"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

【啓蟄】入っても余寒厳しく

2014年03月08日 10時15分22秒 | まち歩き

 旧二月八日。今月も、1月と同じように、旧暦と新暦の日付がシンクロしています。ということで、今日の月は上弦です。太陽と直角に位置していると思えばいいわけですから、日没の頃、頭上真上を観てみましょう。

 二十四節気では、一昨日の3月6日に【啓蟄(けいち
つ)】に入りました

陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ずればなり。
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

  二十四節気では、陽気や植物の状態に関する名称がほとんどなのですが、唯一【啓蟄だけは、生物の状態を表しています。春を待ち望んでいる人間の感情の強さをうまく表現しているのではないでしょうか。

 【立秋過ぎて暑い陽気のことを「残暑」と言いますが、その反対に、【立春】後の寒陽気のこと「余寒」というのだそうです。14_03_06crocus"暑さは残り、寒さは余る"。このニュアンス、昔の人は巧いことを言うもんだなぁ、と感心してしまいます。今年は、「余寒お見舞い」なんていう言葉がやりとりされてもいいのでは、と思うほど寒い日が続いています。

 それでも、日差
がある日中は、暖かさを感じられるようになって来ました。地中から眠りを覚ますのは、虫だけではないようです。昨年もこの写真はアップしましたが、隅田川沿い石川島の土手には、クロッカスの球根が植えられていて、山吹色の花が一斉に開いています。このあとは、桃色、紫、青など、カラフルな花が次々に咲くので楽しみです。陽の当たる角度が大きくなってゆくのを実感します。

14_03_06ooshimasakura  梅の花のタイミングには、早咲きの桜、大島桜や河津桜が咲き始めます。
鮮やかなやや濃いめの花色から、とても華やいだ雰囲気を醸し出します。写真は、江東区の木場公園東側の大横川沿いに植えられた早咲きの桜。樹齢は若いようですが、見事な花付きです。余寒厳しい折ですが、良く晴れた日は、早春の花々と青空とのコントラストが絶妙です。一足早い花見で一献でも。花粉対策を怠りなきように。