とのさま不経済新聞 by 雲葉

「よるのとのさま」から改題(2013年2月1日)

もういちど横浜放浪記 ~大曽根商店街「太平館」

2012年05月05日 | 横浜市港北区
  『なつかしの店と家並みに、想いを馳せる。
     ポケットの小銭あつめて、あの街へ…


  世間は5月5日の端午の節句、ということで勤め先の店でも菖蒲を売ってます。であれば銭湯へ行けば菖蒲湯に与れるというもの。ではどこへ行こうかと思案して大倉山へと足を向けました。

  

  昼下がりの日比谷線直通電車で大倉山へ。

  大倉山には徒歩圏内に3軒の銭湯があるのですが、そのうち駅からそう遠くなくしかも温泉である「太平館」を選びました(冒頭写真)。初めてではないと思うのですが前回は昭和だったか平成だったかすでに定かでない。それなら初めてに等しかろう。

  駅を出て左手に回り込み線路伝いに歩きます。このあたりを訪れるのはおおよそ3年ぶり。お昼を食べに入った店は思い出せても美容院などは忘却の彼方へ。やがて商店街に入り込みますけど世間の連休中とあってシャッターを下ろしてる店が多い。そんな中のちょっと奥まった場所に「太平館」はあります。

  暖簾をくぐると下足置き場があり、扉の向こうには番台が。昔ながらの由緒正しい銭湯です。

  湯はコーヒー色というか今風なら“黒烏龍茶色”と言うのか。天然ラジウム温泉に菖蒲が浮かび、いい香りが漂います。時刻は開店から少し過ぎた16時で、年配の御仁で賑わっていたもののやがて落ち着きます。親子連れの姿もあり、小さな男の子が「銭湯久しぶり!」と声をあげているのを見れば、将来も愛着を持ってほしいと願わずにいられない。

  縁側はないけれど開けっ払った戸から入る風が心地よい。これも銭湯の必須アイテムのバネ式体重計に乗ると、先々月比で約1kgの軽量化を達成している。これでまた調子に乗って鉄道に肥満運賃の推進をというネタを書くことはないですが

  脱衣場には飲料の冷ケースのほかに自販機も。しかもビールもあり、価格は市価並みなれど今から飲んでは動けなくなりそう。

  たっぷり温まって1時間強で退出。商店街の中にちょっと妖しげな雰囲気の赤提灯を見かけたものの、ご常連らしき輩で入口が塞がれている感じのためパス。駅前の、拙者にはおなじみハマケイ(浜鶏)の暖簾をくぐりました。串焼きのほかに煮込み、ここのはモツではなくハラミの煮込みなのが独特です。おいしいですよ

  大倉山駅では改称80周年とやらで「メモリアル写真展」を開催してました(6日まで)。

  

  昔の風景の中には「撮影者を探しています」の註釈もある写真も。まだ農村だった中を走る東海道新幹線など、興味深いものもありました。