亀裂の入ってしまったエキゾーストパイプ。
そのままにしておくと損傷がどんどん進んで行くので、とにかく外から縛り上げて患部付近を固定し、
少しでもその進行を遅らせることしかできません。
まさかこんな環境でエキゾーストパイプを取り外すことなんてできませんから、
狭いところに手を突っ込んでの苦しい作業。
排気漏れもまだそれほど酷くはないのでこれで様子を見ることにします。
作業時間をとられてしまったので、アドベンチャーがルートの変更や省略をして少し遅い出発。
今日は大幅に移動して道東方面に踏み込むことになります。
網走湖の南側を通り、オホーツク海の海沿いよりもひとつ内陸側に並行する広域農道をひたすらに東へ。
途中、見えるはずだった広大なひまわり畑はやっぱりコロナウイルス感染防止に向け、植え付けをされていなかったようでとても残念。
後日訪れる予定の富良野ラベンダーは大丈夫なんだろうかと少し心配です。
北海道ももう3日目ともなると長い長い直線道路を見ても感動し騒ぐことも少なくなってきますね。
多分あれが「知床連山」
天気予報はまずまずの良い天気のようですが、北海道の中でもいつもお天気不安定で
気候が優しくないイメージの道東地方ですから行ってみないとわかりません。
オホーツク海を知床半島に沿う知床国道を真っ直ぐに進んで行くと「天まで続く道」を眺めることのできる展望台に昇りつきます。
そこで振り返ってみると、なるほど…と
斜里町では市街地ながらとにかく道は真っ直ぐでレーダーパトカーもはり込んでいたくらい。
延々と続いた直線道路が上り坂になってからも真っ直ぐでしたからココで振り返るとこれまで走って来た道が陸と空の境界まで続いている様子がみえるわけです。
でも本当はそれまでの直線道路の国道は途中で左にそれているのですが、脇道としてそのまま直線を維持しながら
坂道で上昇してきていると言うものなんですね。
狙ってそうしたのかどうかはわかりませんが、見事な「ど直線」でした。
Uターンで坂を下って右折して戻った知床国道を海沿いに…
今回、北海道滞在中では最も穏やかだったオホーツク海。
知床八景と日本の滝百選に数えられる「オシンコシンの滝」
後になってから知りましたけど、この滝あのリポビタンDのコマーシャル「ファイト~一発」の滝編のロケ地だったそう。
これほど海のそばでしかも道路からすぐのところにこれほど大きな滝があり
真冬には完全凍結するようですしすぐそばの海には流氷が接岸するという、暖かい土地での生活しか知らない僕には見たこともない光景のハズ。
夏にバイクで訪れるより真冬にバスで観光する方が感動は大きいんでしょうね。
もうすっかり知床半島に踏み込んでいます。
ココは世界的に見てもヒグマが高い密度で生息している場所らしいので、もしかしたらその姿を見ることができるんじゃないか…
なんて期待しながら「でもバイクだし…」
道路から見える限りの森の方をキョロキョロ見ながら、アドベンチャーに大きく遅れながら進んで行きますが、
結局、クマの姿なんてどこにも見えず「知床自然センター」に到着。
知床五胡散策路の高架木道の上で、生憎見えていなかった知床連山に向かいながら朝ごはん「セイコーマートのおにぎり」
舗装路で知床半島を先端方向に向かうにはココまで。
あともう少し未舗装路を走ることができれば「カムイワッカ湯の滝」に行くことができます。
今は通行規制期間ではないので自ら走って行ける。
11Kmのダート、990アドベンチャーは当然としても
このためにかり出されたDL1000ですから、この先をすすむのは当然。
ツーリングマップルには「クマ避け対策必須」とあったのでさらに期待しましたが、やっぱりクマには逢えず
なにか居る…と思ったらそれはほとんどシカ。
DL1000もフロント21インチだったら良かったのに…淡々とダート走行でもうバイクは泥だらけ。
ココはもう全部脱いでハーフパンツにサンダル姿になるトコロ。
酸っぱくて(強い酸性)温かい流れを登って行きます。
滝周辺はいつヒグマが出没してもおかしくない場所らしい、
それに平日の午前中ここに居る人間は多くないので、本当に現れたらどうしようかと
ちょっと緊張する静けさ。
強酸性の川なので魚は棲んでおらず、岩の表面に苔も生えていないようで
けっこうな斜面でも足を滑らせることは無くしっかりと踏み出すことができます。
普通にバイクではこれ以上進むことができないところまで行き着いたのですが、この先は知床観光船に乗って
海側から知床岬に行くのが正しい(海沿いに徒歩で到達する人もいるらしいけど…)ようです。
それやっていればヒグマを見られたんじゃないでしょうか。
でも徒歩は無理 (^_^;)
再び11Kmのダートを戻って「知床横断道路」
タイヤをアスファルトに押し付けてグリップまかせにワインディングをパワー走行
往復22KmのダートはDL1000では僕にとって走れるけど楽しくて仕方ないほどではなかったから (笑)
そんなワインディングも曲がりがどんどんタイトになってくると
霧がかってきてもう周りはどうなっているものやら全く見えません。
この地域は天候がいつも不安定な上に、湿った暖かい空気が冷たい海水で冷やされることで発生する海霧なども発生しやすいらしいので
ここから北方領土を望むことは叶いませんでした。
知床峠を下り、羅臼町から標津町にかけ根室海峡を左手に海沿いを良いペースで走るのですが
海沿いまで降りてきているのにさっきまでと変わらず寒い。
この蕎麦屋さんはもともと行く予定ではなかったけれど
とにかく温かいものをすすりたかったから。
出汁の効いた温かい蕎麦がカラダに染みわたります、夏だと言うのに。
今回、北海道ツーリングとなるまではその名前さえ知らなかった「野付半島」
北海道の知床半島と根室半島のあいだに位置する、全長約26kmの日本最大の砂の半島は
左右に水辺が迫る一本道はその道幅は狭いところでなんと50メートル!
厳しくて特異な環境から成る一度往復したくらいでは何も語れないくらい日本とは思えない景色。
北海道・道東エリアが日本離れした印象を与えるのには、この半島の自然が大きく貢献していると思いました。
道路が行き止まりになる手前にあったネイチャーセンターに立ち寄りいろいろな展示物を見ましたが、
ココは何度もやって来て、季節ごとのネイチャーツアーなどに参加してみないと
本当に訪れたことにはならないんじゃないかと思うくらいです。
知床に野付半島、一応来てはみましたが
満喫にはほど遠い。
それでもネイチャーセンターの駐車場から遠くに見えていた「国後島」
野付半島は、全体が地盤沈下を起こしており、やがてはなくなってしまう土地といわれています。
海水に浸食された森が立ち枯れ、トドマツがそのまま残るスポット「トドワラにナラワラ」
野付半島に抱かれるようにして広がる野付湾
走りながらでも幻想的風景が広がり、このまま先へ進むのがもったいないくらいでした。
ため息交じりで野付半島を後にして、やや内陸側の広域農道で「ヤウシュベツ川湿原」を遠くに見ながら
根室半島を目指します。
今日も曲がらない道路を長いこと走り続けているので、気分転換にバイクチェンジ。
アドベンチャーの排気音、徐々に大きくなってきています。
電熱ウエアとグリップヒーターを最高出力で宿に到着。
早くお風呂に入って温まりたい (^_^;)
人通りも無く静かな根室市街で居酒屋
お通しで出てきた「芝エビ」が美しい赤色で美味しかったこと。
これはかなり期待できそうです。
ちょうど解禁になったばかりだと言う「花咲ガニ」
美味しい汁がこぼれてはいけないからと裏返しでの登場。
僕はカニを食べるの得意だから食べ方は僕主導で、それほど執着していないと言うアドベンチャーにも少し殻を外してやりました (^^)/
一方、ホヤ貝大好きなアドベンチャーはこちらを見つけて即注文。
去年、気仙沼で食べて以来の人生2回目、良い素材に当たったようです。
予定のアルコール摂取量を大幅に超えてしまいます、主に日本酒の冷や。
根室でこれが食べられたのは良い思い出になって残るでしょう。
帰り際、ファンヒーターが稼働しているのにはびっくり!
それで寒くなかったのか…
〆はホテルまでの帰り道のカフェで「エスカロップ」
カツレツがバターライスの上にのせられ、上にデミグラスソースがかかった洋食で、地元の人たちにとってはなじみのある根室のB級グルメ。
本日の走行は380Km、明日は最東端の岬から始まります。