"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

ほおずき市。浅草は緑と橙に染まる

2008年07月11日 01時32分27秒 | まち歩き

 旧六月九日。今日は二十四節気【小暑】の後、最初の壬(みずのえ)の日。旧暦では梅雨明けの日とされています。気象庁の発表により梅雨明けしているのは今日現在、沖縄・奄美、九州、四国です。今年は全体的に平年より早いようです。関東では平年が7月20日頃。来週半ば頃にでも梅雨明けとなるでしょうか。

0710hoozuki1  夏の風物詩としてお馴染みの行事が浅草、浅草寺の“ほおずき市”です。今年も観世音菩薩の縁日、四万六千日に合わせ7月9日(水)、10日(木)の二日間、浅草寺境内で行われ、初日の午後に行ってきました。十五年振りくらいの“ほおずき市”です。あの頃は、一鉢いくら位だったでしょうか。今年は2500円と表示されていて、実際は500円値引きしてくれます。どんよりとした空、決して暑くなく、本格的な夏まではまだもう少し、という陽気です。境内には何百件という店が立ち並んで、ほおずきや風鈴、植木などを売っています。

0710hoozuki ほおずき市の起源は諸説あるようですが、愛宕神社の「千日詣り」がルーツなようです。こんな言い伝えがあります。愛宕の長屋の住人で、癪に苦しむ婦人がいました。ある晩愛宕様の御神託により参道のほおずきを煎じて飲むと、たちどころに癪は治まり、長屋の子供の虫も治ったそうです。その噂が広まり、ほおづきが薬草として珍重されるようになって、愛宕神社に市が立つようになったそうです。今では、もっぱら観賞用。水をたくさんかけて、瑞々しく濃い緑と橙の実が暑い夏に涼をもたらしてくれます。また枝に実をつけたほおずきは、先祖の魂が提灯の代わりにするようにと、お盆の精霊棚に飾ります。(浅草寺境内は威勢の良い売り声で包まれます)

 ところで、おやっと思ったのは『ほおずき』と『ほおづき』の仮名の違いです。結構この表記が混在しているので、どっちが正しいのだろうか、と。愛宕神社では『ほおづき』で統一しているようですが、こちらの方が古い言い方だそうです。

 久しぶりの“ほおずき市”。夏の浅草はいい雰囲気ですね。定番コースの並木薮で蕎麦を、梅むらで豆かんを味わいました。