樹木)を見たことが印象深く思い出されます。今回もツガとの再会を果すことができました。

 

 さて、来た尾根を戻り、初めの滝まで一旦下りました。そして改めて林道を進み、谷が3方向に分かれるポイントまで来ました。登山道はこのあたりから左に曲がって斜面を登る方向に行くのですが、ここから登山道を離れて沢登りをしてみました。他の方のブログで、木作り谷で沢登りを楽しむ様子を目にしたことがあり、どんな沢か興味があったのです。

 

 左の沢に進んでいくと堰堤が2つ並んでおり、その先に進むと岩壁が目に入ってきました。その岩壁には、思いがけず巨大なつららがたくさん張り付いて、見事な風景を作り出していました。

 

 さらにそこから登っていくと、ナメ滝に氷やつららが張り付いて迫力ある風景が次々と現れました。こんな(と言っては失礼かもしれませんが)低山で、氷瀑が見られるとは。

 

 登っていくと次第に傾斜が急になってきて、長靴では凍ったナメ滝を進む荷が危険な感じになったので、尾根に取り付くことにしました。

 ある程度は予想していましたが、この尾根筋を進むと時折岩峰が現れ、行き詰って巻いたり補助ロープで懸垂下降して戻ったりと、結構ハードなフリークライミング的要素たっぷりの楽しめる登りとなりました。大小の木があったおかげで、それを掴んで何とか登って行くことができました。

 

 ひやひやしながらのクライミングの後、14時40分頃に山頂から100mほど東側の稜線の登山道に出ました。ほっと一息・・・。

 気を取り直して、少し先の山頂を目指します。山頂付近はたくさん標識があり、整備もしっかりされているようでした。

 14時50分、山頂到着。遅めの時間だからか、年配の男性2人だけの静かな山頂でした。でも、日曜大工で作ったようなテーブルセットがいくつも設置されており、ちょっと微妙な雰囲気も・・・。

 

 山頂からは、(方位盤によれば)飛騨山脈や白山、伊吹山や恵那山なども見えるようでしたが、遠くの山はガスっていて展望は今一つでした。ただ、名古屋のツインタワーなどのビル群はぼんやりながらもよく見えました。

 また、近くの水晶山や岳山など、子供のころ遠足で登ったような近くの山は間近に見えて、また登ってみたいなーと思わせてくれました。その他にも、七宗町最高ポイントの山や、かっこいい形の岩山なども見渡すことができ、ふるさとの山の良さを再認識させてくれました。

 納古山は、ふるさとの山の魅力に改めて気づかせてくれましたが、他の山々もまた近いうちに飛騨から通って、登りに来たいものです。

 


3年目の御嶽に登ってきました。~2017.10.1~

2017-10-05 01:09:53 | 宮笠で登山

 御嶽の噴火から3年というテレビ報道がされる中、噴火の翌週に御嶽登山を計画していた職場の仲間で、3年目の御嶽に行ってきました。山頂付近はまだ立ち入り禁止区域となっており、5名の方が見つかっていないとのこと。3年たってどうなっているのか、目にしておきたいとの思いでした。

 登山開始は8:30.登りは、岐阜県側の高山市朝日町にある胡桃島キャンプ場からのコースです。このコースは、亜高山帯の針葉樹林の中の緩やかな道を登っていきます。苔むした林床はしっとりとして癒される雰囲気十分でした。

 

 一時間ほど登ると、「のぞき岩」と呼ばれるあたりで濁河温泉からの登山道と合流します。こちらの道は、ほかに結構な登山客が登っていて、少しにぎやかな感じでした。

 そこからしばらく登ると森林限界を迎え、ハイマツが現れます。今日は天気がいいので、下界は遠くまで広がって、遠く白山なども見えました。

 

 登山開始から2時間半ほどで飛騨頂上のすぐそばに立つ五ノ池小屋に到着。ここのテラスをお借りして昼食をとります。じっくり食べている仲間を見ながら、私はさっと行動食を食べます。

 

 急いで昼食をとったのは、行きたいところがあるから。できれば、噴火の影響を受けた二ノ池の近状を見ること。あと、まだ行っていない摩利支天岳に登ることです。

 まずは五ノ池から南に進み、三ノ池を左に見ながらトラバース気味に登ります。三ノ池は青く澄んでいました。またその先には、木曽山脈、赤石山脈(の北部)、八ヶ岳連峰が望めました。

 

 乗越しを越えると、賽の河原と呼ばれる広大な岩礫地があります。所々に積まれたケルンと、紅葉した低木のコントラストがきれいでした。(二ノ池手前から北方を振り返ったところ)

 

 二ノ池近くに来た時、立ち入り禁止の立て看板がありました。複雑な思い出に。

 

 

 二ノ池、火山灰で半ば埋まっていました。その先にはまだ捜索の終わっていない含む剣ヶ峰方面が見えました。

 

  また、新聞紙上等でちょっと話題になっていた「2.5池」も見つけました。ここの周りでは、長野県からの登山者で結構にぎわっていました。

 

 そこから引き返し、集合時間の13時まで、摩利支天岳の山頂を目指します。写真は撮りたいし、急ぎたいし、摩利支天の山頂まで行けるかわからない感じでしたが、何とか予定時間にギリギリ到着。ほっと一安心して山頂から写真を撮りました。

 

 下りは半ば走って、五ノ池小屋に12:57到着。時間内に何とか行ってくることができました。その後、飛騨頂上で記念撮影。そこから濁河温泉に下ります。

 途中で蛙岩を発見。以前は書き込みはしてなかったと思うのですが、顔の線が書き加えられていました。

 

 下りもいいペースで歩き3時には下山。途中仙人滝も見てきました。

 下山後は濁河温泉で温泉に浸かって、ミニ懇親会。風呂上がりのビールは美味しかったです。

 秋山シーズンも終わり頃となってきました。今後冬に向けては、初心者向け冬山研修を企画したいものです。

 

 

 


木曽駒ケ岳から空木岳縦走に行ってきました~その3(完)~(20170728~30、小屋泊)

2017-08-22 20:27:34 | 宮笠で登山

(その2からの続き・・・その2はこちらをクリック⇒『その2』)


 さて、3日目最終日。

 今日は、空木岳を越えて下山、温泉、慰労会のフルコースです。ただ、昨夜からの風雨が朝になっても止まず、5時出発予定をちょっと遅くし、その間に朝食弁当を小屋でいただくことに。急な変更にもかかかわらず、小屋の方にはスペースを貸していただき、あったかいお茶もいただきました。感謝。

 天気予報では回復傾向にあるということで、朝食後、まだちょっと雨が残っていましたが、雨具を着て出発(5:30)。昨日見た通りの急登を、一歩一歩ゆっくり登っていきます。


 雨や風は時折止んだので、山頂では晴れ間が!なんて期待もしながら真っ白のガスの中を登っていきます。次第に傾斜を増していき、やがて第一ピークと書かれた岩に到着。そこから巨岩が積み重なるコースになり、鎖や鉄のステップが設置された岩場が現れました。疲労がたまった重い濡れた体を、ゆっくりですが上に引き上げ進みます。


 岩場のアップダウンをいくつか過ぎると、やがてガスの中に空木岳山頂(2,864m)の標柱が浮かび上がってきました。(6:50) 特に強く意識してはいませんが、百名山を一つクリアしました。

 

 相変わらずガスの中なので、休憩もそこそこに下山方面へ。進路を東に変えしばらく下ると、ガスの中に四角い建物が浮かび上がってきました。駒峰ヒュッテです。

 ここは避難小屋ですが、シーズン中は地元山岳会の方が常駐し、寝具や食料の提供をしていただけるとのこと。こじんまりしたいい雰囲気の小屋でした。テラスがありましたが、晴れてたらきっといい風景が見えることでしょう。

 

 そこからルートは二つに分かれますが、駒石という巨岩がある北側のルートを選択。花崗岩が風化したマサといわれる砂を踏みしめ、緩い下りの道を進みます。

 途中、何か所か面白い形の巨石がありましたが、やがて特に大きな岩が現れました。これが駒石でしょう。なんとなく手前のクラックから登れそうでしたが、降りれなくなりそうだったのでやめました・・・。(後で裏に回ると、登れそうなところがありました)

 

 駒石からは徐々に標高を下げ、やがて樹林帯に入っていきます。

 その先には、地図に「小地獄」「大地獄」と書かれたところがあり、いかにも厳しい難所の雰囲気・・・。

 やがて予想に違わぬ急傾斜が現れました。岩の折り重なったやせ尾根に、鎖場やハシゴ場が続きます。一人一人、慎重に進みます。名前にビビっていましたが、危険ではありますが、慎重にいけば安全に通過できるよう整備はされています。

 

 その先は、傾斜も普通に戻り、延々と高度を下げる登山道を進みます。

 途中、空木岳の主(?)のようなヒキガエルが現れ、ひと時の安らぎを与えてくれました。

 

 池山小屋手前では道が二又になっていますが、左を選択。このあたりで、止んでいた雨がまた強く降ってきました。池山小屋にてしばし休憩、雨宿りです。

 しばらく待ちましたが止む様子がなかったので、出発。予定よりちょっと遅れてきたため、池山には登らずまっすぐタカウチ場に下ります。

 この辺りは広大なカラマツ植林地のようで、行けども行けどもカラマツ林。造林用の作業道だったためか、道は広くて歩き(走り?)やすい感じでした。

 カラマツには、地衣類のサルオガセが密生して下がっており、ガスと相まって幻想的な風景を見せてくれました。

 

 延々と作業道を下り、やがて林道に出ました。迎えのバスはスキー場駐車場にて待機中とのこと。まだまだ下ります。

 遊歩道が入り組んで、ちょっと迷いそうになりながら下り、やがてスキー場駐車場に到着。ちゃんとバスが待機していて、ほんとにほっとしました!(12:15)

 

 この後温泉&地ビールで反省会。充実した3日間が終わりました。

 皆さま、お疲れ様でした&ありがとうございましたー。秋山はどこに行こうかな?