"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

先ず咲く“満作”に春近しを知る

2010年02月01日 18時32分08秒 | まち歩き

 旧十二月十八日。今日から2月です。タイミングよく干支が壬午(みずのえうま)ですから、京都伏見稲荷の初午でした。二月最初の午の日が稲荷信仰の例祭日になったのは、和銅四年(西暦711年)の二月初午の日に五穀を司る宇迦之御魂の神が伊奈利山に舞い降りたのが起源なのだそうです。身近なお稲荷さんには真新しい深紅の幟が立てられていたのではないでしょうか。江戸時代にはこの日が寺子屋入門の日だったという風習もあるそうです。もちろん、もともとは旧暦で行われていました。今年の旧暦で初午は、3月21日(旧二月六日)の日曜日、春分の日ということになります。


 厳しい寒さももう一山、といったところではないでしょうか。明後日2月3日は節分で、翌4日は二十四節気の立春です。実際はまだまだ寒い日が続いて、もうしばらくは冬の装い、という感じです。冬季オリンピックもこれからですしね。
0201mansaku春を体感できるのは、二十四節気の啓蟄(今年は三月六日)頃になってからだと思います。そんな寒の〆の頃、今夜は東京でも雪が積もるかもしれないそうです。
 日差しの暖かさと高さ、日没が段々遅くなってきていることは、寒さに関係なく実感できるのもこの頃です。よく植物は日照時間や、地温によって芽吹いたり花を咲かせたりする、と聞きます。写真右は隅田川テラスの植えられている『満作』の花です。「まんさく」という名は「先ず咲く」が変化したという説や、花付きの良さが「豊年満作」を印象づけるから、という説などがあるようです。0201tsubomi_2 寒の内に咲いている花を見ると、春を先取りしたような軽快な気分になります。色彩が乏しいこの頃に、錦糸卵のような花びらはとても暖かさを感じます。もう一つ、春の芳香、沈丁花の蕾(写真左)も紅が濃く鮮やかになってきました。花が咲くのは3月半ば頃だと思いますが、その準備は着々と進んでいます。

 2月20日(土・旧七草)に開催するイベント『長唄三味線の会~香り立つ早春の響き』の準備を進めています。先日は出演頂く松永鉄九郎さん、松永鉄駒さん、松永鉄六さんと、当日の演目や進行などの打ち合わせをしました。内容はもちろん当日のお楽しみ、ということですが、楽しい会になること間違いなし、と確信致しました。素晴らしい演奏と、楽しくてわかりやすいお話し。三味線ばかりではなく唄のコーナーもあり、お客様参加型の長唄体験も、という盛りだくさんな内容になりそうです。どうぞお楽しみに。
 旧七草に因んで、当日は皆さんに七草粥をお振る舞いしようと企画しています。直前に日差しが暖かい多摩川土手辺りで、自生している春の七草を探しに行ってきます。早春の陽光を浴びた天然七草の苦みを併せてお楽しみに。
残席まだもう少しあります。ご予約・お問合せはこちらまでお願いします。