網走市内のホテル。
前回は出発前の早朝に1時間以上かけて990アドベンチャーの手当てをしたこと、
今ではもうすっかり良い思い出と語り草に昇格しました。
同じホテルを利用していらっしゃるバイクもレンタルバイク率がけっこう高くて、
パニアケースにUSB電源にスマホホルダーと一通り備わっていて…
レンタルもかなり便利で普通になってきましたね。
今日は北海道の最終日。
天気予報も広い範囲で晴れマークのようで、走るには申し分のないコンディション
いやそうでなくては困ります。
夜には新日本海フェリー乗船のため「小樽」に居ないといけないので、かなりの距離を走ることになりますし
残された時間をめいっぱい使いバイクのチカラも引き出しながら晴れた北海道の景色を楽しみたいですからね。
前回は網走スタートで時計回りで夜の苫小牧。
で、今回は反時計回りで夜の小樽を目指すのだけど、前回見ることのできなかった「美幌峠」に向かい
一旦反対方向に足を延ばします。
あの時は眼下に「屈斜路湖」遠くに「知床連峰」まで見えるはずの絶景も濃い霧に覆われて一切何も見えなかったのだけど、
そこに行く前に、美幌峠の倍近い高さの「津別峠」からこの見えなかった場所も沈んだ全てを見下ろす雲海の大海原を見ていたせいか、
それほど気落ちすることも無く次のポイントへと切り替えたものでした。
それでも今回は叶うことならば日本最大の湖中島が浮かぶ屈斜路湖と周辺の大パノラマの絶景を
ネット画像ではなく実際にこの目で見たかった。
と思うくらい前回のツーリングを終えてから後になって、実はそれ残念な事だったのを知りました。
あーこれでは一瞬でも霧が薄くなって周辺の雰囲気だけでも感じることができればなんてことは全く期待できない状況。
このまま引き返して道北エリアに向かうのかと思いきや、屈斜路湖を反時計回りにぐるりと一周回り込んで
ココとはまた違った方向から屈斜路湖を眺望できる展望台をRTが目指します。
が、しかし大きな屈斜路湖を一周し52Kmほど飛ばしましたけど、
時間と場所を変えても霧が晴れることはありませんでした。。。残念。
結局、美幌峠の絶景を観たいがために費やした時間は2時間くらい
今日はこれから「宗谷岬」を目指そうとRTは考えているらしく、
当人ほどに方向感覚と距離感覚に長けていない僕は、それ本当に大丈夫なのかと確かめるけど、
このあとの晴天が約束されているのに道北のあのとてつもない直線道路を走らない手は無いし、
フェリーの乗船時間にさえ間に合えばいいわけだから、全然大丈夫と…余裕デス (^_^;)
あとはトラブルとアクシデントに見舞われないよう集中力を絶やさぬよう冷静かつアグレッシブに走るのが絶対の条件。
ようやく道東の湖エリアを離れ北見からサロマ湖横を通過して紋別からオホーツクへと北上して行くと
本日本来あるべき青空。
この後どこかでランチを…と決めているわけではなく、まだこの時点では時間に余裕をもてるのかわかりませんから
安全策で食事は手っ取り早くセイコーマート。
近くの公園「オホーツク流氷公園」
絶景を求めて早朝から霧の中を走り続けた緊張感がココでようやく溶けることになります。
夏はラベンダーが咲き誇り、冬にはこの向こうに流氷が押し寄せる
なんとも極端な売り巾の公園 (^_^;)
気温も上がり、どんどん青空が広がってくるオホーツク沿いのクルマを適度に追い越しながら海岸を眺めていると
不思議なくらいいたるところに釣り竿が立っています。
海岸に車を乗り入れてテントまで立てて腰を据えての、なんだかレジャー感プラスな魚釣りの様子。
これはもしかしてと、釣り人で賑わう公園の駐車場で休憩しつつちょっと調べてみましたら、
やっぱりそう言うこと、カラフトマスを狙っているのは知床のヒグマだけではなかったのですね。
8~9月頃、北海道のオホーツク海、太平洋沿岸の堤防や海岸などにカラフトマスの群れが大挙して押し寄せ、
この時期を待ちわびた多くの釣りファンで賑わっていたのです。
僕らには釣りの知識と趣味は無いので、恥ずかしながらこの北海道夏のイベントを知らなかっただけ。
サケ・マス類が釣り禁止になっているエリアと遡上のため河川に入ってしまうと釣ってはいけないと言う決まりがあるそうですけど
シーズン中はルアーで入れ食い状態でこの大物を釣り上げることができるとあっては、
地元民だけではなく、全国から釣り人、いやそうじゃなくても大勢やってくるでしょう。
公園から見下ろせる海岸で、見てるあいだに釣れる釣れる (^_^;)
釣果を見せてほしいと言うリクエストにも笑顔で応えてくれそうな人ばかりで賑わう週末のオホーツク海。
そして北海道の北の先端間近の「エサヌカ線」
牧草地を貫き地平線に向かって延びる直線道路。
前回もそこそこ天気は良かったけれど、今回はその素晴らしい経験をすべて上書きできたのだから
最終日に守りではなく攻めに出たライディングプランにはもう素直に従うしかありません。
北海道では、飽きるほど直線道路が続く経験を何度もしていますが、
真っ直ぐに伸びるアスファルトと高低差の無い草原がどこまでも広がるこのエサヌカ線はとびきりのストレート感。
もう40年もバイクに乗っていて、操作に集中没頭している楽しみを絶やさずにいられることは少し自賛していますけど
バイクの理屈なんてのは抜きにして、走りながら笑いがこみあげてくるような愉快な経験をこうして引き寄せたこと、
我ながらよく出来たものだと喜びが爆発しました、いい歳して(笑)
このあと道路に寝転がったり「前回はジャンプ」して撮影したりなんかして…
時間は止まってはくれないのだから、せめて思い付くことは何でもやてしまうのでありました (笑)
エサヌカ線を走りきると宗谷岬まではもう間近。
このまま宗谷国道で海沿いに宗谷岬に上り詰めるのではなく、あの「宗谷丘陵」を豪快に突き進みたいので一旦内陸部へ。
さすがに広い北海道、国道ではなく「道道」の数は4ケタに及ぶのですね。
ココは九重阿蘇を知る我々にとっても素晴らしく爽快で広大なワインディングロード。
なだらかな斜面の小高い丘には、強い風を利用した日本最大級の風力発電「ウインドファーム」があり、
背の低い植物だけの独特の風景が広がり立体的かつ遠くまで見渡せるめずらしい眺め。
そして丘を降ってくるとオホーツク海
宗谷岬はもう目の前。
2年連続2度目の宗谷岬は前回よりも穏やかでとても気持ちいいのだけど、あまりはしゃいでいない…
もうこの先は無いわけで、このツーリングの最終日もこの場をもって本当の帰路につくのだと言うことを
日本最北端を示す先の尖った石碑によって認めさせられました。
そろそろお昼、ウインドファームに折り返し
「白い道」にも勿論行きます。
青と緑と白のコントラストがココが日本最北端の地であることを忘れさせます。
本当にもう帰るのか (^_^;)
走り去るのが惜しまれる、他に交通量のほぼ無い丘陵地帯を少しスピード低めで走りながら
このあとのルートをどうするのか。
このまま内陸でワインディングを繋ぐのもいいけど、ここまで天気がいいのだから
敢えて日本海側に出て海沿いを下るのがいいでしょうと
小樽への到着時間と「オロロンライン」を走ることもあわせてRTが決めました。
早くも西に移動し始めている太陽の方向へ進路を変え日本海。
利尻島を右に眺めながら、これまた果てしない直線道路。
ストレートに28基風車が並ぶ「オトンルイ風力発電所」
2023年には建て替え工事が始まり、5~9基に減ってしまうそうなので
これが見納めになるかもしれませんね (^_^;) わからないけど。。。
海沿いルートを選んだのは正解だったようです
段々と日暮れに近づいていく美しい日本海のグラデーションをかなりのハイペースで楽しむことができましたからね。
水平線に夕陽が沈む、まさに「日没」の18時
わき見運転もココまで (笑)
日没後間もなくの「留萌」るもい
ココから道央自動車道に向かうために海沿いを離れるところで
すでに小樽への到着時間も見えてきているので、北海道最後の食事を楽しもうと言うことになり
営業時間制限に間に合ったスープカレー。
このカレーは実に美味しかった。
最後の客として食事を終えて、もうあたり真っ暗なお店の外に出た途端
雨が降り出したことにもさほど動じることも無くて済むくらいのスパイス効果!
留萌から小樽近くまでの180Kmほどの高速道路。
雨は道央自動車道上で上がり、
北海道の外周の北半分を走破して、無事予定通りに新日本海フェリー「小樽ターミナル」に到着。
乗船手続きを済ませ、最後にセイコーマートへ買い出しに行く余裕も残していますが、
この待機状態でで雨に打たれないないことは本当にありがたいですね~。
さて、このフェリーで21時間かけて気持ちを切り替える準備。
船内は閑散としていて
僕たちもベットでひたすら眠るのみでありまして、ハッと目を覚ますたびに
時刻や居場所を確かめて我にかえってはため息の繰り返し (-_-)
昼間にバイクに乗っていないことが不自然に感じるほどバイクとカラダが一体になっていることを
昼間から風呂に浸かることでリセットできるんじゃないかと思っているのです。
普段カップ麺は食べないけど、北海道工場製造とあれば。
アルコール分解時間を計算し、サッポロクラシックも飲み納め。
僕たちが東北北海道にいるあいだ、西日本はずっと雨だったようですが、この夕焼けは長雨の終わりを告げるものでした。
今夜舞鶴から下関まで夜中に走り続ける間、雨の心配は無さそう。
最後の長距離走行の前に船内レストランで食事。
舞鶴港に到着。
他のライダーさんが下船を始めたころに我々も遅い下船の準備を…
バイクのもとに行くと作業の方がいらっしゃって…3度目の乗船でお会いできました。
大学で下関にいらっしゃるときにバイクのメンテナンスをさせていただいていた学生さん。
卒業後に一度休暇を利用して下関にお越しの際、うちのお店にも顔を出してくれていて
この会社にいらっしゃることは知っていましたが、こうして頼もしい姿を拝見できて
以来ずっとバイクに乗り続けていると言うことを知らされると嬉しいものです。
これから下関まで、この一週間で最もキツイ600km
ラジコでお気に入りの同じ番組を聞きながら、お互いに(いや僕が)居眠りしないよう
同じところで笑いながら走りとおしました。
RTとは広島で解散、僕はそれからさらに走り続けて
なんだか違って見えた地元の景色に取り込まれ日常に戻って行くのです。
船中泊を除くと本州で3泊と北海道4泊。
R1200RTとDL1000の走行能力を満喫した全走行距離は4700Kmほど。
各地いいところで天候に恵まれたし、さほどのトラブルもありませんでした。
心配していた野生動物(とくに鹿)との至近距離での遭遇も無かったので、
2台ともに取り付けていた「鹿笛」の効果があったのか…いやそう思いたい (^_^;)
休み(仕事をしていない)をとるためには相当に覚悟と努力をしたのだけれど
年齢的に気力と体力は努力だけでは生み出せそうもなかったので、周りからは呆れられながらも取り急ぎ2年連続で北海道に行ってまいりました。
そもそもこのロングツーリングの始まりは、それまでたまに出かけていた1泊2日ツーリングを2泊3日にしてみたいと言うところから始まりました。
そこから徐々に発展して去年の北海道12連泊にたってしまったわけですけど、
やっぱり転機になったのは2泊してみると言うことではないかと思います。
もう一つはフェリーで一晩過ごすこと。
そんな身近なところからやってみることをお勧めします。。。