旧七月二十四日。二十四節気の【処暑(しょしょ)】です。
陽気とどまりて、初めて退きやまんとすればなり
『暦便覧』(天明八年/1788年発行)
早くも秋雨前線が日本列島に沿って停滞し、ここ数日間は10月くらいの陽気で、そらも愚図つきっぱなしでしたが、東京では今日の午後から、また残暑が戻ってきました。それでも、もう猛暑日になるようなことはなさそうです。蝉しぐれが止んで夜になれば秋の虫が元気になってきているようです。
“暮らしのリズム”では何度もご紹介している建具・指物の伝統工芸師、田中清八さんと、オランダをベースに活動するイスラエル出身のアーティストのBoaz
Cohenさんと山本紗弥加さんによるユニット(と言ったらいいのかな)『BCXSY』の共同作業による素晴らしい作品[Origin part I: Join]が、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館に収蔵されることになりました。
まずは2011年9月17日~25日に開催される特別展『ロンドン・デザイン・フェスティヴァル』でお目見えし、その後は半永久的に、V&A博物館の収蔵品として常設展示され、場合によっては他国などで開催される展示に貸し出されたりすることもあるでしょう。ロンドンを訪れるご予定がある方は、ぜひ博物館に足を運んで[Origin part I: Join]をご覧頂きたいと思います。
山本紗弥加さんから頂いたメールを抜粋してお伝えします。
「本当に光栄な事で、私達もすごく感激しています。また博物館に常設させる事で10年後、50年後、もし悲しくも日本で建具細工を見る事が出来なくなっても、このすばらしい技術・伝統を人々に知っていただけるという事が私はすごく嬉しいです。これも田中さんのすばらしい腕前のおかげだと思っています。」
「(東日本大震災の復興支援に関して)私自身何もする事が出来ず、自分の力の小ささを実感し、歯がゆい思いをしています。何か少しでも役に立ちたいと思いBoazと話し合い、実は建具作品の1セット目(今回V&A博物館に買い取っていただけたものです)の50%売り上げを震災にあった方々の支援に当てるための告知を込めた展示を今年(2011年4月)ミラノで行ないました。結局ミラノでは買い手は付かなかったのですが、今回こういった形で買い手がつき、ささいですがこういった形で支援が出来る事がすごく嬉しいです。」
Boazさん、紗弥加さん、田中清八さん。本当におめでとうございます。
田中清八さん、[BCXSY]に関してはこちらもぜひご覧下さい。
2011年2月11日『おめでとう![BCXSY]、田中清八さん』
2010年6月30日『建具職人・田中清八さんとBCXSYの共同制作』
2008年2月20日『伝統工芸、指物
師・田中清八さんを再び訪ねて』
2007年6月17日『職人技に触れる。指物師・田中清八さんとの再会』
2006年7月2日『指物建具工芸師、田中清八さんを訪ねる』
BCXSYのホームページ
http://www.bcxsy.com/
Origin Part I: Joinの詳細
http://www.bcxsy.com/work/collections/2010/origin-part-i-join/
Victoria & Albert Museumのホームページ
http://www.vam.ac.uk/