"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

早池峰大償神楽にまたしてもうっとり

2005年11月14日 16時51分39秒 | 芸能の催しごと

 旧十月十三日。今日の東京はどんよりとした曇り空ですが、月がずいぶんと丸くなってきました。明後日が満月です。このblogを始めるようになって、以前にも増して月の姿を意識するようになりました。ちょっと先に予定している心躍るイベントを、その日の月の形で覚えておくと、毎日空に浮かぶ月の姿がとても気になるものです。これはなかなか風情があって良いものですね。でも新月の頃は見失ってしまうかもしれないので気をつけましょう。
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 先週の木曜日秋晴れの11月10日、千駄ヶ谷にある国立能楽堂で早池峰大償(おおつぐない)神楽の公演があり、観に行ってきました。今回の東京公演は、歴史的関連性がたいへん高いとされる能と神楽の関わりを探ろうという企画公演です。本公演は金曜日で、能の演目「道成寺」の原曲で廃絶している「鐘巻」を復曲させ、大償神楽の女舞「鐘巻」と同じ舞台で上演しようという試み。残念ながらこの本公演は観ることができなかったのですが、それに先立つ大償神楽の公演をじっくり楽しむことが出来ました。

 早池峰神楽はこのblogの『民俗芸能は心を洗う~岩手より』でも少しご紹介しましたが、岩手県の霊峰早池峰山山麓に伝わる修験山伏伝来の神楽です。11-14hayachine2二つの神楽座、『岳神楽』と『大償神楽』を総称して早池峰神楽といいます。勇壮な荒舞の岳と、優艶な女舞の大償という具合に、表裏一体を成しているそうです。そんな大償神楽にあって女舞の名手である佐々木隆さんの式舞「山神(やまのかみ)舞」は見事でありました。力強さと神秘性、神事としてのカリスマ性を併せ持ち、なおかつ流れるようにしなやかな身のこなしは美しく、たいへんんに印象深い舞でした。
(↑大償神楽の「山神舞」。写真は大迫町発行のブックレットより)

 今回の公演はたまたま地方紙「岩手日報」の記事をネットでも見つけたもので、平日の昼間ながらチケットは完売。大変熱心な愛好家が集まっていたように見受けられました。プロのエンタテインメントではないため、いろいろなバランスを考慮しなければならないのでしょうけれども、もっとたくさんの人が気軽に観られる環境になって欲しいと願うものであります。本当に綺麗なのです。

◆早池峰神楽舞台公演
 大償神楽 平成18年1月28日(土)
 岳神楽  平成18年1月29日(日)
 いずれも13時開演 全席自由各公演500円
 岩手県・花巻市文化会館大ホール(問)0198-24-6511


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