飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

錫杖岳(しゃくじょうだけ)に行ってきました。

2011-09-26 00:36:44 | 山岳会
 今日は、ちょっと雲が出たものの、ほどほどに晴れ、予定していた白菜の苗植えのほか、ブロッコリーの苗植えと、来春用の折菜の種まきができました。薪割り同様に、ちょっと遅めの植え付けでしたが、冬までにちゃんと育ってくれるかなぁ・・・


 さて、おとといは地元山岳会の秋合宿・錫杖岳に部分参加で日帰り登山をしてきました。山頂は踏めませんでしたが、すばらしい景観と経験を楽しむことができました。

 錫杖岳は、笠ヶ岳の南に位置し、一般登山道が無いロッククライマー専用とも言うべき岩峰です。東から見上げると、手前にそびえる前衛フェース、奥の右側にそそり立つ烏帽子岩、そして「国連ビル」とも呼ばれる本峰フェースなどが、美しく厳しい岩肌を、見せてくれます。

 (新穂高温泉手前から見上げた錫杖岳。注:この画像は冬のものです)

 朝8時20分、中尾橋を渡ったところにある駐車場に車を止め、槍見温泉経由で笠ヶ岳に至る登山道でもあるクリヤ谷に向かいます。あえぎながら登り、一度渡渉をし、また一登りすると、錫杖沢への分岐があります。ここには、わずかな平地を利用してテントが数張りありました。3連休の中日、他にも岩に取り付いている方がたくさんいそうです。


 この先、本隊と別れ、同じく日帰りメンバーのK氏と錫杖沢を詰めます。K氏は、錫杖岳に通い詰め、この一帯のことを知り尽くした超ベテラン。私よりかなり人生の先輩ですが、軽やかな身のこなしで、ついていくのがやっとでした。




 錫杖沢の沢登りも、ところどころに滝や岩壁があり、手足を駆使しながらぐいぐい高度をかせいでいきます。途中、右俣沢に入り本峰方面に向かいます。すぐ右にそそり立つ前衛フェースには2パーティ取り付いており、コールが響いていました。

 K氏からは途中に見られる谷や岩のことをいろいろ教えていただきました。左に屹立する「三本槍」、間近になってきた「国連ビル:本峰フェース」など、下から見ていたときはひとつの岩山だったものが、それぞれ厳しく美しい表情を見せてくれました。




 季節は秋ということで、花はほとんど観察できませんでしたが、ウメバチソウ(コウメバチソウ?)や、イワショウブ、オヤマリンドウの花が、疲れた体を癒す一服の清涼剤となりました。


 やがて右俣沢から右に分かれた沢をつめ、中央稜の稜線にでました。そこで初めて、烏帽子岩を眼前に見ました。下から見上げていた鋭い岩峰。それを目の前にしながら昼食をとりました。


 ここからは、先日登った西穂高や、奥穂高方面がほぼ同じ高さで見えました。青空の下、あっちにもたくさんの人が登っていることでしょう。


 しばし絶景を楽しんだ後、時間の関係で山頂を踏むことをあきらめ、下山しました。登りは楽しく緊張した行程でしたが、下りはいっそう緊張を強いられます。時間短縮のため、2箇所でロープを出し懸垂下降。K氏は、下降も軽やかな足取り。いつかあの境地にたどり着きたいものです。


 下る途中、本隊の今夜の宿となる錫杖岩舎のテントの脇の沢には、今夜の宴会のためのビールがたくさん冷やしてありました。私も泊まれば飲むことができるのですが・・・今日はあきらめて下界へと歩を進めました。
 一般登山道に出て槍見温泉に下る途中、多くの登山者と会いました。このルートをたどって笠ヶ岳に登るor下る方、しかも若い方が意外と多いことがわかりました。

 15時30分、駐車場到着。K氏と握手をし、錫杖岳一日体験は幕を閉じました。K氏によれば、朝早く出れば山頂を踏むことができるとのことで、いつかまた!との思いを新たにしました。(Kさん、ありがとうございました。)

冬支度・・・薪わり終了!

2011-09-23 21:20:33 | 薪ストーブ暦
 今日はさわやかな秋晴れの一日でした。そんな天気のもと、ようやく薪わりが終わりました。



 薪の手配から遅れ気味で、夏前には割って積みたかったのですが、、なんだかんだで今になってしまいました。秋のちょっと弱々しい陽射しですが、がんばって薪を乾かしてくれー!それにしてもこれで一安心。

 一か月分くらいは去年の薪があり、その分は乾燥していますが、今回割った薪は、ストーブの脇であっためて乾燥しながらくべなければいけませんね。そんなときは「来年こそ薪の準備を早くするぞ!!!」と思うのですが、春になると結局遅れていくのです・・・。いつになったら薪の準備が自分の暦の中にちゃんと組み込まれるのかなぁ・・・

 明日、あさっても天気は良いようです。ハクサイの苗、買ってきて植えようかなー。

飯豊山(いいでさん)に登ってきましたー(その3)

2011-09-15 00:40:25 | 宮笠で登山
 (花の紹介、続き)
 東北の山に登って見てみたかった花のひとつ、ヒメウスユキソウ(別名ミヤマウスユキソウ)。有名なエーデルワイス(なぜ有名か考えたけど・・・、中学校のとき音楽でこの名前の歌を歌ったから?)に近い種類です。初めて目にすることができてうれしかったのですが、残念ながら花の時期は終わっていました。でも、終わった花の周りに白い綿毛をまとった葉が集まり、薄雪草の名前らしさは残っていました。


 薄紫色の釣鐘型の花をつけたヒメシャジン。形の変異が大きく、ミヤマシャジンと同じ種類ともいわれるとのこと。途中で、白花(うっすら色づいている?)の株も見かけました。
 


 そんなこんなで上り坂を登り切ると、本山小屋は目の前に。ただし、小屋の水場は手前の斜面を100mほど下ったところにあり。今夜と明日の朝食用の水を汲みに行くことに。そして・・・、確かに水場はありましたが、水量がとても少なく、5・6リットルの水を汲むのに20分くらいかかってしまいました。
 気を取り直して本山避難小屋に到着ー。2階の片隅を広々と使わせていただくことができました。小屋ではなんと缶ビールが1,000円!管理人さんの話では、日本一とのことでした。私は持ち上げた缶ビールを大切に飲みました・・・。



 小屋に到着するころには雨が降り始め、夜は屋根に降る雨音で目が覚めるくらいでした。明けて21日も、雨。メンバーで相談して、飯豊連峰最高峰の大日岳(2,128m)の往復の行程を省略して先に進むことに。小屋を出てしばらく行くと、今回の山行の最高地点の飯豊山山頂(2,105m)に到着。


 この先、駒形山(2,038m)、御西岳(2,013m)、天狗岳(1,979m)、烏帽子岳(1,895m)と、2,000m級の峰をたどるアップダウンの道を、雨に降られながら黙々とたどり、梅花皮小屋に到着。この名前は「かいらぎ」と読みます。ここは、小屋の北に位置する石転ビ沢にある「石転ビ沢雪渓」を通るルートへの分岐でもあります。日本三大雪渓のひとつとしても知られるこの雪渓のルートは、一度歩いてみたいと思っていたルートでした。今回はグループでの行程を優先し、あきらめました・・・。

 途中の尾根道で、なんとも場違いな(?)生物に出会いました。それはカエル。飛騨の山地、といってもそれほど標高の高くないあたりに生息するヤマアカガエルです。冷たい雨に打たれながら、高山植物のガンコウランの葉につかまりながら移動するヤマアカガエル。なんとも不思議な印象を受けました。


 梅花皮小屋では管理人さんの好意で休憩させていただき、冷え切った体を昼食と温かい飲み物で温めました。

 雨と霧で景色も花も楽しめませんでしたが、黙々と歩いたおかげでかなり予定より早い行程で進んでいます。管理人さんのアドバイスもあり、次に位置する門内小屋のもうひとつ先にある、頼母木(たもぎ)山避難小屋まで行くことになりました。下山ルートの丸森尾根をたどるためには、明日の朝少し戻ることになりますが、水が豊富にあるとの情報で決まり!ました。

 この先、北股岳(2,024m)、門内岳(1,887m)、扇ノ地紙(1,889m)、地神山(1,850m)、頼母木山を越え、やがて霧に浮かぶ頼母木避難小屋に到着。小屋の前の流し台には水が豊富に流れていました。



 小屋では、管理人さんが小屋仕舞いの準備をしている関係で、たまたまストーブがつけられており、雨具や濡れた荷物を乾かさせていただきました。ありがたかったー。


 夜は雨が止んで、下界である新潟の街の明かりも見えていましたが、最終日の22日は、朝からまたポツポツと・・・。ただし、霧は上がって多少周辺の山も見えていました。昨日たどってきた峰々。けっこうがんばったなぁ・・・。


 丸森尾根を下って、いよいよ下界を目指します。足の小指できた水ぶくれが破れ、絆創膏で応急処置をしましたが、下りで足が靴の前方に当たるとけっこうな痛みが。だましだまし歩き、みんなに遅れないように下りました。
 ササの草原が終わり、標高が低くなるとブナやダケカンバなどの低木林に入りました。でも、低木林というより、雪で幹が伏せている林といったほうが正しい言い方でした。10m以上の幹が斜面の下方に伏せている様子は、なんとも不思議な光景でした。雪の力、恐るべし!
 もう少し下がると、木の高さがだんだん高くなり、大きな木が現れました。飛騨では高い山を下っていくと、ふつうまず松などの針葉樹が現れるのですが、ここではいきなりブナの大木が現れました。東北の山は、なんか不思議です。


 かと思ったら、もうしばらく下ると、ヒメコマツ(キタゴヨウかな?)が現れました。この感じ、飛騨の人間にとってはなんとなく落ち着きます。


 延々と下り続けて、下界の建物の屋根や、大きな砂防えん堤が見えてくると、なかなか手ごわい岩場が現れました。疲れた体をなんとか降ろしてしばらく行くと、アスファルトの道路が。10時20分、雨にたたられながらも、東北の山の不思議な魅力に触れることのできた3日間の行程は幕を閉じました。



 なかなか行くことのできない東北の山に行くことができたのも、無事下山することができたのも、同行したメンバーの皆様のおかげです。ありがとうございました!&お疲れさまでした!

 ちなみに、筋肉痛は22日朝から現れ始め、下山後3日間続きましたとさ。

飯豊山(いいでさん)に登ってきましたー(その2)

2011-09-10 22:31:41 | 宮笠で登山
 今日は夏に戻ったように暑い一日でした。でも、空が高く、秋らしい雰囲気も。近くの学校からは運動会の応援の歓声が響いてきていました。

 さて、三国岳避難小屋の前で昼食をとった後、今日泊まる予定の切合小屋に向かいました。稜線を登ったり下ったりする中で、天候は回復しないまでも遠くの山が見えたりして、東北地方の山らしい景色も楽しめました。
 ここから先は、高い山に生育する植物が多く観察できました。あまり花の種類を下調べしないで行ったので、イイデリンドウなど見つけられなかったものもありましたが、以下にご紹介します。(翌日はずっと雨で、落ち着いて花の写真が撮れませんでした。もうちょっとちゃんときれいに撮ればよかった・・・と・・・)

 
 センジュガンピ 三国岳のササやぶの中に咲いていました。細い茎と切れ込みの入った花びらで、弱々しい感じで咲いていました。 

  
 エゾシオガマ 勾玉のような(?)ねじれた形をした白い花ですが、原型は後述のクチバシシオガマのような形のようです。(それをねじった感じというか) 

 
 タテヤマウツボグサ 平地の初夏の花ウツボグサの高山版。花がずっと大きく、横に突き出して咲きます。ちなみに赤い実はアカモノの実ですね。 

 
 ミヤマクルマバナ この花は、初めて見ました。よく似た感じのミヤマママコナもあちこちにたくさんありました。 

  
 モミジカラマツ 大きなもみじのような葉が目印で、花は細い糸を集めたような感じ。ところどころで群生していました。 


 ニッコウキスゲ 花の時期が終わりを迎えており、あまり花を見ることができませんでした。雪田(せつでん:雪が溜まって溶けずに遅くまで残っているところ。今回もあちこちで目にしました)の周りでは咲き始めの株を目にすることができました。 

  
 ミヤマリンドウ 地面から真上を向いて咲いていました。この仲間で飯豊連峰特産種のイイデリンドウというのがあるのですが、見つけることができませんでした(ずっとオヤマリンドウをイイデリンドウと思い込んでたくさん写真を撮りました・・・) 

  
 ナンブタカネアザミ 正直、アザミの仲間はよくわかりません(というか調べる意欲がわきません・・・似ている種類が多いので・・・)。この名前は、下山後にふもとで購入した飯豊連峰の花の図鑑で絵合わせして見つけました。 

  
 タカネマツムシソウ 時間に余裕があるので切合小屋を素通りし、本山小屋に向かうことに。このあたりの稜線は広く、砂礫地にタカネマツムシソウがたくさん咲いていました。我が家の裏にあるマツムシソウの高山版です。平地のに比べると、背丈が低くがっちりして、花の色はやや濃い目です。アップで見ると繊細な花、きれいです。

  
 クチバシシオガマ 私の好きな高山植物のヨツバシオガマに似ていますが、花の色が白っぽく、鳥の頭状になった花のクチバシあたりが濃い桃色をしています。登っているときは、きれいなヨツバシオガマだなぁ、と思っていましたが、後で調べたらクチバシシオガマとのこと。撮った写真を見返してみると、ヨツバシオガマのものがなく、見ていなかったかも? 

  
 チングルマ 高山植物ではよく知られるチングルマですが、今回は時期が遅く花を見ることはできませんでした。かわりに、花の後の冠毛がきれいな実を多く目にしました。 



 天気はともかく、足元を見ているといろいろな植物が目を楽しませてくれます。本山小屋へは岩場や急登が待ちかまえています。ここからは気を引き締めて、登ることに専念しないと、おいしいビールにありつけませんw

飯豊山(いいでさん)に登ってきましたー(その1)

2011-09-05 00:56:32 | 宮笠で登山
 8月の20日から22日にかけて、2泊3日で飯豊山(いいでさん:2,105m)に登ってきました。飯豊山は東北地方の名峰として知られ、日本百名山のひとつでもあります。
 今回は、職場の山登りのグループの夏合宿としての山行で、ちょっと強行軍ということもあってか、少数精鋭(?)の5名のパーティでした。

出発は前日の19日夜。決起大会ということで、高山駅前の飲み屋さんで睡眠薬を一杯やり、ジャンボタクシーに乗り込みました。
 翌朝、登り口がカーナビでなかなかわからず運転手さんも苦労していましたが、メンバーのポータブルナビの助けもあってなんとかキャンプ場にたどり着きました。


 天気はあいにくの曇り。予報でもあまりよくはないようですが、身支度を整えたら気を取り直して6時半ころ出発。しばらくは林道歩きで、少し行くと御沢登山口に到着。ここには杉と栃の大木があり、祠や案内看板などもありました。


 ここからは程よい登りが続きます。涼しい朝の空気の中、立派なブナ林の中をのぼっていきました。


 雨や踏み跡による侵食でせまい堀のようになった登山道を登っていくと、下十五里、中十五里、上十五里と休憩ポイントがあり、一息つけました。地蔵岳への分岐では頂上に向かわず、水場のある巻き道を選択し、やがて稜線に出ました。
 本当なら正面に剣が峰の岩峰や三国岳が見えるのでしょうが、霧に隠れて見えません。でも、道は険しく岩場の登りがしばらく続きました。東北の山はたおやかなイメージでしたが、ところによってはスリリングな岩場があるのだな、と思いました。


 稜線では、道脇の岩場や足元で、高山植物(&山の植物)の花が現れました。

 
 (左(上?) コメツツジ  右(下?) マルバコゴメグサ(帰ってから知りましたが、飯豊山特産種とのこと))

 
(左 ハクサンオミナエシ  右 オヤマリンドウ)

 岩場が終わって、道がなだらかになったなぁ、と思ったら、目の前に三国岳避難小屋が現れました。11:00。こじんまりしていますが、新しくて清潔そうです。小屋の管理の方も常駐しておられれるようでした。この小屋の場所が三国岳の山頂でもあり、私たちは昼食をとりました。


 (つづく)