"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

「打ち豆」作りに初挑戦

2012年02月06日 17時38分58秒 | 季節のおはなし

  旧一月十五日。旧暦の小正月です。今年の寒はとても寒い日が続き、東京都心でも珍しく気温が氷点下まで下がることが何日かありました。B0206mtfuji大寒の末日である節分は2月3日。その翌日2月4日は二十四節気の【立春】。 陽射しに少し暖かみを感じる時もありますが、この頃が寒さのピークに達しているように感じます。
(写真は節分前日の2月2日。冨士霊園への墓参の帰り。大きい富士山を見ると気分が落ちつきます)

 二十四節気の立春・立夏・立秋・立冬は季節の変わり目ではありますが、実際はその前の季節感が最も強く感じられる頃になります。つまり太陽の影響がだいたい45日遅れて来るということなのでしょう。冬至の約45日後が立春。春分45日後の立夏(5月6日頃)は最も春らしく麗らかな頃です。夏の暑さを最も強く感じるのは8月7日、立秋の頃。秋を実感する11月6日頃はもう立冬です。
 「暑さ寒さも彼岸まで」と言う通り、まだもうしばらく寒さに対する辛抱が必要なようです。

 今日は郷土食のお話を。父の故郷が福島県の会津若松だったので、子供の頃から特に冬場になると乾物などを水で戻し煮物にしたおかずがよく食卓にのぼりました。その中に大豆をぺしゃんこに潰して乾燥した「打ち豆」というものが入っていたものです。大豆の青臭さは無く、甘みがあって結構好きだったことを記憶しています。 自分で使ってみると、半日がかりで水で戻してから煮て柔らかくなるまで1時間以上かかる丸大豆に比べて、びっくりするほど早く戻り火の通りも早く柔らかくなるので、お味噌汁や煮物、炒め煮などにとても重宝しています。
 この打ち豆、会津の郷土食材なのかと思っていたら、新潟の特に長岡から魚沼に広がる中越地方でとても一般的なものでした。B0206uchimame新潟や会津では黄大豆の打ち豆が一般的ですが、これが山形に行くと浸し豆にするような青大豆の打ち豆がよく用いられるそうです。
 3月に開催する『手前味噌仕込みの会』での話題になればと思い、打ち豆を作ってみることにしました。ネット上では作り方がいろいろアップされているのですが、微妙にまちまちで判断つきません。共通するのは、乾燥した大豆を熱湯に浸す。適当な柔らかさまで戻った大豆を木槌で打つ。盆ざるに広げて再び乾燥させる。というところ。肝心な熱湯に浸す方法と時間がとても様々なのです。
 初挑戦の今回は、携帯用ポットに大豆と熱湯を入れ蓋をして、まずは10分。これではまだ固くて、木槌で打つと皮だけ剥けて大豆は予測できない方向に飛んで行ってしまいます。で、さらに10分。今度は潰れるというより豆が割れてしまうだけ、という状態です。正確にヒットさせれば、うまく潰れることもあるのですが、やはりまだ少し固いのでしょうか。さらに道具を換えて、最後はペンチで挟んで潰す方法にトライしてみました。時間は掛かりますが、この方が見栄え良く潰れてくれるようです。
 ただ今盆ざるの上で乾燥中。完全に乾燥したら使ってみて、市販品との差異を検証してみたいと思います。きっとベストな方法が見つかるはず。いろいろやってみます。