飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

大足谷から川上岳(かおれだけ)へ~滝を求めて~ 20160731

2016-07-31 23:47:38 | 沢登り

 昨日は実家に帰っての同窓会で、昔懐かしい仲間たちと久しぶりに飲んだり歌ったりしました。

 で、飲み会明けの今日はちょっと休養日ということで、短時間で行って来れるところ、ということで、去年からの懸案になっている大足谷に行ってきました(ちょうど実家からの帰り道にあるし・・・)。

 大足谷というのは、川上岳南面にある谷で、萩原町山之口から川上岳に登る登山口が入渓点になっています。ちなみに『飛騨位山トレイル』の位山~川上岳の稜線コースは大足谷の北側を並走する感じでのびています。谷は最上流部まで遡上すると川上岳登山道の途中に出るので、時間があれば山頂まで行けたら行こうかなー、というユルイ感じでスタートしました。

 

 谷に入ってしばらくすると現れる堰堤。他の方のブログなどでは画面右にあるお助けロープを使ったり巻いたりすると書かれていましたが、岩に取り付いてみたら何とかよじ登ることができました。(お助けロープやクサリがあっても、なるべく使わずに行きたがるヘソ曲がりです・・・)

 

 続いて現れるのは、大足谷随一の滝。ここは左側からアプローチして中央突破。ちょっとしたシャワークライミングが楽しめます。水(の冷たさ)を怖がらなければホールドやスタンスはちゃんとあります。

 

 さらに進むと、大きな倒木があり、水のきれいな落ち込みがありました。この谷には、他にも大きな倒木が谷をふさいでいるところがありました。かつては大木の森が、この谷を覆っていたんでしょうか。

 

 1キロほど遡上すると、右に支流があります。天空遊歩道の1,401m三角点から流下する谷で、地図には途中に滝マークがあったので入ってみました。すると、水量は少ないものの、8m+10mほどの二段の滝がありました。登れそう!です。

 

 上段の滝は、左からアプローチして真ん中あたりで滝と交差し右上に上がりました。ここもプチシャワークライミング!楽しい!

 

 支流は、その上にもしばらく小さな滝がありましたが、水量が減ったため引き返し、本流を再び遡上しました。

 本流も、小さな滝(落ち込み)がいくつも現れ、結構楽しめます。

 この滝は3本に分かれて流下しており、雰囲気的には左が行きやすそうでしたが、やはり中央突破。ホールドが少なくちょっと緊張しました(もしなんかあっても一人なので…)が、スリルもちょっと味わいながら突破できました。今度来たら、左右も登ってみたいかも・・・。

 

 谷では時々イワナらしき影が足元からササッと深みに逃げたりしていましたが、せまい流れでは十分隠れるところがなく、岩の下に手を入れるとイワナのつかみ取りができそうなところもありました。こちらのイワナ君はこれ以上隠れるところがなく、開き直った感じで佇んでいました。

 

 途中、大きな木はたくさん見ましたが、イチイの大木も発見。古い木らしく中はウロになっていましたが、岩場に直立する姿がかっこよかったです。

 

 やがて谷の水は少なくなり&狭くなり源流が近づいた感じがしてきました。標高1,460m付近で、最後二股でどっちかな・・・と迷って左に行くと、すぐ登山道に出ました。(右に行ってももう少し先で登山道に出たのですが)

 まだ1時くらいで、時間的・体力的に余裕があったので、山頂を目指すことに。

 山頂には1時半到着。御嶽や乗鞍は雲で見えませんでしたが先週たどった位山が見えていました。途中年配の6人グループとすれ違っただけで、ほかの登山者とは会いませんでした。

 

 下山途中、遠くで雷が鳴ってきたので、ちょっと走りも入れて下山。靴は沢登り用でアクアステルスソール(凸凹があんまりない)なので、岩場は滑りにくいけど泥・土のところは慎重にいきました。

 14:35下山。隣の小足谷もいい谷かなーと思って覗いてみましたが、堰堤が連続しているようで、だいぶ上に行かないと楽しめない感じでした。

 

 今回の山行で、川上岳のことがより深くわかったような気がしました。ササの尾根道もいいけど、結構楽しめる谷がある山、川上岳。トレランの時に、滝のことも思い出しながら走ろうっと。

 


飛騨位山トレイルのコース下見。夏は雰囲気が違ってましたー。 20160724

2016-07-26 01:32:26 | 飛騨位山トレイル

 あと3か月に迫った『飛騨位山トレイル』。準備は、というと、進んでいる分野とそうでない分野があって、もうお尻に火が付き始めていると思うのですが、一人でできる事は少なく・・・。

 エントリー数が300名に届こうとしているそうですが、皆さんに楽しく安全な位山トレイルを楽しんでいただけるようにしたいものです。

 ということで、一人でできる、コース下見(夏版)に行ってきました。

 まだ草刈りはされておらず、春はすいすい行けたところも、ササが茂って、かき分けかき分け行かなきゃならないところもありました。

 

 朝8:30、モンデウススキー場をスタート。1キロごとにGPSウォッチを使って距離計測をしながら進みました。

 12:00、川上岳に到着。これは本番では関門に引っかかるタイムか?位山から川上岳に至るまでには、一人の登山者とも出会いませんでした。

 

 山頂を過ぎて、私のお気に入りのササの滑走路、けっこうササが伸びていました。

 

 川上岳から下り、宮の大イチイの近くでコース確認をしました。やはり大イチイを見ていただくために、柵の周りを半周していただくコースがいいと思います。

 

 

  大イチイの周りにも、ヒノキやサワラ、ミズナラなどの大木が文字通り林立しています。そんな大木を見ながら行くと、パワーをもらえるような気がします。

 

 

 また、大イチイからの稜線への道は、このコースの目玉というべき激坂。ここでだいぶパワーロス。へとへととなりました・・・

 稜線に出ると、時折陽射しが顔を出し、程よく気温があがってきました。暑すぎず寒すぎず、快適なランニング、いやウォーキングとなりました。夏のブナ林の木陰は、とてもいやされました。

,iyaulo-kingu

 

 4時過ぎ、スキー場頂上駅へ。遠く飛騨山脈は見渡せませんでしたが、宮の集落は見下ろせました。もうちょっとでゴール!

 

 結局ゴールまでに8時間15分かかりました。これでは本番では時間切れDNF、という記録です。もっとトレーニングを積まなきゃ。と実感。

 

 一通り歩いてみて、今後、実行委員会メンバーやボランティアでもコースを歩いてみて意見を出し合い、ササを刈ったりぬかるみに木を置いたり路肩を補強したりと、いろいろな整備をしてかなきゃと感じました。なんたって最大500人が走るんですから。

 皆さま、これから徐々に本格化する実行委員会のコース整備を、温かい目で見守って&お手伝いをお願いします!

 


夏はやっぱり沢登りですねーソウレ谷へ行ってきました 20160718

2016-07-25 00:54:22 | 沢登り

 梅雨も明け、いよいよ夏到来。山も良いのですが、山登りの一形態である沢登りも、この時期はとっても楽しめます。

 ということで、山の仲間と研修でソウレ谷に行ってきました。

 ソウレ谷といえば、その特徴は滝があることと、ナメ床(川底が滑らかな岩盤になっている)でしょうか。例えばこんな風景が・・・↓

 

 

 それと、滝。下は順に、蓑谷大滝、五郎七郎の滝です。

 

 下の岩洞滝は、滝の裏に回り込むことができます。でも、崩れ落ちた岩が積み重なっているので、長居は禁物。

 

 ここソウレ谷は、比較的やさしい沢登り初心者向けの沢(とはいえ、経験者が同行しないと危険ですが)。

 今回のメンバーは経験者が多く、みんな余裕をもって水遊びに興じていました。全くいい大人が・・・こんな楽しそうにしているんです!

 

 暑い一日だったので、みんな濡れるのをいとわず、飛び込んだりわざと水しぶきの中を進んだりと、楽しい研修となりました。

 

 (以前のソウレ谷の記事はこちら・・・「2014年の記録」


OMM LITEに参加してきましたー 20160718

2016-07-19 00:11:34 | 飛騨位山トレイル

 OMMという名前、聞いたことがない方がまだ多いと思いますが、公式サイトによれば次の通りです。

OMM(Original Mountain Marathon)は1968年から毎年連続してイギリスで開催されている、世界でもっとも古い2日間の山岳マラソンレースです。
このイベントはあえて気候条件の厳しい時期に、必要な装備を全てバックパックに背負い常に携行し、ナビゲーション力、セルフエマージェンシー力、判断力など、全てのマウンテンスキルを駆使して挑みます。参加者には山岳地を安全かつ正確に行動するための経験、体力、ナビゲーションスキル、野営技術が不可欠であり、まさに「山の総合力」が試されます。

 いかがでしょうか、グッときませんか?「山の総合力」ってところ辺りが実にグッときます。

 3年前に日本で初開催されて以来、2回連続で参加していますが、今回は入門編ということでOMM LITEというイベントが、16・17日に白馬で開催され、それに師匠とともに参加してきました。

 

 入門編ということで、宿泊とそれに伴う食糧・道具は持たなくてもよく、2日間のロゲイニング、という感じのイベントでした。全体にユルイ感じで、それはそれで楽しかったのですが、ポイントが道沿いだけ&道から外れちゃだめ(ショートカット禁止)、ということで、OMMのグッとくる点が外されてたのがちょっと(というかだいぶん)残念でした・・・。

 とはいえ、自分たちで回るポイントを選び、初めて走るフィールドを駆け回る(歩き回る、という方が正しいかも・・・)のは、大人の遊びって感じで楽しかったです。

 

 スタート直前に配られる地図に、ポイントの位置と点数が書かれており、地形やルート、距離、見つけやすさなどを地図から読み取り、どのように回るかまずチームで話し合い、そしてスタート。ポイントに行くとポストが設置してあり、そこに記録用の器具を差し込むと得点が記録されます。それをゴール時に計算し、得点が分かる仕組みです。

 

 今回はチームマタギという名前でエントリー、名前の通り野山を跋渉するのが得意ですが、今回はおとなしく地図にある道だけをたどってきました。

 1日目と2日目は同じ地図を使い(と言うことは、ポイントは同じ位置にあるということ)、配点だけが変わるということで、ほぼ同じポイントを回る作戦をとりました。

 結果は、16日:300点、17日:310点の計610点で、30位でした。OMMにつきものの雨の中、ほどほどに頑張って走ったこともあり、まあまあの結果ですかねー。

 

 ちなみに移動距離は、16日:24㎞、17日:22㎞ということで、たぶん効率の良い点の取り方とは程遠いだろう(知人が同じくらいの距離でずっと高得点をゲットしていたことからもわわかりますが・・・)と思います。もっとクレバーな回り方を考えることも必要なことなのかなと思いましたが、その辺は苦手な分野でもあり、今後の課題ですね。

 

 それはそうと、今回は一緒に行った仲間のつながりで新しい知人がたくさんでき、夕食や酒盛り、競技についての論議など、大変有意義な時間を過ごすことができました。さらに、一緒に行った仲間が2位(!。結果として繰り上げになったようです。)に入賞するなど、うれしい話題もあり、いろいろ楽しく得るものが多いイベントでした。

 

 帰りには一緒に温泉に入り、夕食を撮った後に、11月にある第3回OMMや、10月22日の飛騨位山トレイルでの再会を約束して仲間と別れました。 

 野山を走るだけで楽しかったのですが、仲間との交流もいいもんだなぁ、と気づかされた今回のイベント、なんだかんだ言っても、きっとまた来年も参加しているんだろうなぁ・・・


バイカモ、って鳥じゃないですよ!宮川最上流部の湧水に育つ水草を増やす活動

2016-07-07 23:06:32 | 自然

 皆さま、「バイカモ」って知ってますか?

 「あー、親ガモについて雛が行列になって、時々ニュースになるやつね」という方をけっこう見かけますが、それはカルガモなどカモの仲間と誤解しているようです・・・

 バイカモとは、湧水などの安定した清水の中に生育する水草で、6月~9月に流水から白い梅に似た花(それが梅花藻の名の由来)を咲かせます。

 

 高山市を流れる宮川の支流の一つ、常泉寺川は、飛騨一之宮水無神社前に至って多くの湧水が流入し、そのあたりから宮川に合流するまでの500mほどの区間にバイカモが生育しています。

 かつては川面を埋め尽くすほど繁茂していたこともあったようですが、河川整備や増水被害などで往時ほどの見事さはなくなっているようです。地元では昔から金魚草として親しまれ、また一方では河川清掃の際には邪魔者として刈り取られる面もあったようです。

 それでも、今では市の天然記念物指定もあり、地元で守る会が立ち上がり、行政や地元小学生を巻き込んで保護増殖が図られています。

 先日、かつてはバイカモが繁茂していたところの雑草を除去し、再びバイカモを移植する活動があり参加しました。

 

 大の大人が川遊び、じゃない、まじめに除草作業をして、のちに子供たちがバイカモを移植するスペースを作りました。

 作業前はかなりあった雑草がこちら。

 

 そして作業後の様子がコチラ。作業をしていると、護岸の隙間から湧水があふれているところが何か所もありました。そのあたりに手を浸すと、川の他のところより水温が低いのが明らかにわかりました。

 

 雑草の多くは、参加していたコンサルさんのお話ではオオスズメノカタビラという帰化植物らしく、すごい繁殖力で流水中でも繁茂してゆらゆらゆれていました。その他、ツルヨシやクレソンなども。

 

 これを引き抜いて流し、下流でためておいて運び出しました。

 

 かなりの量が運び出されましたが、守る会の方に聞くと、例年とってもとってもまた雑草がはびこるとのこと。

 水中を覗いてみると、引き抜いたはずの雑草の根はしっかり残っていて、ここからすぐ再生するのは容易に想像がつきました。

 

 バイカモもそうですが、水生植物は一部でも残っていると不定根が伸びて再生してしまうようです。根気よく、確実に除去しないと、昔のようなバイカモ群落が復活するのはまだだいぶ先のことのようです。

 

 

 それともう一つ、むかしとは環境条件(湧水量、河床や護岸の状況、河道など)が変わってしまっていて、移植するだけでは昔のような見事な群落は復活しない可能性もあります。

 今のような活動を継続しながらも、文献調査や資料などで昔の状況を調査し、どうすれば昔のようなバイカモ群落が復活するか検討するときに来ているのかもしれません。

 

なお、この流域には一見雑草に見える希少植物「カワジシャ」も生育しているとのことで、テープでマーキングされていました。(でも、勢い余って引き抜かれているカワジシャも目撃しました…)

 

 ちなみに、この作業の翌週に地元小学生がバイカモ移植を行い、それを含めた一連の活動を紹介したNHKの地方局の番組が7日夕方放送されました。そこで思いがけずちょっとだけでしたが私も写っていました・・・そのあと親から「知り合いからテレビに出てたよって言われたよ。私は見えなかったけど・・・」と電話が。さすがNHK。田舎ではよく見られていますねー。

 私が草取りしたところ、また近いうちに行って、残務処理でもしてこようかな・・・