長与千種

　プロレスラーの長与千種さんが、喧嘩の仲裁に入って怪我をした。

　職業柄、「プロレスラーは体が凶器なので、仕事柄、一切、手を出さなかった」という。

　なんと立派な心がけなのだろう。

　私も、夜の天満屋の路上で、ギターを鳴らしている若者がいても手を出さないことにしている。

　そんな彼でも、30分に一人くらい立ち止まって聞いている人がいるのだ。

　私が彼に代わってギターを弾いてやることは簡単だ。

　しかしそんなことをすると、頑張っている彼のファンも奪うことになってしまう。

　黙々と少ないファンに対してギターを弾いている彼。

　そんな私の優しい心、わかってくれるだろうか。