"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

桜色に染まる頃に思うこといろいろ

2011年04月01日 18時28分53秒 | ご挨拶とお知らせ

 旧二月二十八日。朝晩は少し冷え込み日中は陽射しの暖かさをしっかり感じられる新年度最初の日。
 空気が澄んだこういう日の二十八日目の月はとても美しく儚げでもあります。日の出はずいぶん早くなって今朝東京では5:28。それより1時間半ほど早く薄月は登り、東の空にくっきりと姿を現しました。やがて日が昇って空が明るく白くなって行くと、その姿はす~っと消えて行ってしまいます。辛うじて肉眼でとらえることが出来るのは6時ころだったでしょうか。「じゃ、今日も一日頑張って」というメッセージが聞こえて来るようで、この日の月はとても好きなのです。

 気象庁が東京で桜が開花した、と発表したのは今週の月曜日、3月28日でした。ほぼ平年並みで昨年より六日遅いそうです。0401sakura 満開の予想は4月6日。週明けに花冷えの日が続きそうなので、見頃は来週の後半あたりになりそうです。靖国の桜はとても陽当たりのよいところにあるのでしょうか、自分の周辺の桜からするとちょっと早いかな、という感じがしています。写真の染井吉野は3月29日、場所は浜離宮です。何本かの木の中でほんの四~五輪ほど花開いていました。やっぱり日本人なのです。世の中がどうあれ、桜の花がほころぶ姿に体の中がポッと暖かくなりました。
 東北地方太平洋沖地震の災害を受けて「花見を自粛しましょう」というような声がちらほら聞こえてきます。いろいろ思うところはありますが、自粛したほうが良いと思う行動は、花見にかこつけた野外での乱痴気騒ぎであって、桜を愛でるそれぞれの花見は静かに行えば良いのだと考えています。日本人が古から毎年毎年楽しみにしてきた桜の花見。それは、美しさと華やかさに心躍らせ、散って行く花に無常をなぞられること。今年の桜、人それぞれ特別な思いを抱く忘れえがたいものになることでしょう。わたしは、宮城・岩手の沿岸にある蔵のお酒を桜を愛でながらいただこうと思っています。

 なんでも自粛ムードにはちょっと違和感を抱いています。幸いなことに被災しなかった者には、それぞれの役割があるのです。わたしが思うのはこんなことです。今までよりほんの少しでも節電の意識をもつこと、決して無理をしない範囲での寄付や援助の気持ち、不確かな情報に惑わされず、自らも発信しないこと。そして最も大事なのは、努めて普通の日常を送るようにすること、だと思っています。元気な人は、いつも以上に元気なくらいでないと、この国はどうなってしまうのだろう、と憂うばかりです。

 “暮らしのリズム”では、5月14日土曜日に【居酒屋寄席~目には青葉の会】(出演:立川吉幸・泉水亭錦魚)を開催することになっています。もちろんやります。余計な気負いもなく、いつもの会と同じように楽しい夜にしたいと思っています。

“暮らしのリズム”presents
『居酒屋寄席~目には青葉の会

出演:立川吉幸、泉水亭錦魚
日時:平成23年5月14日土曜日 18:30開場 19:00開演
場所:渋谷・居酒屋ニュー信州 
渋谷区渋谷3-20-16(03-3797-6966)
料金:3500円
(先ずの一杯と季節の味覚のお楽しみつき)
   30席限定要予約

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