"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

銭湯で古本まつり

2008年04月10日 23時26分34秒 | まち歩き

 旧三月五日。花散らしの冷たい雨と風。寒暖の差が激しい時期です。風邪も流行っているとのこと。体調管理が難しいですね。
 一昨日、4月8日火曜日は旧暦の三月三日【上巳(じょうし)
ひな祭りでした。上巳は、旧正月七日の人日、旧五月五日の端午、旧七月七日の七夕、旧九月九日の重陽と合わせた、年中行事を行う重要な五節句の一つです。いずれも季節感を感じる行事なので、やはり旧暦に合わせたタイミングで風情を感じたいものです。ひな祭りといえば、桃の節句。桜と並んで、この頃は花桃が綺麗に咲いています。

0410tsukinoyu1 先週の土曜日、4月5日に都内にある築75年を越えた銭湯で“古本まつりのイベントがあり行ってきました。 いろいろな町の古本屋さんが集まって、本を売る古本市と、トークショーや、カフェまでがあります。友人のイラストレーター、エッセイストの浅生ハルミンさんが参加している縁で、このイベントを知りました。
(写真は外観。文京区目白台にある「月の湯」が会場です)

0410tsukinoyu3  日常はお湯をかぶるサッバーッという音と、ケロリンの桶をタイルに置くカラ~ンという響きに包まれる癒しの銭湯に、この日はいつもとはちょっと違うたくさんの人が集まっています。 女湯の脱衣場と風呂場では、
脱衣かごに本を入れて展示する古本市が。そして男湯の風呂場がトークショーのスペース。0410tsukinoyu2脱衣場がカフェになっています。銭湯における禁断の扉。男湯と女湯の脱衣場を繋ぐあの扉を自由に往き来できるのは、なんともニヤッな感じでした。
(写真左は女湯の古本市。右では風呂場で小説家・岡崎武司さんのトークショーが行われています。いずれも大盛況です)

 歴史を感じる庶民的な空間で行われるユニークなイベントでした。わが町にも昭和初期創業の木造建築破風造りの良い雰囲気な銭湯がありましたが、ちょうど一年前に突如廃業となり、勇壮な建物もあっという間に壊されてしまいました。昔は地域の人たちにとってコミュニケーションの場だった銭湯ですが、このようなユニークなイベントを開催することで、世代を超えて若い人たちにも見て触れて、コミュニケーションが始まるきっかけになってもらえるというのは、素晴らしいですね。

0410myounitikan  散歩日和の土曜日の午後。雑司ヶ谷から鬼子母神を歩き、西池袋の自由学園明日館に立ち寄り、池袋の雑踏に足を踏み入れると、突如現実的な世界に舞い戻るような感覚でした。
(明日館ロビーの大窓から庭の桜が望めます)



◆浅生ハルミンさんのblog【浅生ハルミンの『私は猫ストーカー』passage】
◆「月の湯」は文京区目白台3-15-7。営業は火・木(17~22時),日(16~23時)
◆明日館についてはこちらをご覧下さい。
 2007.9.17巨匠F.L.ライトの粋~明日館を訪れて
 自由学園明日館→http://www.jiyu.jp