飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

宮笠製作技術の映像記録、撮影開始!

2009-02-26 00:13:40 | 宮笠の製作
 昨夜からの小雨で、平地の雪はかなり溶けてしまいました。何度も書いていますが、もうちょっと雪積もらないかなぁ。


 

 夏以降、宮笠をかぶっての登山記録を書いてきましたが、そもそも『宮笠』とはなにか?それは、江戸時代から高山市一之宮町問坂(といさか)地区を中心に作られている笠で、ヒノキやイチイの木をリボン状に薄く加工した”ヒデ”を編んで作られています。ヒノキを使った『桧笠』は各地で作られています(といっても、ざっと調べた範囲では石川県白山市、長野県南木曽町、高知県くらいしか今はのこっていないようです)が、イチイを使った『一位笠』は、イチイの木の利用が古くからある飛騨一之宮だけのようです。
 今では作る人も少なくなって、後継者の育成が課題になっていますが、この度、宮笠の製作技術を映像等に記録する事業に取り組むことになりました。今日、その撮影初日で、カメラマンと共に技能伝承者の問坂さんをお訪ねし、撮影を開始しました。

 撮影した今日の印象として、やはり”すごい”ですねー。一見の価値あります!撮影の合間に撮った写真と、以前撮影した写真を織り交ぜながら、宮笠の製作過程をご紹介したいと思います。紹介するのは、「『紅白』と呼ばれる、イチイとヒノキを編んだ、宮笠の定番のものです。

 まずはじめは、材料をそろえるところから始まります。笠ヒデの他には竹を使用します。



 この写真は完成間近の宮笠ですが、ここに見える外周の円(ふち)と、中ほどにある円(おたて)、そして放射状に6本あるホネ(さしぼね)は竹でできています。竹は飛騨地方でも標高の低いところでないと成長しにくいので、少し南に行った下呂市萩原町の竹を伐ってきて使います。



 竹割で4等分した後、小刀で割っていき、「ふち」×1、「おたて」×1、「さしぼね」×6(3本は少し太め、3本は少し細め)の3種類の材料を作ります。(つづく)


 今回の記録とあわせて、3月13日(19時~21時)には高山市一之宮公民館で「宮笠伝承セミナー」を実施予定です。興味のある方、ぜひご参加を!

河口と源流の子どもの交流をお手伝いしました。

2009-02-22 14:57:00 | できごと
 21日に、岩瀬児童クラブ・一之宮町子ども会交流会のお手伝いで、子どもたち60名余を源流の森にご案内しました。

 前日までは、雪が少なくて一部地面が現れていたモンデウススキー場ですが、昨夜からの雪で20~30mの積雪がありました。この交流は例年夏にやっていたものを、今年初めて冬の源流の森を体験するということでこの時期に企画されたものですので、雪が降って何よりでした。

 参加した子どもたちは、神通川河口の岩瀬地区の児童クラブ約30名と、一之宮町の子どもたち約30名で、約10人の6つの班に分け、ふるさと学校のメンバーを中心に案内しました。

 みんな馴れない「かんじき」をはいてあるき、私たちは源流の森の自然や、山の木の手入れについてなど説明をしながら歩きましたが、雪と戯れる事のほうが楽しいようで、寒さも気にしないでそり遊びや雪合戦などで子供どうし交流を深めていました。

  

  

 最後はゲレンデの脇を歩いて下りながら、肥料袋を尻に敷いてのソリ遊びにはまっていました。(大人も・・・)

 この交流が、森や海について考えたり守り育てる活動につながっていけばいいなぁ、と思います。
 今日は、子どもたちと一緒に飛びまわったツケで、ちょっと筋肉痛です・・・。

『みんなで守ろうイノシシ被害』

2009-02-18 00:23:02 | できごと
 昨日今日と、冬らしい寒い日が続いています。今朝はうっすら積雪もありました。もうちょっと積もらないかなぁ・・・。

 今日は、高山市役所農務課が主催する農作物被害対策講習会『みんなで守ろうイノシシ被害』に参加してきました。

 講師は、江口祐輔氏。農文協などから、イノシシ対策の本を出している方で、畜産畑出身らしくイノシシの生理生態に基づいて行動様式などを写真・動画も用いてわかりやすく説明していただきました。

 「忌避剤は効果まったくなし。効果があるように一見見えるのは忌避するのではなく、一時的に警戒しているだけ。」
 「秋にウリボウを見かけたからといって、野生で1シーズンに2回出産・子育てすることはありえない。春に生まれた子が何らかの理由で死んでしまった場合にのみ、2度目の交尾をするものがいるだけ」
 「意図しないで餌付け行為をしていることに気付いてほしい」 など、目からウロコの話がいろいろ聞けました。

 私の住んでいる集落は、地域住民総出で一昨年、山沿いにワイヤーメッシュを張り巡らしたのでイノシシ被害はなくなっていますが、またいつ乗り越えてくるかもしれません。油断せず、点検をしなければ!と思いを新たにした研修会でした。3月5日には、井上雅央氏によるサル被害対策の講習会があるので、そちらにも参加する予定です。

雪の位山(くらいやま)下見に行ってきました。

2009-02-14 22:24:16 | 自然
 夕べの雨もやんで、朝は曇りでしたが昼からは暖かい一日となりました。

 今日は、来週の行事の下見で雪の位山(例年よりは雪はとっても少なかったですが・・・)に行ってきました。
 行事は、一之宮町に源流がある宮川~神通川を軸として、源流の飛騨一之宮子ども会と河口部の富山市岩瀬地区児童クラブが交流する行事です。毎年交互に行き来していて、今年は冬の源流の森を歩くことになっているとのこと。私は地元のNPOのメンバーとして、ボランティアで『源流の森かんじき自然観察』の引率スタッフを担当します。

 登り口の近くにある苅安湿原の湧き水近くでは、気の早い草の新芽が顔を出していました。


 登りには、モンデウススキー場のクワッド(4人乗り)リフトを使います。歩いたらけっこう大変ですが、5分ほどで標高差約250mを稼ぎました。山頂駅から振り返ると、霧の下になった一之宮町が見えました。(その後すっかり晴れてきました)


 また、山頂駅では昨年できたばかりのバイオトイレがありました。高山市は昨年度と今年度の合併記念公園整備で市内にいくつものバイオトイレを整備しました。今後も必要に応じて整備を進めていただけるのでしょうか?ちなみに今回は特に用事はなかったので入りませんでした。


 歩いていると、ねずみのトンネルあとがありました。本当は雪の中に掘られていたのでしょうが、雪解けで露わになったものです。糞がまとめてしてあるトイレなども見えました。


 雪はまあまあ残っていましたが、スノーシューで歩いていると、春先のように時々ズボっと踏み抜いてしまい、スノーシューの弱点(踏み抜いた後に、足を引っこ抜きにくい)が露呈してしまいました。


 ビューポイントや自然解説のポイントの確認、昼食場所の検討をしながら歩きまわり、その後下山しました。
 下見をしての印象では、自然観察はできてもかんじきで歩く醍醐味が味わえないので、なんとか来週までにちょっとでも新雪が降ることを願います!!

和蝋燭づくり体験追加情報

2009-02-14 01:20:59 | できごと
 今日は、飛騨も雨が降っています。夕方でもまだ気温が9度ありました。雪、降らないかなぁ・・・。




 さて、和蝋燭追加情報ですが、講師をしていただいた大西さんは、滋賀県高島市の和蝋燭やさん『大與(だいよ)』の3代目です。関西人独特のノリで楽しい方です。ご夫婦そろって。
 ちなみにホームページは次の通り。4代目の方のブログなどもあり、タダの蝋燭屋さんでないことがうかがえますねー。

 http://www.warousokudaiyo.com/ 

 和蝋燭も、ちょっと高いですが、先祖の霊を弔うために、時には良いものを使いたいものです。

  


 さて、和蝋燭もいいのですが、飛騨一之宮の手作り伝統工芸といえば『宮笠』。近いうちに宮笠の特集を掲載したいと思います。乞うご期待。