旧六月二十日。今日は二十四節気の【大暑(たいしょ)】です。
暑気いたりつまりたるゆえなればなり
『暦便覧』(天明八年/1788年出版)
暦どおりの厳しい暑さになりました。昔はこの日が暑さのピークだったのしょう。
都市熱や温暖化の影響もあって、暑さはこれからますます厳しくなります。東京ではそろそろニイニイゼミが鳴き始めました。少し早いかな、という気もしますが、夏の花、凌霄花(ノウゼンカズラ)が見事に咲いています。
「この暑さをどう乗り切るか」誰と顔を合わせても自然と口に出るこの時期世間話のテーマです。電気料金もじわじわと値上げしています。二酸化炭素排出量がどうだとか、何かにつけてエコだ、省エネだと言われて、いろいろな文明の利器の利用を我慢することが美徳のような空気になって来ています。一方街中では真昼の炎天下、焼け付いたアスファルトに一斉に打ち水をするという妙なキャンペーンをやっていますが、あれは気化熱で一時的に温度は下がっても、その後の湿気とさらに照りつける日差しで不快指数が増すばかりです。打ち水は朝の陽が照りつける前、夕方、日が傾き始めて日陰になったところにしましょう。
夏の暑い時にはちょっとピリリとする唐辛子などの香辛料が好きですね。激辛は汗がひかずあとが大変になってしまいますから、この加減が重要です。
先日横浜の郊外、里山と谷戸、田畑が残る寺家ふるさと村に行った際、付近の農産物直売場で目についたのが『福耳唐辛子』。名前からして運が付きそうで気になります。大きさは15cmほど。万願寺唐辛子を一回りほど大きくしたようなサイズで、しっかり辛さもあるとのことです。網でしっかり焦げ目がつくまで焼いてから、いりこに煮浸しに。冷蔵庫でしっかり冷やしてみました。肉厚なのでしっかりとした歯ごたえで清涼感が口の中に広がり、少し遅れて程よい辛みがやってきます。額にじんわり汗が出て、すぐにひいて行くと、少しだけ涼しくなったような。
この時期、唐辛子の他には山椒や中国山椒の「花椒(ホワジャオ)」もいいですよ。折しも明後日は土用の丑。鰻もいいけれども「山椒は小粒でピリリと辛い」をお忘れなく。