桒田三秀税理士

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星野君の二塁打

2018-11-05 08:15:42 | 日記
 「星野君の二塁打」という話がある。内容はこう。

 星野君は同点で迎えた最終回、監督から、先頭打者を「バントで二塁に送れ」と命じられた。納得はできなかったが、監督の命令にそむくことはできない。バントのつもりでバッターボックスに入ったが、姿勢を少し変え、二塁打を打った。この一撃が勝利を決定的にし、チームは選手権大会への出場を決めた。
 翌日、監督が選手たちを呼んで話した。
 「僕が監督になったとき、相談してチームの規則を決めた。いったん決めた以上は、厳重に守ってもらう、チームの作戦として決めたことは、服従してもらわなくてはならないという話もした。だが昨日、僕は面白くない経験をした。僕は、昨日の星野君の二塁打が気に入らないのだ。チームの統制を乱したことになる」
 チームメートが助け舟を出したが駄目だった。「いくら結果が良かったからといって、ルールを破ったという事実に変わりはない。チームの統制を乱した者をそのままにしておくわけにはいかない。僕は今度の大会で星野君の出場を禁止したいと思う」
 星野君はじっと涙をこらえていた。

 今年度から教科化された小学校の道徳の教科書に、この話が2社に採用されている。

 教師用指導書には、「集団生活における規律やそれを守ろうとする姿勢の大切さ、

 本当の自由の意味」を考えさせるとある。

 集団生活や、集団行動で、一人だけルールを守らなかったとして、

 そのルールを破ったことで得られた結果が良かったとしても、その行為は許されないということだ。

 これは難しい問題だが、星野君にルールを破って悪い結果を招いた時の覚悟があったのなら、
 結果オーライと、指示を破ったことの相殺で、おとがめなしという判断があってもいいのでは思ってしまう。