旧九月十五日。旧暦九月の十五夜です。一昨日は十三夜、俗に「後の月、栗名月とか豆名月」でしたが、東京では生憎の空模様で、お月見はできませんでした。今年の名月は、十五夜(旧暦八月十五日、今年は9月22日)に昇る月を少し眺めただけで“片月見”になってしまいました。まあ「なんとか心と秋の空」で、天気のはっきりしないこの頃ですから、仕方なしですね。
そして、明日は二十四節気の【霜降(そうこう)】です。
つゆが陰気に結ばれて、霜となりて降るゆえ也
『暦便覧』(天明八年/1788年出版)
今もなお最高気温が20℃を越える日が続いていて、なかなか半袖を仕舞えない今年は、どうも実感が沸きませんが、山や北国では紅葉が見頃になってきました。朝晩冷え込んで霜が降りる頃なのでしょう。
五十の誕生日プレゼントに、と粋な友人がザクロの盆栽をプレゼントしてくれました。
盆栽には興味はあったのですが、実はこれが初のマイ盆栽となったわけです。頂いてほどなく、枝先の葉や蕾とおぼしきものがポロポロと枯れ落ちて行くので、拙宅の空気に合わないのだろうか、と心配していたのですが、やがて幹の葉が青々と逞しく成長するようになり、枯れた枝先を選定して体裁を整えてみました。そのうち、一本の枝先に実なのか蕾なのかわからないものが出来たかと思うと、みるみる成長し始めました。それはやがて鮮やかなオレンジ色に染まり、大きさはピーナッツくらいまでになると、弾けるような花が一輪開きました。ザクロの花。じっくり眺めるのは初めてですが、なんとも可憐です。それにしても盆栽のコンパクトな枝振りとミスマッチな花の大きさはちょっとグロテスクでもあります。
たらたらと晩秋の雑記でした。