"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

秋深まり金木犀香る

2008年10月14日 12時04分20秒 | 主催する催し

 旧九月十六日。 1014kinmokuseiある日突然鼻腔をくすぐり、瞬時に秋の到来を実感させてくれる金木犀を今年初めて意識したのは10月5日の日曜日頃のことでした。春の沈丁花と同じように季節の移ろいを香りで伝えてくれる花です。過去の手帳や、このblogで金木犀の香りを感じた頃を振り返ってみると、だいたい二十四節気の【寒露(かんろ)】の頃をピークに咲いているようです。温暖化が懸念されていますが、その前の【秋分】にぴったりタイミングを合わせて咲く彼岸花と同じように、暦に正確な花です。日照時間に関係があるのでしょうか。


 【寒露】は10月8日水曜日でした。

隠寒の気にあって、露むすび凝らんとすればなり
 『暦便覧』(天明八年(1788年)出版)

 それにしても、どうも今年の秋は暖かいように感じませんか。厚手の衣類を出すのにも、夏物をしまうのにもなんだか躊躇してしまうような陽気が続いています。それでも油断は大敵です。日中は暖かくても日が落ちる頃に急に冷たい北風が吹いてくるのも、この頃です。
 10月11日の土曜日。朝からの雨が一旦は上がって、晴れ間も覗いたのですが、夕方には急に黒い雲が広がりにわか雨が降りました。再び雨の上がった夕刻、それまでとは空気が変わり、来たから冷たく乾いた風が吹いてきます。「ああ秋から冬の季節風、葉枯らしの風だな」と空を見上げると、ぽっかり浮かんでいるのは【十三夜】の名月です。旧暦九月十三日の月は、旧暦八月十五日の【中秋の名月】に対して「後の名月」です。中秋の名月を丸く白い里芋をイメージして『芋名月』というのに対し、十三夜の月は『栗名月』あるいは『豆名月』と呼ばれています。まだ丸くなりきっていない、ちょと欠けている姿が、栗や豆(大豆なのかな)に見えるのでしょうか、それぞれの収穫期にだいたい一致するからなのでしょうか。秋の名月を二度見ることが出来ると縁起がいい、と言われていました。今年は中秋の名月を大和市の公所・浅間神社で拝むことが出来ました(その時の模様はこちらです)ので、何か良いことがありそう、と期待に胸が膨らみます。