クロキライディング

いつだってバイク

最後にエンジン始動

2020年12月29日 18時57分36秒 | 日々のこと


最終日はできれば大掃除をしようと思いはするのですが、結局いつも作業で終わってしまうのがお決まりでありまして、

それでも何とかコンプレッサーの手入れだけはと、タンクの水抜き。

この後、コンプレッサーオイルの交換をやったところで、

なんだか節目を感じて、お預かり車の作業は終了とさせていただきました。



続いてやるべきことはと言うと、店内の車両全車のエンジン始動です。

放置によって燃料系にトラブルが発生すると復旧には多大なエネルギーと費用が掛かりますから、

それも仕事の一つとしている僕自身がやらかしてしまっては腹が立って自分を許せません…無いことも無いけど (^_^;)



各車のバッテリーと燃料のコンディションと前回の始動歴を思い出しながら

窓を開け放って次々に始動させ状態を観察。



こんなに狭い店なのに、場所をとって維持しているトライカーナ貸出車両。

1年間で使うのは僅か数回、古くてボコボコだけど、道具として正しい状態にしておくには手元に置いて面倒を見続けていないといけません。

ライディングについて考えるのに「バイクの性能によります…」といった理屈は無く、好調であればいいハズ。

でも残念ながら今年は一度も出番がありませんでした。

好調を確認したら、またキャブレターのガソリンを抜いて保管。



一通りの始動とできるものは軽く走らせて一日が終わりました。

来年のお正月もお天気が穏やかであればいいですね。

バイクにしばらく乗っていらっしゃらないようでしたら、密にならない程度に近場を走るのもいいんじゃないでしょうか。

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向上

2020年12月29日 04時05分20秒 | メンテナンス


当店在庫として店内に佇むDL1000(Vストローム)

ウオーターポンプシール部からの水漏れをお知らせするパイプからほんの少しの水漏れを発見。

メカニカルシールの特性上、一時的に極々微量の排出はあってもいいのだけど、経験的にこれは疑わしかったので

その後もエンジンを始動してみたり走らせてみたり、暫くの間注視してみるとやっぱりNG



そう言えば、サーモスタットケース付近からもなんだかクーラントの結晶が見え始めているので

これらの不調を一気に解消させることに。



せっかく、手を掛けるのだから

先を見越して部品交換。



海外モデルならともかく、国内モデルでウオーターポンプメカニカルシールを交換するのは久しぶり。



耐久性は高いけど組付けはストレスを掛けないよう慎重に丁寧に進めないといけないところ。



北海道でとても良い仕事をしてくれたからと言うわけではないけれど、なんだかよいコンディションにしておきたくて

年の瀬近い仕事納め前日の、ど深夜に及ぶ作業。

このDL1000はもう随分と手が入りましたね (^_^;)





明日は今年最後の営業となります。

そして年始の作業開始は1月6日からでございます。







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走り納め

2020年12月26日 20時49分18秒 | お客様


この年末年始は強烈な寒波到来の予報ですし、年の瀬はいろいろと行事もあってバイクに乗る時間も無いのが普通ですから

走り納めるには今日か明日の午前中いっぱいでと言うことになりそうですね。

午前中で仕事を納め、午後から出掛けて300Km程度のソロツーリングだったらしいのですが、

鹿野から柿木村へ県境のワインディング。

えっ、そこ走ったの?

こんなところをこの時期に走る人もそうは居ないと思われますが、先週の寒波で降った雪がまだ路肩に残っていたようですね。



R1200STのメーターでは5℃以下、路肩に除雪車が置かれているくらいですから

そのようなエリア (^_^;)



帰り道の夕方のご来店でそのままオイル交換。

当店在庫のオイルをあれこれ試してもらっていますが、トランスミッションは別室なので評価のひとつとなるシフトフィーリングに影響しないだけに

オイルの違いを感じ取るのは高感度でいなくてはいけませんねライダーが。



すごく気に入っていらっしゃるミシュランパワーGPは耐久性においても優秀です。

普段、どんな使い方をされているかよく知っているのだからそれは間違いないでしょう。



このエリアと距離を、電熱ウエアもオーバーパンツもグリップヒーターも(あまり)使わず

自らの体温だけで大して苦にせず走っているのだから、ほぼ全身クシタニのウエアと

RTシリーズなら当然としても、R1200STのコンパクトなウインドプロテクションと言うか空力特性と言うのは優れているんだなと感心しました。



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前後17インチ

2020年12月25日 02時25分28秒 | メンテナンス


ついこの前と思っていましたが、ここにやって来たのが今年の1月ではや1年…

直後に洗車と磨きと試運転をしただけでわかったこと以外はあまり手を付けられず、

故になかなか販売車両とすることもできず、日常作業に追われて店内に置きっぱなしだったR1200RT。



図らずも? 新オーナーが決まって急遽作業開始です。



空冷R1200も最終型のDOHCヘッドのモデルともなると、僕もトラブルを耳にすることは少ないので

この車両もそうあってほしいと願いながら、見るべきところは見ていきます。



エンジンのパワーとフィーリングはツインらしさと言う点では評価もいろいろでしょうけど、

僕なんかにはもうパワーとハンドリング共に、車体の大きさを全くと言っていいほど気にせずに済むほどの実力車。





スマホホルダーにUSB電源ソケットも前車同様に装着しましたが

これからは高い広いウインドプロテクションも備わることになります。



タイヤはまずはパイロットロード5から。

これほどのロングツアラーモデルですからツーリングタイヤに限って走り続けるのが正常なんでしょうけど、

楽しむのはオーナーですからハイグリップスポーツラジアルを履いたっていいと思いますよ。

ツーリングモデルであれスーパースポーツであれ、同じバイクでいろいろと試すのがオツかも知れませんね ともかく(笑)

前後17インチのバイクを所有するのは初めて…

オーナーはこれでやっと人並みにタイヤを選べるわけですからね。



なにはともあれ大きいのが出ていきますから作業スペース拡大を目指します。


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R1100RT

2020年12月23日 20時55分53秒 | メンテナンス


久しぶりに加入したR1100シリーズ。

FUELタンク内の様子もどうなっているのかわからないので、中身を取り出して清掃と部品交換です。



金属部品に錆が出ていなければ、あとはフィルターと内外のゴムホースをすべて交換しておけば安心ですね。

ホース類はけっこう高価ですが、専用に成形されたカタチのホースはパーツがあるうちにやっておいた方が良いでしょう。



そして何と言ってもうれしいのは、プラスチック製タンクですから

外側だけでなく内部も完全に洗浄できること。

FUELポンプ取り付け部分の開口部から手を突っ込んでかなりの範囲をじかに擦れるので仕上がりは気持ちよく完璧。



ホールセンサーは以前、僕が試運転中に突然死してしまい、

エンジンストールの様子から原因に察しはついたので、あれこれやらずお店までの数百メートルを手押しで帰ってきたことがあり

その時に交換していますから、今回はACGベルトのほうを交換。



清掃のために、外装に加え巨大なFUELタンクを取り外すなんてこともそうそうありませんから

これを機にしっかりとクリーニングと劣化したハーネスカバーを根気よくテープで巻き直し。





エキゾーストパイプの熱でダメージを受けたアンダーカウリングと使用により傷付いたボディーパーツのペイントも

外注先からあがってきたので、これを組み付ければ美しく優雅な曲線美も一段と眺め良くなります。



これからも年式相応のメンテナンスは必要になりますが、

ロングツーリングで美しいワインディングを駆け抜けるのはサマになるし、

佇む姿は、遠路はるばるやってきた絶景に一際映えるボディーだと思うのですけど…

それは僕だけかも (^_^;)





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最古

2020年12月21日 03時00分07秒 | バイク


先日の始動で目覚めた後も、何度も調整や部品交換を追加し

横キックを繰り返すうちに始動の要領もつかめたので、始動は「必ず」できるようになりました。

エンジンオイルとトランスミッションオイルなど全部で4ヶ所のオイル交換ですが、

ドレンボルトの締め付けに、トルクレンチを使うなんてことは恐ろしくてできない感触。

あまくなっているねじ山のコンディションを変化させないよう手の感覚だけで締め付けトルクを与えるほうが安全でしょう。



オイルフィラーゲージにはいろいろ印されていますが、

上限と下限を示すだけではなく、実際に入っている量とピッタリと合っている几帳面さ。

オイル量は全量で2L。



旧車の経験はそれほど多くはありませんから、僕が自分で走らせた中では最古。

これまで旧車とは言っても乗る機会もあった1980年前後のモデルよりも10年以上前のバイクですが

想像していたより断然乗りやすくて拍子抜け (^_^;)

勿論、ブレーキの効きだとかエンジンのパワーだとか言い出せばそれはもう年相応だけど

それでもまずメカノイズは少ないし発進もスムーズ。

エンジン回転を高めていくと滑らかになりきちんと加速もする。

減速をしながらバンクさせることにおおきな違和感は感じられないところからすると、

これは当時としてはもの凄い高性能マシンだったに違いないと、もう少し新しい日本車やイタリア車のことを思い出しながら感心しました。







紅葉も終わった山手を走りながら片手でカメラをポケットから取り出そうとすると…





ちょっと、いやかなりキツイ「ウオブル」発生で洗礼を受けました。

当時は道路の舗装事情も悪く、タイヤの能力も当時なりで

ステアリングには何らかの抵抗(コチラの場合は摩擦ダンパー)を与えられるようになっていてそれで抑制するのが当たり前だったのでしょう。

それでも現在装着されているタイヤの銘柄と製造年からするとそこのところは交換してみる価値がありそう。



サイドカーとしての使用が前提なのかフロントはアールズフォーク。

トレール量を変更できる構造なのでそれを試してみるのもいいかも…

と、欲が出るくらいに高い走行力。

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2020北海道ツーリングー13 経験

2020年12月16日 19時15分44秒 | ツーリング


とうとう北海道11連泊最後の宿を発つときが来ました。

早起きはしたけれど、990アドベンチャーの手当てに手間取り早朝の出発とはいかず…

それでも今日は最後に苫小牧の新日本海フェリー乗り場に居ないといけないと言う、

これがまた凄く遠いのだけど絶対ににフェリーに乗り遅れてはいけない、ロングツーリングの最終日ににありがちな緊張感と言うか切なさと言うのか…




どんよりとした雲がかかる果てしなく続く直線道路を海に沿って「濤沸湖」を目指せば、

宗谷岬から知床半島まで、海沿いと内陸を出たり入ったりはしましたが

このオホーツクエリアの多くを走ったと言う、自己満足を得ることができるでしょう。



北に東にルートをとるのはココまで、以降は南に西に大きく方向変換することになります。



オホーツク海沿岸、網走市と小清水町にまたがる濤沸湖(とうふつこ)は、砂丘によってオホーツク海と隔てられてできた海跡湖。

お天気が良ければ、風光明媚な花と野鳥の楽園を眺めに寄り道するべきところでしたが、

何せこれまでの北海道ツーリングで悪い意味で「絶景慣れ」してしまっているし、この先の道のりも気になるので

湖畔を走る国道244号から眺めるに止めてしまったことは今にして残念に思うことです。

真冬の厳冬期にはマイナス10度以下にもなる寒さでほぼ全面結氷するような場所、僕の生活圏からすると別世界。



そんな絶景をよそに、僕はバイクの手入れ。

990アドベンチャーは補充用のエンジンオイル1リットルをここで使い切り、

ココまで全く手のかかっていないDL1000にはチェーンルブを追加で吹き付ける程度 (^_^;)



湖畔を走るのは国道だけではなくJR北海道の「釧網本線」もあって



旧くて小さな駅舎の中でストーブで暖をとりながら列車を待つなんて、

そんなのやってみたいなあ…なんて





さらには駅舎内にラーメン屋まであるなんて、

島根県の奥出雲、JR木次線の亀嵩駅舎内「扇屋そば」以来、この取り合わせはいいですね。

まだ営業時間前ですから叶いませんでしたけど、開いてたら食べてた間違いなく。



ラーメン屋(止別駅)を背にとうとうオホーツク海ともお別れ。

ここからはひたすらハイペースで南下、左手に「斜里岳」が見えているはずですが曇っていてそちらも見えず、

それでも途中に北海道ならではのものが見られると、アドベンチャーがルートに組み込んでいたポイントに向かいます。



清里町斜里川上流の「さくらの滝」まで少し歩き。



夏場の滝は涼しげ…なんてものではなくけっこう冷えます 

6月中旬から9月上旬にかけて、サクラマスの遡上が見られるこの場所。



ヤマメが海に下って成長して、産卵のために生まれた川に戻ってきてこの川を遡上する過程で

この3.7メートルあると言われる滝をジャンプする様子が見られるのです。



見ていると次々にサクラマスがジャンプしていくのですがそのほとんどが自然のハードル越えに失敗。

毎年約1万匹がチャレンジして、滝を越えることができるのはわずか5%ほどだそうです。

初めて見ましたけど、チカラが入りましたねコチラも。



さくらの滝から南に下ること15分程度

そこからさらに南に位置する「摩周湖」の伏流水から成る池へ急行。





これまでに青い水を湛える池や水源は全国各地数多く見てきましたが、

コバルトなんて素の状態で見たことなんて当然ありませんけど、コバルトブルーとはこうあってほしいと思わせる透明感と冷ややかな青でした。



水温が年間通して8℃と低く、倒木が青い水の中に腐らずに化石のように沈んでいると言う環境も神秘的。

ココへ通じる林道は12月に入ると冬季閉鎖…でしょうね。



さてさて、現地点と苫小牧までに立ち寄りたい場所と距離。

ルートと時間を調整していかないと、距離が長いだけに序盤に見当が外れてしまうと到着時間に大きな差が出てしまいますから

進む方向を間違えないようアドベンチャーがこまめにマップをチェック。

遅れずに到着するにはトラブルなんてあってはならないところデス。



一周目でこのエリアを訪れた時はふたつ並んだ湖の「屈斜路湖」側に進んだので、今回は「摩周湖」に向かいます。

「霧の摩周湖」とは言いますが今回もやっぱりそう。



もはや大きな湖を見下ろしてもそれほど喜ばなくなっている時でしたから、

霧で見えない摩周湖を見たということで変に納得して先に進みましょう。






摩周湖展望台から摩周岳周辺の寒さと見通しの悪さから解放された「多和平」

周囲360°の眺望が望める。“地平線の見える大牧場も天気がいまひとつ。

ココでももうすっかり目が肥えている我々は大して残念がることも無く予定通りにランチ。







特産の標茶牛のシチューなど、この後のタフツーリングに備え

しっかりと食べております。



990アドベンチャーのほうは排気漏れと爆音を抑える術はすでに無く、

排気ガスの熱で溶けていくチェーンスライダーが脱落して、ドライブチェーンに巻き込まれないか

心配事はそれに尽きる状態。

どこをどう縛ってもドライブチェーンが接触してすぐに切れてしまうので、縛り方が手薄に見えるけどこの一か所をまめに見守るしかありません。








標茶町からはルートを大きく西へ

寒さも緩み北海道らしい快走で北海道南岸を目指します。



釧路湿原の西側を一気に南下し道東自動車道を2区間だけ利用し広域農道で太平洋側に出ます。



北海道での給油はほぼ「ホクレン」

990アドベンチャーはそんなものだろうと思うけど、DL1000も燃費はそれほど良いとは言えず

13~14/L程度と990アドベンチャーと同レベルの消費量。



少し距離は離れているけど、太平洋に沿う頃には天気も急速に回復してきてひさしぶりの晴れ間。

天気が回復と言うより我々が移動しているだけかも。





気分よく走っていると、十勝川の河口付近。

大河と海との出会う場所は本州では護岸工事が成されている場合が多いのですが、

十勝川の河口では堆積した砂浜と砂州を伴って海とぶつかる地らしく自然のままに複雑な川岸が広範囲に見られとてもいい眺め。



これからはずっと海沿いをひた走り「襟裳岬」を目指します。

断崖直下の海岸や切り立った絶壁を連続するトンネルでつなぐ「黄金道路」は

28Kmの道路完成までに黄金を敷き詰めるほどの金額が投じられたと言われ、このなが付けられたとツーリングマップルに書いてありました。



爆音による疲労を分担しようと、お互いのバイクを乗り換えていますが

音量と音質ともに堪えます。




国道336黄金道路はこの先の岬手前で内陸をショートカットするので、苫小牧まで早く行けるのだけど

北海道の東西中間あたりの南端「襟裳岬」に行く時間はあるようで、海岸線に延びる生活圏から離れ行く絶景ルートとなった県道に進みます。





さっきまでの晴れ間はもうどこにも見えず、コンディション良好で美しいアスファルトがこの先の様相が殺伐としている方向へ伸びている

なんとも神秘的な走行。



パワーのあるバイクで高いスピードで走るとまるで映画のシーンのよう。



襟裳岬が近付いてくると霧はさらに濃くなり、ココもやっぱり夏場は霧が出ることの多いエリアだそうで

ペースを落とすことになりますが、まだ予定通りに動いているので大丈夫。

そして襟裳岬まであと数キロというところ。

これまでこの北海道では多くの野生動物、とくに鹿を見ていまして、

スピードが上がるごとにお互いに注意を呼び掛けながら走ってきていたし、

僕も普段の仕事では、お客さんから鹿やイノシシが原因のアクシデントをお聞きしたりバイクを修理したりしている身なので

十分に注意と警戒をしているつもりでいました。



左右草原のわりと見通しの良い直線道路。

見通しも良いのでそれなりのスピード域に達していて、視界は遠くのほうでやや小さくなっている状況。

突然、一頭の鹿が真横から(感覚的に)僕のほうに突進してきて、僕が右手を伸ばせば届くくらいのところでパニック状態の鹿は足を滑らせて転倒。

おかげで衝突を免れたのだと言う一瞬の出来事を、事が済んだ直後に理解しました。

後続でその様子を見ていたアドベンチャー(その時はDL1000)も起き上がってもなおパニック状態のその鹿を避けるのに急ブレーキ。

なんと言っても恐ろしかったのは、そこまで鹿が接近してきたのに、僕はと言うと何時も指を添えているブレーキレバーを引くどころか、

スロットルさえも戻していなかったくらい、なす術がなかったことです。

僕からすると前を横切る鹿と衝突すると言うより、鹿が意図的に僕に体当たりする覚悟で真横から向かってきたように思えてならないくらい。

鹿やイノシシと衝突してしまうのってこういうことなんだと、気持ちの整理がつくまでスロットルを開けられず、ノロノロ運転が続きました。



野生の鹿にここまで接近したのは、2016年の「紀州伊勢信州ツーリング」で奈良公園の鹿に餌を与えた時に次ぐ近さ。

この鹿にしても、自ら命を絶つみたいな愚かなことで僕に向かってきたわけでは決して無いハズですが、

彼らの特性とか本能といったものがこのような行動に出てしまうと言うことなのか…



自分の運の良さに心から感謝しながらいつの間にか到着した「襟裳岬」は

視界を妨げる霧と寒さでかなりの悪条件。





ガラス張りの展望台からは岬の突端が望遠鏡で観察できるようになっていますが、やっぱり視界が悪くて遠くまでは見えていません。



ココではアザラシの群れが見られるそうで、目を凝らしてみるけどやっぱり無理でした (^_^;)



さあこの襟裳岬を発てば、あとは苫小牧までひたすら走るのみ。

さらに冷え込むことが予想されるので防寒対策をしっかりと

それからアドベンチャーは途中で買ったらしい耳栓を…



国道336号を海沿いに走りながら時間は夕刻へと進んで行くのですが、苫小牧港から新日本海フェリーが出航するのは23:30

だから今回の北海道ツーリングで最も遅い時間帯まで走り続けることになるわけで、

途中、いくつかの街や集落を通過するのがこんなに遅い時間帯であったことも初めて。

すると、走りながら見えるお店の閉店時間が早いことに気付きました。

土地柄、朝は早いけど夜も早いし寒いので、僕らの感覚よりも活動時間が早い方にズレているのではないかと思いました。



日高昆布の一大産地として、この地域だけで実に日高昆布の6割の水揚げ量を誇るこのエリア。

さすがにこのお天気と時間帯だからなのか、昆布の天日干しはされていませんが

天日干しする干場(かんば)を所々で見ることができました。



そして苫小牧も間近となったところで無料高速から見えた、夕闇前の一瞬の晴れ間。

走りながらのデジカメでまともに撮影できるわけもないと思ったけど、これで終わってしまうのだけれど…

北海道を走り終え帰って行けることを確信できた時の心境を、後々振り返った時に思い出せるように

ピンボケだから我々だけにしか思い出せないけど撮りました。



本日の走行は555Kmほど。

新日本海フェリー、苫小牧東港には20時の到着。

行きは京都の舞鶴港~小樽港、帰りは苫小牧東港~福井県の敦賀港とどちらの航路も乗っておこうと

アドベンチャーが予約しましたが、コチラの航路の南行きのバイクの多さは何でしょう。

確か70台くらいは並んでいたと思うけど、当然そのほとんどが北海道ツーリングを終えて帰ろうとするところ。

皆さん装備も積載量もかなりのもの、レンタルバイクでもなく、バイクを送るのでもなく

自走で目指す人達ですから気合十分ツワモノばかりのように見受けます (^_^;)

恥ずかしい爆音で列に加わった990アドベンチャーもこれでひとまず本土の敦賀までは帰れることになり

これで一安心ですね。



行きも帰りもフェリーの乗船待ちの間、雨が降らなかったのはツイてた。

行きの高揚感を楽しむのと帰りの感傷に浸るときに雨が降っていると多分しらけるハズです。



ものスゴイ数のタイダウンベルト、縛る船員さんもライダーたちの荷降ろしも素早く手慣れたものです。

皆さん何度も繰り返してきているわけですもんね (笑)





個室ツインの船室には洗面台はもちろん、トイレも完備されていて

船旅も21時間ともなると、あったほうがそれはもう快適。



翌日の午前、同フェリーの北行きとすれ違う時の心境は、

ついこの前、逆ですれ違った時に想像していたものと近いような違うような…



乗り込むバイクはあれほど多かったのに、乗船客は少なくて

船内の共有スペースはガラ空き。





ツーリング中は振り返ることをほとんどやっていないと言うかできなかったし、下関に帰って仕事再開となるとなおさらできません。

やるなら今しかないと、敦賀港へ到着は20:30ですからまる一日をかけて地図を突き合わせて

アドベンチャーの解説でルートの確認完了。



乗船前に寄った最後の「セイコーマート」で買った最後の北海道メシ。

下船後の夜間走行に備えて仮眠もとっておきました。



これから下関まで高速道路で660Km

最後のロングランですね。

ここまで来れば990アドベンチャーに何があっても僕が自力で回収できる距離なので、もう走るしかない。

予報では西から下り坂とのことで、多分途中から雨天走行になるだろうと覚悟を決めて走り出すと

なんとも蒸し暑いこと。



単調な高速道路はもう眠いの一言で下関が遠く感じます。

行きと帰りとで距離感全く違いますね (^_^;)

景色も見えない夜の高速道路、気分転換と言えば食べることくらいか。



ついつい休憩が多くなり、我々としては超鈍足な移動が続き、

山陽自動車道の宮島SAで明るくなって来たところで最後の給油。



明るくなってみると、雨はまだ降りそうでもなく

うまくいけばこのまま帰れそう。



そして下関IC

いろいろあったけどこうしてまともに帰ってこられたので本当に良かった。





到着して間もなく、雨が降り出しましたけど、

我々が北海道に居るあいだ、下関はずっと憂鬱な天気が続いていたようで

この日の雨で打ち止めとなりました。



よく走ったほうだと思いますけど、あまり一所にこだわらず走り回ったし

お天気にも恵まれて、北海道ならではの平均スピードが維持できたからでしょう。

こんなに遠いところ、何度も行けるとは限らないし

これ一度きりになるかもしれないので、悔いることの無いようできるだけ広範囲に廻ろうということで、

アドベンチャーが考えたルートにより

総走行距離はDL1000のメーターで6400Km。


怒涛の14日間

これでやっと、北海道に行く人行った人と北海道の話ができるくらいの経験ができました。






























































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横キック

2020年12月06日 00時37分07秒 | メンテナンス


1955~1960年ですから、僕が生まれる前の生産。

旧車を得意としていますなんて一切謳っていませんから、軽い整備であってもやるとなると

心して向かわないといけません (^_^;)



旧い構造のBING製キャブレター

構造がシンプルな上にパーツの入手も可能ですから機能回復にも期待が持てますね。



既に12V化されていますが、点火系はバッテリー電源に頼らないフラマグポイント方式のようですから

超久しぶりとなる始動には勢いの良いクランキングが絶対条件(燃料供給と良好な点火が必要なのは言うまでもありません)

何とか始動させないと、点火時期の確認もキャブレター調整もできたものではありませんから

もうヘトヘトになるまでキックを踏み降ろし、やっとのことでエンジン始動。

エンジン正面で遠心ガバナーのウエイトが回転している様子は左右に水平に張り出したシリンダーが翼のようで、

まるでプロペラの飛行機みたい(BMWだけに)



車体の左側面から横に踏み下ろすキックアームはケッチンの恐怖は無いけど

踏み抜ける感じがしなくて1キックでクランクシャフトを回せる角度はかなり少ないので、キッククランクの効率はあまり良いほうではないようです。

始動性が回復するまでと、僕が始動のコツを見つけるまで暫くこのキツイ仕事は続きそう…

この一件が完了するまで、腰痛が発症しないことを祈るばかりデス。

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順番

2020年12月04日 04時04分13秒 | タイヤ


11月の早朝ツーリング終了後に、いつものように僕がお持ち帰りでタイヤ交換となったタイガー800。

これまで使ていたミシュランパイロットロード5トレイルは、

さらにその前まで使っていたタイヤがフロントタイヤの摩耗が早くて終盤にはハンドリングを劣化させていただけに

交換直後のフィーリングの良さが際立ち、その後距離を重ねていっても大きな性能劣化は感じられず、

彼の評価は高かったようです。

僕も一緒に走ることが多いので、彼がタイヤの評価(いや感想)を述べるのに使う普通の言葉の意味はわかります (^_^;)

3700Kmの使用ですが、トレッドの残溝を見なければまだ使ってもいいくらい…なんて冗談を言いながらバイクを受け取りましたが、

ホントだ、確かに違和感なく気持ち良くお店まで乗って帰ってくることができました。

これにはフロントタイヤの摩耗があまり進んでいなかったと言うことがあるのですが、

リヤタイヤに影響を受けるハンドリング要素も当然あると思っていますので、このタイヤの耐久性は高く評価(いや感想)させていただきたいと思います。



で、次のタイヤはBSのBT31

このタイヤに興味があって履きたかったと言うほどではなく、順番です。

せっかく費用を投じて交換するのだからいろいろなタイヤを試したいとのことで、

同じタイヤを続けて履くことを望まないのは前のF800Sの時から変わりません。

彼の場合、結局どれを履いても距離的耐久性に大きな違いは現れてくれない(個人差アリアリ)のでそこは二の次なのでしょう。



タイヤだけを見るとバイクに対する扱いと姿勢が少々乱暴なようにも見えますが、バイクの手入れはいつも念入り。

平気で汚すけど、次に現れる時は必ずピカピカ…仕事でもないのによく務めておられます (^_^;)



あーなんとかタイヤメーカーさん、アドベンチャーモデル向けのタイヤ

どんどん新製品を発売してもらえないものですかね~。



ウインターシーズンはスキーに傾倒していらしゃるのですが、もう雪…降らなくなりましたもんね。

防寒対策万全仕様(ハンドルカバーなど)ですから来春までT31

耐つでしょうかね。

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レアショート

2020年12月02日 02時48分21秒 | メンテナンス


北九州のお得意様。

先日の土曜日の朝イチで電話がありまして、ツーリングでウチのお店の前を通過して少し進んだところで

いきなりのエンジンストールしたとのこと。

それまでの走行の経緯をお聞きするとやはりただ事ではないので、本日の作業予約のご来店が始まる前でしたので直ちに現場に急行。

そのままお店に持ち帰り、ザっと故障探求をしたところ

これはもっと時間をかけて診ないと判断できない症状でしたので、オーナーさんは一旦そのまま電車でご帰宅となりました。

愛車の不調にお嘆きになることも無く、さらりと帰宅の途につかれたのは実にスマートでありました (^_^;)



ステーターコイルが不良だと判定するのは、よほどハッキリとした数値が見られるか又は思い切ってACGカバーを外して

現物の姿を見て、明らかに焦げたりしている部分が見つかるようなことが無いと用心深い僕には難しいことです。



今回はそれだとわかる状態でしたので、比較的すっきりとした作業の終始でしたが、

ハッキリとした症状の出にくいコイル部品のレアショートにはいつも悩まされるものですね。

車種もメンテナンスも故障修理も様々お受けしているので、バタバタと忙しくしているようでも整備と言うのはなかなか効率良くは進まないものです。

これまで以上に作業待ちが多数となっておりますのでお待ちのお客様には何卒ご理解いただきますよう

宜しくお願いいたします。




遠方にもかかわらず、作業完了後のお引き取りも実に速やかでありまして、ご協力ありがとうございました (^_^;)





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