飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

雪上レスキュー研修会で学んできました。

2012-02-19 21:37:43 | 山岳会
 今日は、朝の冷え込みは厳しかった(マイナス10度くらい)けど、好天に恵まれ、昼はほどほどに暖かい一日でした。

 そんな今日は、山岳会の雪上レスキュー研修会で学んできました。雪上レスキューとは、雪山登山で怪我や病気で動けなくなった場合に、いかに救助をするかというような内容です。いろいろな技術を覚えなければなりませんが、今回は急斜面を滑落した人をひっばり上げるという研修でした。

 力があればロープでぐいぐい引っ張ればいいのでしょうが、雪の上でしかも急斜面だとふんばることができず、人一人を引っ張りあげるのは(やってみればすぐわかりますが)並大抵のことではできません。

 そこで、みんな昔理科で習った「滑車」を使って、2分の1、3分の1の力で引っ張るのが今回の研修の中心です。

 会場は高山市久々野町の舟山アルコピアスキー場。冷え込んで冴え渡る青空を見ながら、ザックを抱えてリフトに乗り、頂上駅に。リフトを降りると、飛騨山脈が一望の下に。(右端の焼岳から、左端の黒部五郎岳まで)





 そこから上級者向けの急斜面のあるコース(危険なため?か、スキーでは進入禁止になっていました)に入り、急斜面の上に。

 研修は、まず、雪の上に支点(ロープを結んで、救助のベースとするポイント)を作ることから始まりました。雪を踏み固めて、そこに土嚢袋や木の枝などを縛って埋め、そこからロープを出します。しっかり雪を踏み固めていれば、かなりロープを引いても大丈夫なものです。でもしっかり踏んでいないと、土嚢袋などを埋めた周りの雪の塊が崩れて、支点が崩壊してしまいます。雪の性質と、そこにあるものをうまく活用することで、救助の要(救助者の命綱ともなる)作れることがわかりました。

 続いて、下の方に倒れている救助者を引っ張りあげる練習。先ほど作った支点を基点として、ロープと滑車などを組み合わせ、3分の1システムを作りました。この前の水曜日に机上で練習をしたのですが、現地でやるとまた状況が変わって、なかなか思いどうりにシステムが構築できません。



 試行錯誤を繰り返し、みんなであーでもないこーでもないといいながら、何とか引き上げることができました。でも、本当に救助の現場に居合わせて、学んだとおりにできるようになるには、繰り返し練習をしなければならないなぁと、つくづく思いました。



 お昼ごろには大体の研修内容を消化し、下山。一部の方は車にスキーを取りにいって、午後はスキー三昧だったようです。私は、先日の総決起大会で焦りが生じてきたため、家に帰ってから、雪でざくざくになった近所の農道を5キロほどランニング。足場が悪いと疲れて、タイムも伸びません。まあ、トレランの練習を兼ねて、と思えば、いい練習かもしれませんが。

 そんなこんなで、充実した日曜日を送りました。明日当たり、筋肉痛が・・・。

飛騨高山ウルトラマラソン・総決起大会!

2012-02-18 23:13:10 | 走る!
 雪を言い訳にランニングの練習をサボっている毎日ですが、3月11日のフルマラソン初挑戦は、着々と迫っています・・・。

 さて昨日は、職場でウルトラマラソンに出る方など関係者で「総決起大会」を盛大に開催しました。といっても、走ることをネタに酒を飲む、ということですが。私より年配なのにかなり走りこんでいる方、コースの一部を試走した方、これまでウルトラマラソンに何度もチャレンジしている方の話(ちなみに6回チャレンジして完走できたのは3回とのこと。完走できなくても人生観が変わる、また完走できたら自然に涙があふれてくるとのことでした)など、聞いていると刺激を受けることが多く、がんばらねば!と思う一方で、そこまでできないかも・・・。と、この期に及んで気弱になる自分がいます。

 とりあえず、5月の連休頃にウルトラマラソンのコース(一部雪がある区間を除いて)を、みんなで試走しよう、ということになりました。自分の力を知るためにエントリーしたウルトラマラソンですが、心細い分、仲間がいると心強いものです。

 そういえば6月のウルトラマラソンのことより、まずはどこかで一度はフルマラソンの距離を走っておきたいと思いますが、なかなか走る機会が作れません。ちょっと南のほうに遠征しないといけないかなぁ・・・。


千石せんせい、ありがとう。

2012-02-10 21:20:42 | インポート
 2月7日、千石正一さんが逝去されました。

 動物学者とよく紹介されますが、どっちかというと、「動物&生き物ハカセ」って感じで、市民のための動物学、生態学を普及しておられたと思います。

 今なおファンがいる『わくわく動物ランド』や『どうぶつ奇想天外』などの動物の生態を紹介するテレビ番組では、その独特の風貌と、切れのある(?)ギャグでお茶の間でもよく知られた存在でした。

 生き物の中でも両生爬虫類が好きで、しばしば偏見を持って扱われがちな彼らの魅力について、身をもって広く訴えておられました。

 千石さんは、昔私が在籍していた財団法人野生生物研究センター(通称:野生研。現在の自然環境研究センター)の上司というか大先輩。そのころは野生研の書籍部(自然関係の専門書が並ぶ本屋さん)の元締めをしておられました。フィールド調査など一緒の仕事に携わらせていただいたのは数回で、尊敬というか正直ちょっと近寄りがたい存在でしたが、時折お話しするときの知識や考え方には、ざっくばらんな言葉の中にも敬服することが多く、また時折発せられるギャグは、気づかない人が多いくらいキレがありすぎて、世の中にはすごい人がいるんだなぁ、と思ったものでした。

 自然研を離れて飛騨に来て10年たった平成21年9月、地元のNPOの設立5周年記念行事として、千石さんをお呼びし、当時話題となりはじめていた生物多様性について「いのちはみんなつながっている ~自然豊かなふるさとを未来へ~」と題して講演をしていただきました。

 講演会では世界中で撮影された動物たち(やはりカエルやヘビなどが多く登場)の写真を映写しながら、わかりやすく充実した内容のお話をしていただきました。そのときすでにお体の具合が悪いようで、お話しするのもつらそうなそぶりも見受けられましたが、ギャグのキレは相変わらずで、多くの聴衆は置いてきぼりを喰らっていました・・・。

 


 講演の最後には、こどもたちからの質問コーナーや、贈り物の宮笠をかぶっていただく一幕も・・・。




 予算の関係で講師謝金は安く抑えていただきましたが、講演後にはNPOメンバーの経営する民宿で小宴を催させていただきました。




 その後は、先生のブログを見たりする程度で、ご無沙汰して今日に至ってしまいましたが、長い闘病生活を送っておられたとのこと。

 今思うと、いろいろ学ばせていただいたくせに、何もお返しをしていない自分がいます。

 千石さんのような知識も能力もないけれど、生き物すべてに対してニュートラルに接し、かれらの魅力を多くの人に伝えるような活動は、自分のできる範囲で取り組んでいきたいと思います。第2第3の千石さんが、飛騨高山の地から生まれるように(?)。


 他人よりちょっと短かったかもしれませんが、他人よりずっと人生を楽しまれたのではないかなぁ、と思います。

 私もそんな人生を送ってみたいものです。

 千石さん、ありがとうございました。


位山(くらいやま)で、スノーシュートレッキング

2012-02-05 22:20:44 | 宮笠で登山
 今日は、(昨日の筋肉痛の先遣隊が腕と腰を攻撃する中…)先週に続いて、雪の位山でスノーシュートレッキングをして楽しみました。

 今回のメンバーは、職場の山の会の仲間(一応雪山研修と銘打って!)+OB&知り合いなどなど・・・の総勢10名。天気は晴れ、風も無く気温は暖かめで、絶好の雪あそびコンディションでした。

 8時過ぎ、まずはスキー場のリフトで上まで移動。ちょっとモヤがかかっていますが、御岳、乗鞍岳、穂高、槍ヶ岳、笠ヶ岳、黒部五郎など、遠くの山までまあまあよく見えます。(右端に見える乗鞍岳には、今日山岳会の山スキー部隊が行っているはずですね。)




 そこでスノーシューをつけ、まずは1,233mの三角点(通称:ダナ山)まで上がります。先週つけた雪上のトレースは、その後の新雪で埋まってほとんどわかりません。真新しいスノーシューの足跡があり、先行者が1名いるようです。

 しばらく行くと、雪面に緑色の丸いものがありました。ヤドリギが木の上から落っこちたみたいです。緑色の茎、緑色の葉、黄色い実が、雪の上でよく目立っています。みんなで実を試食してみたら、ちょっと甘みがありました。ただ、タネを取り巻く粘り成分(繊維?)が舌の上にいつまでも残って違和感が残ります。





 とにかく天気がよく、歩いていて気持ちいい!って感じ。みんな自然などの興味・知識があり、いろんなものを見つけては、あーでもない、こーでもないと楽しい会話が弾みました。

 そのほか、雪や巨木、木の芽などを観察しながらうろうろし、11時半過ぎに山頂近くの展望広場に到着。

 山頂のあたりは積雪が約1mくらいで、いつもなら雪の下になっているサラサドウダンのやぶが頭を出していて、スノーシューで歩くのに一苦労しました。

 ここからは西に白山がよく見えました。名前のとおり、白く輝いています。




 ここで雪面を踏み固め、携帯スコップで溝を掘り、即席ランチテーブル&ベンチを作成。昨日の雪降ろしの経験が役立っている?白山を眺めながら、みんな思い思いのランチを取りました。私は(先週と同じ)雪山定番メニューの、もちとカレーうどん。あったまりました!おすそわけで頂いた白菜漬け&Kさんの秘蔵サクランボビール、おいしかった!

 気持ちい気候もあり、1時間くらい滞在。のんびりしました。研修らしく、ツェルトを使ったスノーシェルターの作り方の実演も。





 昼食後は、少し先にある山頂を目指し、そこから水場を目指しました。が、水が出ていない!いつも真冬でも出ているのに・・・しばらく続いた寒さのせいかなぁ。

 下りはみんな足も速まり、気持ちに余裕の出たメンバーは、トレースから外れてスノーシューの威力を体感していました。やっぱり誰かの足あとをついていくばかりじゃ面白くない!ですよね。

 来週は、本格的な冬山登山研修、雪と自然を楽しんだ今回と気持ちを切り替えて、登山技術習得の楽しみを追及してきます。


雪降ろし、してきました!

2012-02-04 22:57:17 | 自然
 飛騨高山は、ここしばらく真冬日(一日中気温が0度を上回らない)が続き、雪もほどほど降っています。
 でも、ニュースでやるような2・3メートルもの積雪はなく、家の周りで3・40センチくらいでしょうか。
 うちから見えるスキー場「モンデウス飛騨位山スノーパーク」では、1メートル近くは降っているようです。明日はここのリフトに乗って、またスノーシュートレッキングに行く予定です。

 今日は、屋根の雪下ろしのため嫁さんの実家に行きました。自分の家は、雪が自然に落ちるタイプにしたので雪降ろしをしなくてもいいのですが、雪降ろしってけっこう楽しいのでやってみたいときは、ほかの家に手伝いに行くのです。

 場所は飛騨市古川町。ここは高山市の北隣で、日本海側に近いからか、けっこうな雪の量です。




 家の周りもよけた雪で壁になっています。2階の窓から屋根に出ると、上のほうはふわふわの新雪が40センチくらいで、その下にザラメ状の硬い雪の層がありました。(こういう層があるところが、山では雪崩を起こすので、雪の層に注意をしていつも観察しておくことが大切!です。)屋根から下を見ると、庭木がところどころにあるので、雪を落とすときには気をつけなければなりません。

 道具は、アルミスコップ。ふつうのいわゆる剣先スコップより一回り大きく、アルミでできたすくう部分は四角くなっています。これで、雪を30センチくらいのブロックに切り出して下に放り投げます。

 この、ブロックに切り出すところは、冬の登山でしばしばやることと同じです。昼食時に雪面を掘り込んで座るところを作ったり、テントを張ったときに風除けの壁を積むとき、あとまだ泊まったことは無いけど、雪洞(せつどう:雪の斜面に横穴などを掘って居住スペースを作ったもの。そこで泊まることも)を掘るときにも、雪を掘り出す技術は役に立ちます。

 また、雪をブロックに切り出し、狙ったところに放り投げるのは、腕、肩、腰、背筋を総動員した全身運動で、トレーニングにもなる気がします。ちゃんと事前に筋肉回復に効くサプリメント(BCAA入り)を飲んだので、回復した後には丈夫な筋肉が形成されるでしょう!?



 本当は、屋根全体の雪を降ろすといいのでしょうが、特に弱い軒先だけ降ろすという人もいます。今回も時間と体力の関係で、軒先のほうだけをひとまわり降ろしました。こうやってすそだけを降ろしておけば、次にまた積雪があっても、しばらくはもつでしょう。

 一階の屋根が終わったあとは、2階の屋根(おおやね、といいます)に登って、高度感も楽しみながら雪降ろしを楽しみました。

 実家のお兄さん一家も一緒にやったおかげで、肉体疲労がほどほどのところで一通り終わりました。途中で舞い落ちる雪を見ながらみんなで食べた昼食は、なかなかおいし&楽しかったですね。

 帰りにはまたコーヒーとおやつをいただいて一休みした後、帰途につきました。

 明日か明後日には、総動員した筋肉たちが抗議のストライキ(?)を起こすかもしれませんが、とにかく今日は楽しく雪降ろしができてよかったです。雪中キャンプOR雪洞お泊り会にも行かなきゃなー

 まだまだ冬の飛騨高山、やらなきゃいけない楽しいことがいっぱいです!