飛騨の自然と巨木に親しむブログ

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バイカモ、って鳥じゃないですよ!宮川最上流部の湧水に育つ水草を増やす活動

2016-07-07 23:06:32 | 自然

 皆さま、「バイカモ」って知ってますか?

 「あー、親ガモについて雛が行列になって、時々ニュースになるやつね」という方をけっこう見かけますが、それはカルガモなどカモの仲間と誤解しているようです・・・

 バイカモとは、湧水などの安定した清水の中に生育する水草で、6月~9月に流水から白い梅に似た花(それが梅花藻の名の由来)を咲かせます。

 

 高山市を流れる宮川の支流の一つ、常泉寺川は、飛騨一之宮水無神社前に至って多くの湧水が流入し、そのあたりから宮川に合流するまでの500mほどの区間にバイカモが生育しています。

 かつては川面を埋め尽くすほど繁茂していたこともあったようですが、河川整備や増水被害などで往時ほどの見事さはなくなっているようです。地元では昔から金魚草として親しまれ、また一方では河川清掃の際には邪魔者として刈り取られる面もあったようです。

 それでも、今では市の天然記念物指定もあり、地元で守る会が立ち上がり、行政や地元小学生を巻き込んで保護増殖が図られています。

 先日、かつてはバイカモが繁茂していたところの雑草を除去し、再びバイカモを移植する活動があり参加しました。

 

 大の大人が川遊び、じゃない、まじめに除草作業をして、のちに子供たちがバイカモを移植するスペースを作りました。

 作業前はかなりあった雑草がこちら。

 

 そして作業後の様子がコチラ。作業をしていると、護岸の隙間から湧水があふれているところが何か所もありました。そのあたりに手を浸すと、川の他のところより水温が低いのが明らかにわかりました。

 

 雑草の多くは、参加していたコンサルさんのお話ではオオスズメノカタビラという帰化植物らしく、すごい繁殖力で流水中でも繁茂してゆらゆらゆれていました。その他、ツルヨシやクレソンなども。

 

 これを引き抜いて流し、下流でためておいて運び出しました。

 

 かなりの量が運び出されましたが、守る会の方に聞くと、例年とってもとってもまた雑草がはびこるとのこと。

 水中を覗いてみると、引き抜いたはずの雑草の根はしっかり残っていて、ここからすぐ再生するのは容易に想像がつきました。

 

 バイカモもそうですが、水生植物は一部でも残っていると不定根が伸びて再生してしまうようです。根気よく、確実に除去しないと、昔のようなバイカモ群落が復活するのはまだだいぶ先のことのようです。

 

 

 それともう一つ、むかしとは環境条件(湧水量、河床や護岸の状況、河道など)が変わってしまっていて、移植するだけでは昔のような見事な群落は復活しない可能性もあります。

 今のような活動を継続しながらも、文献調査や資料などで昔の状況を調査し、どうすれば昔のようなバイカモ群落が復活するか検討するときに来ているのかもしれません。

 

なお、この流域には一見雑草に見える希少植物「カワジシャ」も生育しているとのことで、テープでマーキングされていました。(でも、勢い余って引き抜かれているカワジシャも目撃しました…)

 

 ちなみに、この作業の翌週に地元小学生がバイカモ移植を行い、それを含めた一連の活動を紹介したNHKの地方局の番組が7日夕方放送されました。そこで思いがけずちょっとだけでしたが私も写っていました・・・そのあと親から「知り合いからテレビに出てたよって言われたよ。私は見えなかったけど・・・」と電話が。さすがNHK。田舎ではよく見られていますねー。

 私が草取りしたところ、また近いうちに行って、残務処理でもしてこようかな・・・

 



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