"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

指物・建具工芸師、田中清八さんを訪ねる

2006年07月02日 12時57分29秒 | 手しごと

 旧六月七日。今日は雑節の【半夏生(はんげしょう)】です。夏至(6/21)から数えて11日目、七十二候夏至の末候にあたるこの日は、八十八夜などと共に農業の重要な節目の日とされていました。この日までには田植えを終えましょう、という頃です。“半夏とは野に生える「からすびしゃく」というサトイモ科の野草のことです。「夏半ばに生える」ちょっと早い気がしますが今や夏真っ只中なんですね。

 はっきりしない梅雨空の下、足立区は東武伊勢崎線梅島駅近く、72andon指物の伝統工芸師、田中清八さんの工房を訪ねてきました。6月の半ばに千住で開催された「足立伝統工芸品展」を見に行った際に、出品されていた行灯や障子に魅せられお話しを伺い「ぜひ後日工房にお邪魔させて下さい」という願いが実現しました。(←これが一目で釘付けにされてしまった、漆塗りの行灯と独特な意匠の“ちり返し障子”)

 お仕事の手を止めて、以前制作された衝立障子(ついたてしょうじ)を見せて下さったり、それぞれの細工を専用の特殊な工具と共に説明して下さったりと、72tanaka2たいへん親切に教えて下さいました。(↓田中清八さんと三年前に作ったという衝立障子。その下の写真が衝立障子の細部、細工と細部の面取りが美しい)
 都心では職人の技が活きる日本家屋や意匠が減っているとのこと。普段のお仕事は注文住宅の家具や建具などの制作が主で、伝統工芸の需要は少なくなっているそうですが「独創性と意欲が大事ですね」とおっしゃるとおり、
72tsuitateまだまだ伝統的な指物に対する熱い想いが伝わってきます。72koushi大量生産では決して得られない贅沢で豊かな気持になれることでしょう。
 朝に電話をしてその午後にお邪魔したのにもかかわらず、暖かく迎えて頂き感謝しています。奥様と共にこれからもどうかお元気で、私たちに驚きと感動と安らぎを与えて頂きたいと思います。
(↑お土産にと、こんなものを頂きました。これは癖になる)

 6/11“入梅の頃あけぼのは早し”の紫陽花の写真を差し替えました。


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