飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

乗鞍岳・四ツ岳と大丹生岳~道なき峰を訪ねて(その2)~ 20170708

2017-07-25 23:35:16 | 宮笠で登山

(意外とすぐ、その2をアップすることができました!)

 大丹生岳と烏帽子岳のコルは、先の冬に烏帽子岳に登った際に、スノーシューからアイゼンに付け替えたポイント。ここからの烏帽子の登高は、標高差こそそれほどないものの、けっこうしびれる登りでした。

 (↑ 右のバスの上あたりがちょうどコルですね)

 

 さて、雪も氷もないコルに立ち西に目をやると烏帽子岳のかっこいい山頂が望めます。土留めのワイヤーロープが目に痛々しい稜線ですが、山頂付近は冬はわからなかったけど、北面の滑らかな斜面に対し、南面は黒々とした岩場が顔をのぞかせています。

 

 烏帽子岳もこの季節に登ってみたい気もしますが、今日は自分的未踏峰の大丹生岳を目指します。

 東に目をやると、烏帽子岳と対照的にたおやかな峰がずっと伸びています。この大丹生岳への稜線も、北側はハイマツに覆われていますが、南面はガレ場や岩場が中心となっています。

 

 稜線にはところどころ踏み跡らしきものがありますが、ハイマツに隠されたりして途切れているので、探しながら進みます。

 しばらく登ると、岩に昔の道標らしきものが立てかけてあるのを発見。右下から登ってくる登山道らしき踏み跡や、岩を地面に一直線に並べてあるものなどもありました。右下は大丹生池(後ほど写真登場します)なので、大丹生池経由で登山する道が昔あったのかもしれません。

 

 13:35、大丹生岳山頂(2,698m)に到着。石標が埋まっていますが、これは「山」マークが彫ってあるので、国土地理院ではなく営林署(森林管理署)が昔設置したものではないかと思われます。ちなみにここは硫黄岳~丸山とつづいてきた長野県境と出会う場所ともなっています。

 

 ここから西に目を転じると、この山名と同じ名を持つ「大丹生池」があります。ここは、丹生川の方が旱魃の際に雨乞いをしに登ってきたという言い伝えのある池です。今も何らかの雨乞いの儀式の遺構が残っているかもしれませんね。行ったことのある方の話によると、初秋には池の周りはトリカブトの花で紫色に染まるとのことで、一度行ってみたいところの一つでもあります。

 

 山頂からは、南に向かいながら登山道の痕跡などを探しました。しばらく進んで振り返ると、烏帽子岳のりりしい姿と、同様の傾きで突き出した岩が目につきました。あまり意味はありませんが、気になったので写真を撮ってみました。

 

 さらに進むと、なんとなく目につく巨石がありました。ちょっとしたステージのように登ることができて、登ると眼下には大丹生池がよく見えます。大丹生池の雨乞いはもしかしたらここで行われたんじゃないか、と思わせるような位置関係ですが、たぶん雨乞いは池のほとりでやったでしょうから、雨乞いとは関係ないでしょう・・・。でも、気になる大岩でありました。

 

 ちなみに、大岩から池をよく見ると、池のほとりに線上のもの(ネッシー!?)や、人工的な壁(岩?)のようなものが見えました。いったい何でしょう? 行ってみたい!との思いがますます強くなってきました。

 

 そこからは南下しつつ東側のスカイラインに出れるルートを探し、ハイマツの海を泳いで車道に戻りました(14:20)。

 ここからは、車道脇を歩いて下ります。最初の2連ヘアピンカーブは登りの時同様雪渓がつながっていたのでショートカットして進みました。

 次の2連ヘアピンカーブは、四ツ岳の南西斜面を下るのですが、ショートカットできないか周囲を観察すると、踏み固めたような歩道らしいところがありました。なだらかに登っているようです。これが昔の四ツ岳登山道?でしょうか。そのすぐ下には、石垣を積んで平らになっているところもありました。何かはわかりませんが、昔誰かが積み上げたことは間違いないようです。

 (↑ 写真左端のほうで、奥に進む道のようなものがあります)

 (↑ 石垣のような構造物。地衣類の生え方を見ると、かなり古いもののようにも感じられます)

 

 そこから下の方を見ると、下る歩道のようなところがあり、そこを下って下の道に向かってみました。途中から雪田になっていましたが、何とか下れました。

 

 そこから延々とスカイラインの脇を歩いて下ります。自転車の方が多く走っていて、下りはうらやましいなあと思って眺めつつ下りました。

 長い長い下りを終え、平湯峠に着いた頃には、バテバテで疲れ果てていました・・・。

 

 移動距離は7時間半かけて約25㎞、累積標高差は1400m余。身近な乗鞍岳の意外な一面をたくさん見れましたし。いいトレーニングにもなりました。ただ、舗装路を長く歩いたので、登山道のソールが結構減っちゃったのが(みみっちいですが)もったいなかったかも。


乗鞍岳・四ツ岳と大丹生岳~道なき峰を訪ねて(その1)~ 20170708

2017-07-24 21:02:51 | 宮笠で登山

 最近の山の個人的テーマとして、身近な山の新たな一面(ルート)を探る、というのをなんとなく掲げていて、位山・川上岳の沢登りとか、乗鞍岳の登山道の無い山に登ることなどをしています。

 先の冬には、雪に閉ざされた乗鞍スカイライン沿いの山ということで、猫岳・烏帽子岳に登ってきたところですが、先日は、四ツ岳と大丹生岳に行ってきました。乗鞍岳にこだわるのは、地元の山岳会の記念事業で近々乗鞍岳をテーマにいろんな山行を実施することになる予定ですが、その下調べの意味合いもちょっと含まれています。

 高山市民のふるさとの山と言われながら、23もあるといわれる峰のうち登ったことがあるのは数えるほど。できれば全部のピークに立ってみたい、と思う今日この頃。立ち入り禁止になっているところもあるようですが、どこなのかはっきりしません。

 さて、7月8日、ちょっと朝ゆっくりしていたので、平湯峠(標高1,684m)を出るのが9時近くになってしまいました。天気は快晴。暑くなりそうな予感・・・。ゲートの門番のおじさんが、クマが出るから気を付けて、と声をかけてくださいました。果たして、会えるかどうか・・・?

 

 三十分くらい車道脇を歩いて登ると、夫婦松(約1,940m)に到着。西に目をやると、雪を抱いた白山がかすんで見えました。

 

 スカイライン沿いに歩いていると、道端に高山植物的な花がちらほら見えるようになってきました。目についたのはテガタチドリで、けっこう群生していました。中には白い花のものも。自動車や自転車では気付かず通り過ぎちゃいますよね、きっと。歩いててよかった。

 

 そんな時、道端に茶色い物体がこんもりと。もっぱら植物の繊維で構成されている落とし物、これはもしや、大きさからして、クマさんの落とし物!?でしょうか。

 この先は、時折掛け声を挙げながら登っていきました。

 

 黙々と登っていくと、標高2,500mの猫岳と四ツ岳のコルに到着(11時ころ)。この前の冬はここから烏帽子岳に登ったなぁ。少し腹ごしらえして、左手の山肌に取り付きます。ここには何かの計測機器があり、ちょっと踏み跡のようなものがあったので、昔の登山道跡かな、と思ったのですが、すぐ消えてしまいました。ただ、時折踏み跡らしきものは目にしたので、昔は四ツ岳に登るルートもあったのではないかな、などと思いながら進みました。

 

 ハイマツの海にハマると足がとられて身動き取れなくなってしまいます。それを避けるためになるべく岩場がつながっているところを探して、岩を飛びながら上を目指します。先を見ながらルートどりを考えたり、岩場を乗り越えたりするのは、なかなかバリエーションルート的で興味深かったです。古い踏み跡らしきものや、岩の窪みなどがあると、昔の人の痕跡がないか探しつつ、高度を上げていきました。

 

 やがて傾斜が緩くなって、ガスの中に山頂らしき高みが見えるようになってきました。ただ、山頂の標識があるわけではないので、周りを見渡してここが高いかな、と思うところを四ツ岳(2,744m)の山頂とみなしました(12:10)。

 ただ、地図の等高線によると四ツ岳の最高点は2,750mを越えており、そのちょっと北に三角点マークがあり、そこが2,744mになっています。三角点は見つけられませんでした(と言うかちゃんと探しませんでした・・・)。また、周囲をぐるぐる見回ってみましたが、特に人の痕跡らしきものは見つけられませんでした。

 (↑手前の三角岩辺りが最高所、かなと。奥は東峰(約2,740m)ともいうべきピーク。)

 

 代わりに、ということでもありませんが、イワヒバリの声がして振り向くと、雷鳥によく似た岩があるのを発見!勝手に『見返り雷鳥岩』と名付けて悦に入っていました。

         (↑『見返り雷鳥岩』わかりますか・・?)

 

 ここからは南に進んで大丹生岳方面を目指します。少し下ると、地図上で等高線が入り組んでいるところがあり、実際も小さな岩山がいくつも集まった複雑な地形のところがありました。このうち一か所のくぼ地に残雪があり、水筒に入れて飲み水の足しにしました。冷たくておいしかったー。

 

 スカイラインまでの真ん中あたりに来た時、不意にライチョウが飛び出しました。普段なら人間がいないところから急に来たので、驚かせてしまったかもしれません。見たところオスのようなので、変なやつが来たということで警戒に来たのかもしれません。(オス一羽だけしか見かけませんでした)

 

  そんなこんなで、乗鞍スカイラインに出たのが13時くらいになっていました。ここからはスカイラインを少したどり、ヘアピンカーブのところをショートカットして(ちょうどいい残雪が続いていたので)、烏帽子岳と大丹生岳のコルに出ました。

 さていよいよ、大丹生岳への登りです。

 (『その2』に続く。たぶん・・・)


焼岳に登ってきました。~新中ノ湯から上高地へ~20170624

2017-07-24 01:36:15 | 宮笠で登山

 またまた久かたぶりの更新となってしまいました。

 飛騨高山ウルトラマラソンは、練習不足か年のせいか、後半胃腸がやられて体が動かなくなり、83㎞地点で無念のリタイヤとなりました・・・精進して来年で直します!

 

 少し前になりますが、職場の仲間たちと焼岳に登ってきましたのでupしてみます。これまでに中尾温泉からしか登ったことが無かったので、今回の新中ノ湯から登って上高地に抜けるルートはなかなか楽しかったです。

 8時過ぎ、新中ノ湯登山口の駐車場は、もういっぱいでした。登り始めると火山注意の表示が。ヘルメットは持ってこなかった…

 

 登りはじめは樹林帯の中。針葉樹、広葉樹が入り混じり、結構な巨木もあります。天気は良くなるとのことですが、樹林帯の中なので、朝の涼しい空気を吸いながら、高度を稼いでいきます。

 やがて樹林帯が終わり近くになると、休憩に適した広場があり、山頂が望めました。

 

 ダケカンバなど背の低くなった樹林帯を進むと、徐々に山が迫ってきます。谷にはまだ豊富な残雪があり、近くに行くと涼しい風が吹いていました。今年は残雪がどこも多いようですね。

 

 傾斜が急になった岩礫地を登ると、山頂が近くなり、やがてコルに到着。このあたりでは、遠くからも見えていましたが、黄色い岩の裂け目から噴気があがっています。

 そこから岩場をぐいぐいと登ると、いよいよ山頂です。(11:30頃) けっこうな人でにぎわっています。山頂からは、火口湖や穂高方面がよく見えました。昼食をとりながら、のんびり眺めを楽しみます。

 (↑黒いごみのように見える点は、群れ飛ぶアマツバメ。すごいスピードで飛び回っていました。)

 

 下りは上高地方面に向かいます。北方面に向かう急な下りを進みますが、途中山頂方面から大きな落石があり、「ラーク!」(落石をまわりに知らせる掛け声)と声を掛けながら慎重に進みました。結構ヒヤヒヤしながら・・・

 下りの岩場には、イワヒゲやコケモモなどの花がちょうどいい感じで咲いていました。特にイワヒゲは、見事な群落がいくつもあり見頃を迎えていました。

 

 途中に小高い丘があり、噴気が出ている周りでは、(噴気のせいなのか)植物が生えずにコケや地衣類だけが生えている一帯があり、特徴的な景観を形成していました。

 

 しばらく下ると焼岳小屋があり、大休止をとった後、上高地に下ります。

 途中には、急な下りや、長いハシゴ場があり、慎重に進みます。対向者がいるときは声を掛け合って譲り合いながら進みました。

 長い長い樹林帯の下りも、やがて傾斜が緩くなって、林道に出ます。そこからも結構長く歩いて、田代橋を渡り、帝国ホテル前バス停でバスに乗り込みました。(15:30頃)

 同行した仲間が、知り合いが河童橋の近くで売っているという「カッパ焼き」を買って皆に食べさせてくれました。甘みが体にうれしかったー。皆さん、買ってください―。

 

 7時間かけて8.5㎞移動というのんびり登山でしたが、新しい景色に出会えて充実した山行きとなりました。皆様お疲れ様でした&ありがとうございました。