前から気になっていた山の道具の一つにスノーシューがあります。
これは「西洋かんじき」などとも呼ばれる雪上歩行用の道具で、今持っている輪かんじきより面積が大きいので新雪でも沈みにくいのが特徴です。
何年か前までは登山用の高級(と言うか高価)なものしか流通しておらず、輪かんじきでいいや、とやせ我慢をしていましたが、ここ数年、安価なものが出回り手が届くようになってきたので買うタイミングを計っていたところです。
今回買ったのは、ドッペルギャンガーのSW27というもので、ネットで8千円ほどで販売していました。登山用のメーカー品は2~3万円することを考えると3分の1ほどの値段ですが、写真やネットでの口コミによると結構使える道具だという印象を持ったので、えいや!とポチってしまいました。
スノーシューには、大きく分けてアルミフレームにゴム引き布などを張ったタイプと、樹脂でできているものの2種類がありますが、今回買ったのは樹脂製のもの。足裏には頑丈な金属製の爪があり、硬い雪面でも刺さって滑り止めになります。写真右に見えるオレンジ色の部分は、面積を増やして雪面に沈まなくするための部品で、脱着できるようになっています。しっかりはめ込まないと途中で外れてしまうことに・・・
初スノーシューは位山辺りで、とも思いましたが、うちの周りでも50~60㎝の積雪があり、足慣らしなら裏山でもいいか、ということで、裏山にある山下城址を目指すことにしました。
山下城址は、戦国時代に地元を治めていた三木三澤(みつきさんたく)が使っていたといわれています。城址といっても、今は山頂に礎石が残る広場があるだけで、城というより砦に近い規模のものだったようです。北方にある松倉城とは尾根でつながっており、支城のような役割だったとも聞いたことがあります。
さて、スノーシューを足に装着し、雪原を歩きだします。・・・沈みにくい!やはり面で体重を分散するためか、長靴で歩くよりはずっと歩きやすいです。ただし、足の下にでっかい板をつけて歩いているようなものなので、足を上げるのに腿の筋肉を使いますし、自分の足を踏まないようにガニ股気味であるかなければなりません。でも、楽しい!
(↓長靴は20㎝くらい沈みますがスノーシューなら5㎝ほど)
始めは作業道上を歩いていたので傾斜が緩かったのですが、途中から急斜面に入り、直登で城跡を目指しました。
けっこうな急斜面でも、しっかり踏み込めば鉄の爪がきいてくれ、登っていけました。かかとの下にヒールリフターといわれる部品があり、それを立てると上り坂で足首が楽になるのですが、それもほどよく効果がありました。
最近はランニングもしていなかったので、すぐ息が上がり、喘ぎ喘ぎしながらなんとか山下城址へ到着。約1時間のミニ登山でした。
山頂は当然雪に覆われ、礎石も雪の下でした。広場の一角には、地元の有志の方が担ぎ上げた祠があり、臥牛が祀ってありました。手作りっぽくて素朴な牛でした。それにしても、なぜ牛?
下りはちょっと早足で体重を掛けたりしながら下りましたが、スノーシューのグリップは効いていて、意外と歩きやすかったです。ベルトの締め具合が弱かったからか、かかとのベルトが外れることはありましたが、意識してしっかり締めれば問題なさそうです。
使用説明書には「本格的な登山には使わないように」と注意書きがありましたが、今回のミニ登山では十分な働きをしてくれました。急斜面で蹴り込んだり、岩や木の根交じりの登山では、やはりこれまで使っていた輪かんじきのほうがよさそうですが、位山や川上岳などの山ならスノーシューも十分使える道具だな、という印象を持ちました。
ちょっと安いので耐久性など心配な面も少しありますが、ぼちぼち使いながら確かめていこうと思います。飛騨位山トレイルのコースを冬にたどってみるのも面白そうかもしれません。ただしスノーシューをはいていると走るのは難しそうですが・・・