
当ブログでは何度も正直に書いていますけど、二十歳そこそこで乗らせてもらった
お客さんのR100RSの良さが未熟さ故に恥ずかしながらわからなかったのですけど、
その後まもなく、R65(当時の前職のお店に新車で在庫していた!)とR65LSにそれぞれ関わらせていただき、
当然試運転の機会もありまして、そのエンジンの軽快な回り方と当時の僕でも思い通りに旋回できることにすごく感銘を受けて、
ブランドやイメージそしてバイク誌のインプレに関係なく楽しいバイクだと評価できました。
その後残念なことに650ccのボクサーツインに触れる機会は無く、
いつかまた走らせてみたいと願うだけ。。。でした。

ところが昨年にご縁がありまして、丁寧に作業依頼をいただいておきながらもこれまた随分とお待たせしたにもかかわらず
作業のために遠路はるばるその車両を気持良く持ち込んでいただけました。

キャブレターのメンテナンスやバルブクリアランスの調整などはいつも通りにキッチリとやらせていただいたのですが、
事前の試運転で感じていたフロントフォークの動作不良の原因をつきとめるのに随分と時間を要してしまいました。

パーツリストのイラスト通り組み込まれているように見えた各パーツ。
経年劣化で崩壊消失してしまったパーツの正体を確かめることなく
代用品を仕込まれていたようで。。。
これまでの履歴をお聞きすると、これは成り行き上のことで誰がどうのこうのと言うことではありませんし
他での作業を批判する立場でもありませんからオーナ様には誤解無きよう説明させていただいております。

ただそれにしても専門ではない僕にとってこれを理解する道のりは永かった (^_^;)

永くバイク屋をやってきたおかげとでも言いましょうか、
約40年の時を経て同じバイクを走らせるチャンスが巡ってくることが無くもない。。。なんて。

普通は標準セッティングでOKのはずですが、中速域のパワーフィーリングがいまひとつ…
ほんの少しセッティングを変更し、当時の快走を再確認できました。
当方への作業依頼で良かったのかどうかわかりませんが、僕の望み通りに走るのは確かです。

当時のR100とR80は排気量は違えど70.6mmで同じストロークですが
こちらR65は61.5mmとショートストローク。
このエンジンフィーリングの違いについて排気量の差を持ち出すことに意味はありません。
スズキカタナを思わせる「ハンスムート」によるデザインと粋なカラーリングが目立ちますけど
本領はその痛快なエンジンフィーリングとリニアな旋回力とでも言いましょうか、
やっぱりR65は走りがじつに粋でしたね。
良い機会を与えてくださった先輩ライダー様に感謝です。
それにしても650ccとその前後、 良いバイクが多いですね。