飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

濁河温泉「はもずし」でアイスクライミングをしてきましたー 2016.1.17

2016-01-17 22:06:32 | 山岳会

 今日は、山の会の研修で、高山市の隣の下呂市の濁河温泉にある「はもずし」と呼ばれるところで、アイスクライミングの練習をしてきました。

 ここは、岩盤から染み出す水が凍りつき、それが巨大な氷柱の合体した壁になっているところ。アプローチがいいので、たまに練習に来ています。

 今年は雪がとっても少ないのですが、ここは湧水と氷点下の気温さえあれば形成されるので、程よく氷の壁ができていました。いつもはほかの団体も来ていたりしますが、今日は我々の貸し切り状態でした。

 

 

 アイスクライミングというのは、氷の壁を、両手のピッケルと両足のアイゼンに刺しながら登っていく方法です。冬山登山の時に氷の斜面があっても、ここで練習しておけば慌てる&ビビることなく進むことができます。とは言え、やっているところの画像を見ると、一般の方からは変人扱いされそうですが・・・

 最初に上からロープを2か所にセットし、ロープで確保しながらそれぞれ順番に挑戦していきました。

 

 

 アイスクライミングは、登山の技術の一つではありますが、それだけが独立したスポーツとしても扱われることがあり、寒冷地では単管パイプなどで作った骨組みに水をかけて巨大な氷の塔を作り、アイスクライミングのゲレンデとして使われるところもあります。

 私は、スポーツとしてのアイスクライミングはあまり興味がなく、登山の一部だとみなしているため、アイスクライミング用ピッケルや縦爪アイゼンのような専門の道具を持っておらず、通常の冬山登山用の道具を使っています(買えないから負け惜しみを言っているのではなく…)。何回かチャレンジする中で、腕がパンパンになりながらも、自前の道具で2コースを登りきることができました。腕の力に頼ってピッケルを振るうので、そのうちピッケルがうまく刺さらなくなり、立ち往生する場面も・・・何とか突破できてよかった・・・

 道具のうち、ピッケルはアイス専用のものを借りて使ってみたりもしましたが、アイゼンについては、私をはじめ数名が通常の縦走用(先端の2本が横に平たい)12爪アイゼンで登っていました(通称:平たい爪族?)。横に平たい前爪は、氷に蹴りこんで立つときに、氷が割れたりして難しい面があります。それに対し、アイスクライミング用のアイゼンは縦爪になっていて(しかも先端の爪が1本のものもある 例えば・・・こちらのサイト )、蹴りこんだ時に刺さりやすく、また氷の破砕を抑えるような形になっています。

 平たい爪族?の面々は、あくまでも自分の道具を駆使し、何とかかんとか登りました。(下は、平爪で登りきったG先輩の雄姿)

 

 氷柱はつるつるしているように見えて、はもずしのように(?)表面に小さな凹凸があり、何回か登るうちにそこにうまくピッケルやアイゼンの前爪を載せて、あまり力をつかわなくても登れるようなりました。

 たぶんでも・・・いやゼッタイ、明日はきっと腕と背中の筋肉痛で悩まされそうです。

 


冬合宿で、涸沢岳西尾根~奥穂高岳に行ってきましたー 2016.1.2~4

2016-01-13 00:55:26 | 山岳会

 今年初めてのアップです。今年もぼちぼち遊びの様子などをアップしますので、よろしくお願いします。

 今年は、正月休みを利用して、飛騨山脈で一番高い奥穂高岳に行ってきました。もちろんこの時期は(今年は雪が少ないとはいえ)登山道は使えないので、涸沢岳に伸びる西尾根をガシガシ登り、途中にテント泊し、翌日に蒲田富士、涸沢岳を経由して奥穂高岳をピストン、3日目に下山、という行程です。

 1月2日、ほとんど雪がない新穂高から右俣林道をたどり、穂高平へ。そこから今日向かう涸沢岳西尾根が望めます。尾根の傾斜が緩くなっているので、今日明日のテント泊予定地もなんとなくわかります。

 

 白出沢を越えた先から登山道を右に外れ、尾根を登ります。下のほうは雪が少ないのでササがまだ埋まっておらず、ササと格闘しながらの登高となりました。

 

 ガシガシ登ると、ちょっと傾斜が緩くなるところがあり、さらに登ると、標高2,400mのテント場に到着。年末に登った方からは、このあたりにテントが10張り以上もあり、大盛況だと聞いていましたが、今日はひっそりとしています。ただ、雪の上が平らに整地してあったのでありがたくそこにテントを張らせていただきました。そして夜はささやかな宴を開き、早めに就寝。

 ちなみに初日の軌跡がコチラ。

 

 2日目、朝6時前にヘッドランプをつけて出発。いきなりの急登で息がすぐ上がります。針葉樹の森からダケカンバの開けた森になると、尾根も細くなってきて高度感が増します。

 

 空が明るくなってきて、振り返ると笠ヶ岳などが白く浮かび上がって見えます。今日もいい天気、風もまだ少なくいいコンディションです。

 やがてまわりの木もなくなり、蒲田富士(2,742m)に到着。ここからは雪稜を進みます。ここはちょっと前に西穂山頂から眺めたところ。所々ナイフリッジのようなところもあり、緊張しながらもワクワクして進みました。

 その後いったんコルに下り、改めて涸沢岳に向けた400mの登りが始まります。雪の着いた谷状のところを抜け、あとは雪と岩が混じった急斜面を登ります。アイゼンをつけているので、ちょっとした油断が滑落につながります。(だから油断なんかする暇なく一生懸命登りました!)

 やがて日が昇り、周りが明るくなりました。風は稜線に近づくにつれ次第に強くなりましたが、まあいいほうでしょう。涸沢岳山頂が近づくと、我々にも太陽の日が射し始めました。あぁ、太陽ってありがたい・・・

 

 涸沢岳山頂からは、いったん穂高岳山荘のあるコルまで下ります。雪は少ないとはいえ、東側半分は全部埋まっていました。ここで風をよけて休憩をしたら、改めて奥穂山頂にアタックです。

 はじめのはしごや鎖場は、アイゼンをつけているので慎重に進みます。急な雪壁では、ピッケルとアイゼンの前爪を生かして登ります。疲労がたまってきたのと、酸素が薄いこともあってか、仲間に遅れ気味になりながら、ゼエゼエあえいでの登高となりました。

 

 

 そして奥穂山頂に到着!冬の奥穂は初めてで、感無量でした。エビのしっぽに覆われた山頂の祠が、風の強さを物語っていました。

 

 エビのシッポ写真、もう一枚。自然の造形の妙ですねー

 

 山頂から南に目をやると、ジャンダルムがガスに隠れそうになりながらも聳えていました。かっこよかった!!です。そしてジャンに向かうトレースがかすかについていて、誰かが最近行った(来た?)ようです。時間と体力があったらいつかは行ってみたいコースです。

 

 そうこうするうちに、風が強くなり、ガスもまわりに立ち込めてきました。しばらく余韻を楽しんだ後に、穂高岳山荘まで退散です。

 帰りは、涸沢岳までは風雪が強くなりましたが、その後は安定してきて、ややのんびり下りました。

 広大な雪の斜面(けっこう急斜面ですが・・・)を駆け下ったりもしました。楽しかった!

 ↑この先に見えている雪の稜線が、蒲田富士に続く雪稜。私のお気に入りです。

 

 蒲田富士の雪稜は、雪が固くなる春先にはもっとナイフの刃のようにとがってスリリングになるとのこと。行けるかどうかわかりませんが、また来てみたいです。

 

 途中、風も止んで、日向ぼっこをしながらさっきまでいた稜線を振り返っていました。ホント気持ちよく、うとうとしてました。

 ↑左の高まりが蒲田富士、右のほうのギザギザがジャンダルム辺り。

 

 この日は3時前にテント場に帰り、明るいうちから小宴。暖かく楽しい夜を過ごしました。

 ちなみに2日目の行動経路はこちら↓

 

 

 3日目は下山。順調に下り、穂高平から振り返ると、3日間の移動範囲が見渡せました。あそこに行ってたんだなぁ・・・。よく頑張った、自分!

 

 今回は、仲間と好天に恵まれ、充実した山行となりました。皆様、ありがとうございました&山よありがとう。

 また行かなきゃ!今年の冬のうちに、西穂西尾根か、中崎尾根からの槍ヶ岳あたりで、ソロで行きたいところです。休みが取れるかなぁ・・・。

<データ>

(2日)新穂高駐車場(8:30)→白出沢(10:30)→2,400mテント場(14:00)

(3日)テント場(5:50)→涸沢岳(9:10)→奥穂高岳(10:20)→涸沢岳(11:00)→テント場(14:30)

(4日)テント場(6:55)→白出沢(8:20)→新穂高駐車場(9:40)