飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

御在所岳、前尾根のクライミング~P2、やぐら挑戦!

2010-07-19 23:09:01 | 山岳会
 とても長いブランクがあいてしまいました。忙しかったりいろいろとありまして・・・。



 サボっている間に季節は夏!イベントが無くなって久しぶりに自由時間となった3連休は、去年一度行って、もう一度行ってみたい!と思っていた、三重県御在所岳、前尾根に登ってきました。(登ったのは18日で、17・19日はのんびりしながらソバ畑の準備などをしていました・・・)

 山の会の先輩であるM氏、N氏と、私の計3名が今回のメンバーです。3名ともクライミングの技術を習得しようと努力しているのですが、私が一番経験が浅く(というか、ほとんどゼロ)、クライミング用の靴も持っていないという状況。でも、難しい山に登ってみたい!という思いはほどほどにあります。
 18日早朝、快晴との天気予報に心躍らせつつ、4時に集合して一台に乗り合わせて出発。7時頃、登山口駐車場を出発。去年10月にもきましたが、谷は相変わらず災害の惨状を見せています。砂防えん堤らしき工事もすすんでいますが、ひとたび災害が起こればえん堤があっても・・・と思ってしまいます。再建&仮営業中の藤内小屋を過ぎて荒れた川原を登っていくと、途中、天気予報に反し、霧雨が降ってきました。「予報では晴れるはず!」と、お互い自分に言い聞かせるように登っていきました。


 やがて前尾根が見てきました。ホントはずっと上の方まで岩尾根が見えるはずなのでしょうが、霧に隠れて見えません。尾根の手前で左に伸びる沢への道をたどりました。


 見覚えのあるテスト岩のところでハーネス装着。いよいよ登るぞ!というところですが、登りはじめて、濡れた岩が思いのほか滑ることが判明。霧雨が止まないので、登るかどうするかしばし休憩して考えることに。結局、多少濡れていても行けるまで行ってみよう、ということになり、ぼちぼち登りはじめました。多少記憶はあるものの、やはり濡れた岩で普通の登山靴では滑る滑る・・・。チムニー(岩の隙間)に挟まって登るのも、最初滑ってどうしようかと思いましたが、前回の教訓を生かし、何とか抜けることが出来ました。


 途中、岩の隙間にコメツツジが咲いていました。


 さて、濡れた岩に悩まされながらも、徐々に高度を上げて行った3人ですが、去年登ったP3への登りは、経験の浅い私がリードして登らせて頂きました。2本のロープを引きずって(落ちたときに備えて、ロープの端は下で確保してもらっています)、岩にとり付きました。リードで登ってみると、引きずっているロープが意外に重く、ちょっと苦労しました。また、途中にランナーというロープを通すカラビナなどをセットするのですが、なかなか思うようにセットできませんでした。なんとかP3の頂上に到着し、今度は私が後続のメンバーを確保する番です。2名が登ってくるのにあわせ、それぞれのロープを引くのですが、これまたけっこう力がかかり、苦労しました。
 午後1時30分。さて、そこから見上げると、「やぐら」と呼ばれるP2がそびえています。前回はここから下山したのですが、今回は岩も乾いてきて調子も上がってきたことから、時間はあまり無いけど挑戦しよう!ということになりました。


 下に行って見上げると、なかなかの迫力です。たくさんあるように見える岩の隙間も、手をかけるのが難しい形です。苦労していた先行パーティが登るのを待って、M氏が壁に取り付きました。経験&体力を生かし、徐々にやぐらを攻略していきます。


 私はというと、ビレイヤーとして、M氏を確保する役目。笑っているように見えますが、真剣です!


 苦労していたようですが、やがて上部に消えたM氏から「ビレイ解除ー!」の声、続いてN氏が登り、さいごは私が。前回は一ノ壁で「もうだめだー」と思うことがありましたが、今回の核心部はここでした!!上で確保していてもらえるとはいえ、これ以上登れないんじゃ・・・と思う場面がありましたが、指、手、腕、靴、ひざなど、あらゆる体のパーツを駆使して体を上に引きずり上げました。途中、頭の上に出っ張った岩があるところでは、進退窮まりM氏に大声でアドバイスを求める一幕も。抱え込んで登ると次は狭い岩の隙間でまた身動き取れないように・・・。なんとか切り抜けることが出来ましたが、本当のところ、厳しいクライミングでした。なお後で聞くと、抱え込んだ岩は、抱えたら離したくなくなることから「ハタチのねーちゃん」とも言われるとか・・・。
 14時45分。3名ともやぐらの頂上に到着。しばし喜びに浸りました。が、今度は降りなくちゃいけません。ということで、懸垂下降で霧に煙る下界(?)に降りました。


 P2,P3のコルから北沢方面に降りると岩壁を縫って下るルートがありました。沢を渡って裏道登山道に合流。この下りも、けっこうスリルのあるルートでした。振りかえると、下山ルートの上にやぐらがそびえていました。


 後は登山道を下り、午後5時に駐車場到着。
 晴れの天気予報で、下界は晴れていたようですが、御在所はずっと霧の中。滑りやすい濡れた岩のクライミングも、厳しかったやぐらのクライミングも、とても楽しく難しく充実した山行でした。先輩諸氏にセットしていただいたルートを登った前回のクライミングと比べると、今回は、自主的に登る場面がちょっとはあり、よい経験となりました。Mさん、Nさんお疲れ様でした!&ありがとうございました!