"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

金木犀(キンモクセイ)香る秋晴れの頃

2005年10月13日 11時52分55秒 | 季節のおはなし

旧九月十一日。上弦の月を過ぎて少しずつ月が丸みを帯びてきました。今週の土曜日10月15日は『十三夜』。古くから、中秋の名月と併せて九月十三日にお月見をすることは縁起がよいとして、習慣となっていました。中秋の名月を“芋名月”と呼ぶのに対して、十三夜の月を“豆名月”あるいは“栗名月”と呼んでいました。野や畑の恵みも刻々と変わってきているのでしょう。収穫の頃一寸手を休めて、まだ完全に丸くなっていない月を眺める。日本独特の風情豊かな風習ですね。その十三夜の月も東京では秋雨前線の活動が活発になるとかで、どうやら拝めそうもありません。「女心と秋の空」などとよく言いますが、秋晴れと秋雨が交互にやって来て、一雨ごとに寒くなってゆくこの頃です。


東京ではこの数日気持ちよい秋晴れに恵まれていますね。澄み切った青空に映えるのが小さな橙色の花、そして芳醇な香り、金木犀(キンモクセイ)です。私はこの香りが漂う時こそが空気と気持ちをはっきり“秋”にしてくれるもの、と思っています。これが春であれば沈丁花の香り、といったところでしょうか。四つの季節がはっきりしている日本では、香りと季節感がしっかりとリンクされているのですね。

10-13kinmokusei1秋晴れに誘われて自転車で月島・佃周辺をひとまわりしてみると、けっこう金木犀の木があるのですね。常緑の木ですから、葉っぱの緑は濃く垣根やフェンス代わりに植えられているところが多いです。花の季節が終わるとまた忘れられてしまうのかもしれませんが、精一杯存在感をアピールしているように見えます。(佃公園の金木犀と石川島灯台と秋の青空)


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