飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

飛騨高山の巨木 No.733 鱒渕橋のアカマツ

2008-04-26 23:41:19 | 巨木
 ちょっとご無沙汰していましたが、巨木情報も積み重ねつつあります。

 飛騨高山の巨木No.733 鱒渕橋のアカマツ 
  
 先日、動物のことや山のことでいつもご指導いただいているH氏から、「大きい木を調べとるそうやけど、宮の奥の鱒渕橋のとこに大きい松があるで、いっぺん見といてくれ。」との情報をいただきました。私もたまには通るところなので、大きめのアカマツがあったのは知っていましたが、それほど大きいと思っていませんでした。宮川に沿って南西に伸びる県道を進むと、鱒渕橋に到着。けっこう強い雨がふっていましたが、近くに行ってみると、大きい!さっそく計測してみると、3mを超えていました。

 幹 周:320cm 
 樹 高:18m 

 高さ約2mのところから大きな枝が出ていることもあり、高さ1.3mの幹はやや扁平な断面となっています。その上ではたくさんの枝が出ていて、ちょっとした森のようです。
 それにしても、何度も目にしていたはずのところにまだ巨木があったとは・・・。まだまだ巨木ハンター(?)にはなれそうもありません。修行(調査)をもっと積まなければ!

 ところで、この後、雪の解け具合を確かめに位山のダナ平林道に向かいました。途中、苅安峠を通ると、高山市が整備している合併記念公園で整備したところがありました。雪が解けたスキー場のゲレンデを新しい登山道が通っています。登り口には、ふるさと学校の前身?(のひとつ)源流の森レンジャーが設置した看板が移設され立っていました。

 登山道の通るゲレンデは、夏には牛たちの放牧や採草に使われて管理されていましたが、これからは草刈など、登山道管理が大変になりそうです。地元有志などで、草刈や植樹ができれば、管理も行き届くかもしれませんが・・・。
 これからどう登山道が管理されていくか、どう登山道周辺が変化していくか、また地元住民らがどう管理に携われるか(携わることができるか?)、それと、近くの苅安湿原も整備されていますが、ふるさとの宝物:位山の自然の動向に注目していきたいと思います。

位山、冬の終わり・・・。巨木とオコジョ(?)と。

2008-03-20 23:03:16 | 巨木
 3月20日、今日はモンデウススキー場最終日、ということで、雪上巨木調査には最後のチャンスということで、位山に行ってきました。
 昨日からの雨も1,000m以上では雪。登っていくと、木の上に積もった雪が温かい風に溶かされて雨のように落ちてきます。また、冷え込みが少ないため、かんじきをつけていても時々ずぼずぼと足がはまります。また、温度の具合でかアルミのわかんに雪が付いて足を上げるのに一苦労でした。
 
 雪の量はやや少な目かもしれませんが、ササや山頂のドウダンツツジ(サラサドウダン)はだいたい雪の下でした。
 山頂はこんな感じでした。
 

 山頂付近で、こんな足跡を発見!
 
 写真ではよくわからないかもしれませんが(ストックの白い印は5cm刻み)、私の記憶が確かなら、この足跡の大きさ&パターンはオコジョのものだと思います。昔から位山にはオコジョが住んでいるという話だけは聞いていましたが、まだ姿は見ていません。いつかそのお姿を見てみたいものです。

 さて、今回の山行は、巨木調査も兼ねていました。雪の状態がよければ、川上岳(かおれだけ)に行きたかったところですが、あきらめて、山頂北側の餅谷源流部で巨木を探して歩き回りました。
 そこで面白い生え方をしたミズナラの巨木に出会いました。

 飛騨高山の巨木 No.732 
 (このたび発行した『飛騨高山の巨木』に731本の巨木を掲載していますので、これから新しく記録した巨木は番号を追加していきます)




 幹周:342cm 
 樹高:約20m 
 樹種:ミズナラ
 立ち上がっているかのような不思議な生え方をしたミズナラで、高さ約2mのところでX字のようになっています。幹周は根上がり樹形(?)ということで高さ2mの一番細くなっているところで計測しました。左右にウラジロモミが寄り添うように生え、カエデもすぐ横にあります。山頂の北側で標高約1,400mくらいのところに生えていました。見つけたときは、おおっ!!と思いました。まだまだ位山にも巨木が眠っているんですねぇ。

飛騨高山の巨木 No.37 野麦のコブシ

2007-12-12 00:01:46 | 巨木
 最近は、小雪や小雨のはっきりしない天気が続き、畑に干してあるはざのソバのシートも掛けたままです。一度晴れれば、脱穀して粉にできると思うのですが、なかなか思うような天気になってくれません。
 今回は、先々週土曜日に朝日町~高根町を回った際に記録した、全国有数の大きさを誇るコブシをご紹介します。

 飛騨高山の巨木 No.37 野麦のコブシ 

 幹 周:809cm(316cm、291cm、135cm、67cmの株立ち) 
 樹 高:約18m 
 所在地:高山市高根町野麦 

   
 高山市高根支所のH氏から、高根支所管内の巨木情報を寄せていただいた中に、幹周3mの並んだコブシの情報がありました。飛騨でふつう「コブシ」というと、よく植えられている「コブシ」と、山中に自生する「タムシバ」の両者を指しています。コブシで幹周3mを超えるようなものは見たことがありませんでした。だいたいの場所を聞いていったのですが、現場近くでうろうろと迷ってしまいました。そうこうするうち、民家で冬支度をする住民の方に尋ねたところ、そこから山のほうに向いてチラッと見えるところにコブシがあることを教えていただきました!
 近くに行くと、大きい!樹高は余りありませんが、1m級のものが並び立っています。根元がひとつなので、株立ち樹形として大小4本計測しました。傍らには墓石があり、墓印として大切にされてきたことが伺えました。
 なお、計測値を合計すると809cmとなり、わが国有数のコブシであることもわかりました。(数値だけみるなら日本一) 
 H氏から花の時期の写真も借りれそうとのことで、報告書には白い塊のようなコブシの大樹の花を見ていただける予定です。

飛騨高山の巨木 No.36 秋神温泉の栗

2007-12-01 23:32:50 | 巨木
 巨木の現地調査も今週末までとなりました。今年はこれで一度区切りとし、報告書というか冊子をまとめます。
 今日は久々野、朝日、高根方面のこれまで見落としていたものなどを調査しました。その中で印象に残った一本をご紹介します。

 飛騨高山の巨木 No.36 秋神温泉の栗 

   

 幹 周:654cm(374cmと280cmの2本立ち) 
 樹 高:約13m 
 保護指定:市指定天然記念物


 高山市朝日町(旧朝日村)の秋神温泉は、冬の「氷点下の森」で知られた山中の温泉宿です。ここのご主人である小林さんは、秋神川沿いの自然林のなかに散策路を設け、宿泊客が散策することができるようになっています。数多くの巨木が点在していますが、その中にある特に大きな栗の木が天然記念物に指定されています。
 聞くところによると、この枝振りの良い栗の木にロープを掛けて、ツリークライミングを楽しむイベントが開催されることもあるとか。
 眺めてよし、登ってよし、食べてよし(?)の栗の木です。

飛騨高山の巨木 No.35 平湯大ネズコ

2007-10-21 22:34:29 | 巨木
 10月20日に、平湯巨樹巨木保全協議会の村山会長のお宅を訪問し、フォーラムに関する打ち合わせをしてきました。(ふるさと学校のHPにも書きましたが・・・)
 打ち合わせの後、平湯温泉街の近くにある森をご案内して頂きました。わずかの間に、ミズナラやモミなど5本の巨木を調査し記録させていただきました。村山さんは、鉈を腰にしてひょいひょいと斜面を登って行かれるので、ついていくのがやっとでした・・・。
 

 ということで、満を持して(?)の登場です。
 飛騨高山の巨木 No.35 平湯大ネズコ 
 幹周:760cm 
 樹高:20m 
 保護指定:森の巨人たち百選・選定樹 
 
 平湯大ネズコに至るルートは3つありますが、平湯キャンプ場からのルートが最も近いようです(その分登りがちょっときついですが・・・)。キャンプ場から10~15分で大ネズコに到着。堂々としてかっこいい!です。風格がある割には、傷みがほとんどなく、力強さも感じられます。村山さんによれば、この近くにも数本ネズコの巨木があるので、一体的に保全していきたい、と胸の内を語っておられました。
 幹周については、測り方によって10m近いのでは、という説もあり、いつか巨樹巨木林の会の方に再計測をお願いできればなぁ・・・と思っているところです。