"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

陽気に誘われもう一つの古鎮“西塘”へ

2009年04月05日 16時07分19秒 | まち歩き

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 旧三月十日。二十四節気の【清明(せいめい)】です。

万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也。
             
『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

 中国では昨日が清明節(チンミンジエ)。る日として、お墓参りをしたり、御霊のために家に宴席を用意したりして迎えるのです。明日月曜日まで三連休となり、里帰りしたり、たくさんの料理を作って先祖供養をします。0405seimei日本でのお彼岸やお盆のような風習ですね。
 あの世のご先祖様に届くようにと紙のお金を燃やします。今でこそ子供銀行のようなおもちゃの紙幣が売られていたりしますが、伝統的には古いお金、元宝(餃子の原型と言う節もあります)に模して金銀の紙で一つ一つ折ってます。ひと月ほど前から、街のあちらこちらでこの光景を目にしました。気の早い人は、清明節が終わると、もう来年に備えており始めるそうです。
(写真は西塘で紙の元宝を折る女性)

 上海の周辺にもたくさんあるという古い村」古鎮(グーチェン)」ですが、先週の朱家角に続いて、『西塘(シータン)に行ってきました。0405xitang1ここも水郷の村です。ハリウッド制作のアクション映画の撮影場所として数年前に使われたことで人気が出てきているのだそうです。
 狭い運河には石の橋が掛かり、両岸には古い家が建ち並ぶ。というのは他の古鎮とあまり変わらない風景ですが、家々は皆低層で木造土塀の素朴な造りです。特徴的なのは川沿いの小径にまで建物から屋根がせり出しているところです。嬉しいのはそれほど観光地化されていないので、人々の生活も普通に営まれていて、
0405xitang2俗っぽい土産物店もほとんどなく雰囲気がとても落ち着いているところでしょうか。(写真中央:西塘はこういった幅が1メートルもない細い路地があることでも知られています。写真左下:桜が奇麗に咲いていました。日本で見る染井吉野にとても似ています。写真右上:これも客?。よく見ると幟が見えます。)

 今回は、日帰りで昼間だけ訪れましたが、ここは人々がたくさん生活しているので、夕方から夜、早朝の風情がとても素敵だと聞きました。
奥に中庭がある住宅を宿にしているところもたくさんあって、2ベッドの部屋が一泊100元くらいだそうです。「客?」(コァツァン)という看板や幟があちらこちらに掛かっています。金曜・休前日は結構混むそうですが、平日は完全に買い手市場。0405xitang3部屋を見せてもらってから気に入ったところに泊まってみるのもいいかもしれませんね。BARを併設しているところもあるので、水辺で一杯やるのもいでしょう。この辺りは老酒の蔵がたくさんあるそうです。
 日帰り ツアーを利用しないで行くのには、上海から「嘉善(ジァーシャン)」まで高速バス(30元)で行き、バスを乗り換え西塘の町外れまで4元。二人乗りの自転車タクシー(4元)で古鎮の入口まで行きます。嘉善から古鎮入口まではタクシーで30元なので、4人揃えばその方が安いです。