旧十月二日。二十四節気の【立冬(りっとう)】です。
冬の気立ち始めて、いよいよ冷ゆればなり
『暦便覧』(天明八年/1788年出版)
長い冬が始まりました。それでも今日の東京は気温が18.5℃まで上がり、小春日和でした。【小春】とは旧暦十月のこと。冬の季語です。昨日が旧十月朔日でしたから、これからしばらく、こうしたポカポカとした晴れの日がありましたら「今日は小春日和ですね」と言うことにましょう。厳しい寒さの前のひと時。身も心も暖まる小春日和を楽しみたいものです
そして、今日は11月最初の【酉(とり)】の日です。
慌ただしい年末のスタートを予感させる【酉の市】が立ちました。本場は浅草の鷲神社。新宿の花園神社もその賑わいからとても有名です。境内には市が立って「福をとり(酉)こむ」ことに因んで様々なお目出度い装飾を施した熊手が売られます。
近くの築地・波除神社でも小さな酉の市が行われている、ということで、行ってみました。築地市場の氏神ということで、商売にかかわるたくさんのお店や会社、そこで働く人たちの依りどころとなっています。
今日は市場がお休みの日曜日でしたので、わずかに観光客がいるだけで、意外にも閑散としていました。次の酉の日、11月19日金曜日が二の酉ですので、そちらの方が賑やかになるのではないでしょうか。
ちなみに今年の11月は酉の日がこの二日。次の酉は12月1日ですので、三の酉はありません。よく三の酉まである日は「火事が多い」という言い伝えがありますが、鶏のとさかが炎を連想させるから、という節が強いようです。それにしても景気の上向きがまったく実感できないこのご時世。熊手効果に神頼みなのでしょうか