北海道3日目一泊二食付きホテルの朝。
朝食をこちらで食べるのだからそれほど早起きの必要はなかったのだけれど
それならばその前に少し走っておこうということで早朝5時過ぎにスタート。
なにしろこの世界遺産知床半島は人の手が及ばない場所だけに北へ向かうルートの選択肢はひとつ、
その東岸の「1本道」を進みそして同じ道を戻ってくるしかないのですから
この一往復は無駄のない有意義な時間になるといっていいでしょう。
ここを走っているとしたら地元の漁師さんくらいしかいないと思われ
ご無礼の無いように場所を選びながらたまに現れる先行車を追い越しての快走。
知床と言えばヒグマの生息密度の高さはもちろんですが鹿だって沢山いますから海沿いとは言ってもそこは要注意です。
なんて思っていたらほどなく鹿の群れ。。。
おっとコチラにも。。。
奈良公園や安芸の宮島のそれらほどではないようですが、
この一本道で遭遇した鹿はクルマやバイクにそこそこ慣れているようで救われました。
でも我々の地元の路上では正気を失いどんな動きをするかわからない姿しか見ることはないので
こうして目の前に現れると毎回肝を冷やします (^_^;)
ホテルから「日本最北東突端地」までは24Kmほど、
終盤に突然目に入ってくる「セセキの滝」
前回2021年のツーリングでは知床東岸を観光クルーズ船で
オホーツクの海からしか見ることができない滝の数々を案内してもらいましたが
それらに加えてこれが知床で我々が見ることのできる最後の滝となるはず。
この滝の向こうは「知床岳」
北の果ての漁師町をひたすら上ってきましたが
この姿を見てここが知床であることをあらためて思い知ることになります。
そして遂に突端の地。
この橋のむこうで道は終わりバイクやクルマでその先へ進むことはもう出来ません。
ここに至る最後まで漁師さん達の営みが見て取られ、
同じ国民でありながらここに生活する自分なんてものは想像できないのでありました。
最北端の漁港からしばらく朝陽を眺めたあとホテルに戻り話題の朝食。
こんなの見たこと無いおかわり自由の味噌汁。
これらを知っていてこちらに泊まていたのは我々以外にもう一組(ご夫婦らしき)いらっしゃいましたが
あとは数名それぞれお一人でなんだか職場の制服的なお姿。
普通にビジネスで利用するだけだったのにこんな朝食が出てきたりなんかすると
それはもうビックリするんだろうな~と
彼らの表情を窺がい見ながら当ツーリングで唯一の朝食を楽しみました。
大満足の食事を終え本当の3日目スタート。
直後に始まる「知床スカイライン」で羅臼町から斜里町へ豪快なワインディングで峠越え。
排気量は大きければよいとばかりは言えないけれど、
このような場面でその高い走行力を感じながら早変わりの景色を眺めるのはじつに良い。
タイヤにパワーをかけながら次々とコーナーをクリアしていくと国後島が眼下になっていき、
そうこうしていると羅臼岳山頂が目の前に現れると言う
当ツーリングで実現した最高の瞬間のひとつ。
たしか初めてココに来たときは霧で視界が悪く何も見えない中、
疲れて仮眠を取ったという、何をしにやって来たのかわからない状態。
2度目は知床クルーズ船で斜里町側の低いところからは見えていたのに
バイクに乗り換えて昇ってくると東の羅臼側から霧がかかっていてあと少しのところで
やっぱり見えなかったという心残りだったので
こうして国後から羅臼岳まで何も遮るものの無い好条件でここに居られたのは良い経験になりました。
絶好コンディションの知床半島の最高峰を心深くに止めて後半の下り。
平日の朝だからなのかこちらも交通量皆無で大きな排気量のパワーとバックトルクを活かして冷静な操作で
朝一からの高揚感を鎮めるかのように下る下る。
斜里町から小清水町を結ぶ「天に続く道」
さすがに3度目ともなるとRTはバイクを降りることもせず
このあとの快走ワインディングルートの選択に集中 (^_^;)
少し前に素通りした「ファイト一発~つ」のコマーシャルで知られる(旧いけど)
「オシンコシンの滝」とかこの直線道路など
我々だけならともかくいつの日かゲストがいらっしゃるとしたら
絶対に外してはいけない観光スポット。
とにかくココ北海道は見どころが多いので
限られた時間で全体を巡るためその移動ペースをどう考えるのか。。。難しい。人それぞれですからね。
そしてこれまでお天気により残念な思いをしてきた場所のやり直しは続きます。
もうどこを走っても超絶快適なワインディングの連続。
北海道は真っすぐどこまでもが印象的ですが観光スポットだけにとらわれることなくルートを選べば(しないか笑)
退屈することなく距離を走ることができますね~お好みでしたら。
そうしてやって来た標高約1000メートルの藻琴山中腹に位置するレストハウス「ハイランド小清水725」
レストハウスの敷地からは広大な小清水高原はもちろんだけどオホーツク海、知床連山、屈斜路湖に硫黄山などが一望できまして
これまで霧で一度たりとも見たことの無かった「屈斜路湖」も見えています。
ほんの少し前まで居た知床連山から一気にここまで昇って来る気にさせるのだから
選んだルートはもちろんだけど大排気量のパワーとタイヤの能力は素晴らしいと言うことに尽きます。
今日一日の晴天は保証されていて先を急ぐ必要はありません。
広大な農場と白樺並木などを当たり前のように楽しんで次なるポイントへ (^_^;)
そして当ツーリングで今度こそと願っていた「美幌峠」に到達。
3度目? いやいや1度のツーリングで2度来てどちらもダメだったこともあったから
僕の記憶ではこれが4度目。
美幌峠から見下ろす屈斜路湖の湖上に中島の浮んでいる姿は絶景。
画像で見ることは簡単だけど、こうして自分で走ってきて高いところまで昇ってきて
条件が整う幸運にも恵まれて自分の目で直接見ることに価値がありました。
今回は霧でびしょ濡れではないので当然機嫌もよく
道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」にも入ってみました。
仕方なく当然に朝ごはんを過剰に食べているのでお腹は空いておらず
道の駅のホットスナックとソフトクリームなどで軽い食事。
この場に居られることを噛み締めたかったし
何かせずにはいられないくらいだったので。。。
お天気ひとつでこうも違うのか…
その差が激しい場所だからこそ心に残るのでしょう。
美幌峠を南に下り屈斜路湖沿いに走ったあと
道東エリアを南東方向へ根室に向けて内陸を力走。
今回は根室に滞在する予定はなく「北太平洋シーサイドライン」をほぼ全線走るのが目的。
300㎞以上にもおよぶルートは海岸沿いを走る変化に富んだ道で
湿原を見晴らす展望台や点在する岬に立ち寄りながら走れば一日はかかりそう。
交通量は非常に少なく路面状態も良好なうえに断崖上を行く道は起伏に富んでいて目にする風景も多彩だから
どこにも寄らずとも走っているだけで心地良い。
この西に傾き始めた強烈な日差しを除けば (^_^;)
途中、休憩も兼ねての「霧多布岬」
近年野生のラッコが住み着いているとのことでしたが、
駐車場にバイクを停めて岬の先端まで歩いていくつもりはないので
ちょっとだけ岬の岸壁だけでも見てみようかくらいの気持ちで何歩か歩いて見ましたら。。。
すでになにやら浮かんでいましたね。え~ホント?
コンパクトデジカメのズーム最大でこの程度ですから随分と遠いけど、
野生のラッコを肉眼で見られるのは現在日本でここだけらしいので
我々同様に周りの人達も大喜び。
日没の早い北海道。
さらに傾く西日に向かって本日の宿泊地「釧路」へ。
これまで釧路では湿原とタンチョウばかりを見て通過するだけだったのでこうして市街地に入るのは初めて。
意外と都会だったことに少し驚く。
ホテルチェックインから荷物を開き、まず入浴そして外の居酒屋まで流れるようなルーティーンは
我々の得意とするところ。
ぼやぼやしてると置いて行かれる(バイクより)くらい忙しいのデス (笑)
釧路川の河口近く、カモメの無く声が聞こえる繁華街は歩いてすぐのところ。
炉端焼きの発祥については諸説ありますが、
ここはその一角である釧路ですから
炉端焼きの人気店を予約してくれておりました。
炉端に永くいらっしゃるに違いないお姉さまが手際よく
あまり見たことの無いサイズなどの海鮮を焼き上げてくれます。
巨大なサイズのつぶ貝の刺身はじつにコリコリ。
貝殻と貝柱のサイズのつじつまが合わない姿で提供されたホタテは
素材も焼きも最上級であることは間違いない美味さ。
温かいアサリの素麺で一旦軽く〆て
2軒目へ。
看板イコールお品書きと言ってもいいんじゃないでしょうか。
つぶ貝を甘辛く焼いた「つぶ焼き」とラーメンだけのお店。
この繁華街ではエスカルゴ級にその地に馴染んでいるご当地ものなのではないかと思わせる
専用くり抜きの台に収まる熱々のつぶ貝。
味がありますね~ いやよく滲みこんでるてると思います。この台。
高知に会津に富山にそして夜鳴きソバ(ビジホの全国ドーミーイン)などなど
ツーリング先であると食べたい醤油ラーメンで2度目の〆です。
明日は北海道の真ん中に向かいます。
初日頃の予報では明日木曜日は雨予報だったのですが
日に日に予報が変わっていき明日も晴れそうです。