"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

【手前味噌自慢の会】で今年の味噌と"あれ"を堪能

2013年11月07日 12時21分00秒 | 主催する催し

 旧十月五日。二十四節気の【立冬】を迎えました。

  冬の気立ち初めて、いよいよ冷ゆればなり
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

  東京は冷たい"時雨"の朝となりました。気まぐれな時雨はザッと降ったかと思えば止んでしまいます。今日の雨も昼間で、午後には晴れ間が広がり、冷たい木枯らしが吹いてくるようです。冬のスタートに相応しい陽気となりそうです。これからはひと雨ごとに寒さが厳しくなってゆくのでしょう。本格的に冬の装いの準備をしなければ、と気が焦ります。

 
3月に行った【手前味噌仕込みの会】から半年とひと月。参加メンバーのご自宅でと夏を越し、しっかり熟成した味噌が出来上がりました。その味見を兼ねた宴【手前味噌自慢の会】を11月2日に行いました。
 同じ条件で仕込んだ味噌でも熟成する場所で風味や色がまちまちになる、という
手前味噌ならではの変化を楽しみ、晩秋の味覚を味わおうという趣向です。今年は、初めて大豆麹使った味噌を仕込んでみました。中京地区の八丁味噌のように大豆こうじ100%ではなく、米こうじとブレンドし、茹で上げた大豆と混ぜたものです。大豆こうじはそのまま食べても、粘りと塩気のない納豆のように風味があるもの。その旨味がさらに増幅されたような美味しい味噌に仕上がりました。持ち寄った味噌を並べてみると、環境による熟成のスピードに違いがあるようです(写真左の右下)早い味噌は、ほのかに八丁味1107misojiman1噌のような香りが、ゆっくりな味噌は米こうじ味噌らしい風味となっているようです。さらに半年か1年間じっくり熟成を加えると面白い味噌になりそうです。
 この会の楽しみは、
居酒屋ニュー信州のスペシャルコース。特に味噌に因んだ料理にお酒が進みます。写真左上は、鱈の西京焼き。右上は、蒸し里芋と田楽味噌。左下は、天然なめこの味噌汁鱈の白子入りです。下の写真では、左上がニュー信州特製の刺盛り。右上はむぎいか(だったかな?)のぬた。心地良い酔いを伴って秋の夜長を堪能致しました。

1107misojiman2_2  さらにこの日は、昨年の【手前味噌自慢の会】で仕込んだ「手前豆板醤」を持ってきました。空豆の淡い色に唐辛子の赤がはっきり見えていた仕込当時の色が、しっかり琥珀色に熟成しています(写真右下)。本場四川省の唐辛子はもっと黒いイメージですが、辛さが飛ばない程度にさらに熟成させれば実現できそうです。早速厨房に持ち込んで、回鍋肉を作ってもらいました(写真左下)が、豆板醤の旨味と辛味がしっかり出て、ご飯があれば2~3杯進んでしまいそうでした。なかなか奥が深い発酵調味料です。

 次回【手前味噌仕込みの会】は、会期未定ですが、麦こうじの味噌を仕込もうと思っています。決定次第ご案内いたします。


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