"暮らしのリズム"的できごと

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名月雲に隠され猛暑も去り

2010年09月23日 10時02分38秒 | 季節のおはなし

 旧八月十六日。二十四節気の【秋分】です。

  陰陽の中分なればなり
          『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

 「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、朝にはすっかり空気が入れ替わり、少しヒンヤリするくらいです。天気予報を見ていても、いよいよ暑さはおしまい。これから段々と秋が深まって行く模様です。

 そして、昨日は旧暦の八月十五日。中秋の名月でした。東京では夕方から薄い雲が広がり始め、
0923seiroka月の出から30分ほど遅れて17時20分頃、東の空から薄ら静かに名月は姿を現します。明石町の聖路加タワーの展望室から眺めようか、とエレベーターで最上階まで向かったところ、残念ながらこの展望室は7月に閉鎖されてしまったとのこと。築地・月島や佃島を箱庭のように見下ろすこの展望室は結構お気に入りの場所だったので残念でしたが、東を向いたエレベーターホールの窓は絶好のお月見ポイントです。聖路加タワーの影が真っすぐ伸びて行くその先から上ってくるのは、秋分に近いからなのでしょう。橙色に染まった街を優しく見守るような名月の姿にうっとりします。

 タワーを降りて隅田川のテラスに出てみます。川の対岸、佃の高層マンション群の間に昇る名月もまた美しいもの。
0923ugan隅田川の水辺は都会にあっても空が広いです。昨年、やはり高層ビル群の上海で眺めた名月を思い出し、一年間の早さをあらためて実感します。

 旧八月十五日の名月は俗に【芋名月】と呼びます。この頃盛んに収穫され始める里芋を模した月見団子を飾り、収穫を喜んだ のでしょう。


 大相撲秋場所の打ち出しの頃は、もう夜の風情です。0923homes月島の自宅に戻って窓から望む名月。陽がとっぷりと暮れて、これからが月夜の本番というところですが、このあと雲がどんどん広がり始め、20時頃にはすっぽりと名月を隠してしまいました。慌ただしいお月見になりましたが、今年の【中秋の名月】、皆さんは何処で望みましたでしょうか。

 【芋名月】に対して、旧暦九月十三日の月を【栗名月】とか【後の月】と呼びます。この両方のお月見をすると縁起が良いとされていますが、今年の十三夜は10月13日水曜日です。



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