
スティードといえば、90年代のアメリカンブームを支えたベストセラーだったんですね。
当時は新車の販売はほとんど声がかかりませんでしたが修理は沢山させていただきました。
アメリカンカスタムも流行っていて、もう原型は留めておらず
パッと見ただけでは元モデルが何だったのかも瞬時には判断できないほどの大改造もあたりまえで
自分にできそうなことはあまり無さそうな機体のご来店には
ちょっと気が重い対応になることも多く
修理やメンテナンスの問い合わせには先ず「どの程度カスタムしていらっしゃいますか?」と
あらかじめお尋ねしていましたね。
そんなスティードですが
コチラはほぼノーマルでコンディションも良好な奇跡的な状態

普通に走るには何の問題も無いようですが、さすがにこの年式ですからキャブレターは分解と清掃

リヤのローダウンやフロントフォークの延長でチョッパースタイルになっていなければ
正常な足回りとタイヤでなら特に違和感無くバイクとしてのハンドリングを楽しめたのに
アメリカンカスタムを楽しんでいらっしゃった皆さんは、そこはあまり気にされていなかったようです (^_^;)

52度のVツイン
ブロスをはじめアフリカツインやトランザルプやVRX400、その他にも海外モデルなどにも
そのエンジンのベースは多く採用されていました。
振動低減のために位相クランクでしかもバランサーを持たないエンジンを敢えて同相として不等間隔爆発として
振動や鼓動感を強めていたことも…
あまり理解されていなかったに違いありません。

こうして20年以上前のスティードにあらためて乗ると
バイクは変わらなくても乗り手の感覚は変わっているものだと、えらく感心しました。(楽しくて)
初めてのバイクはコンディションが肝心
久しぶりのお若い新オーナー様、良いスタートがきれると思います。